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自宅としての不動産と運用資産としての不動産

ファイナンシャルフィールド / 2021年9月14日 12時30分

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「財産三分法」というのは昔からよく使われている資産管理の方法ですが、現在においても資産を現金、有価証券、そして不動産に三分するのは変わらない法則のようです。   多くの人は住むための家として不動産を入手保有しますが、相続等で2軒目の家を持つこともあります。今回は、住まいとしての不動産(家)と資産運用の対象としての不動産について学んでみましょう。

どのようにして不動産を入手する?

不動産を入手する形や理由は人によってさまざまですが、いくつかのケースが考えられます。自宅としての購入、親からの相続、2軒目の入手などがありますが、3つのケースについて具体的に見てみましょう。
 

自宅としての購入

世代によって自宅に対する考え方は少しずつ違っているとは思いますが、自分で自宅を取得することは、人生の大きなステップのひとつとして、意義深いものになります。入手の平均年齢は、一戸建ては38.6歳、マンションでは43.3歳になっています(※1)。
 
注文住宅では、取得世帯の10.7%は30歳未満というデータ(※2)もあり、30歳代と合わせると半数を占めることから、自宅取得は30歳代以下が中心という実態になっています。
 

親からの相続で取得

親世代が一戸建て住宅やマンションを保有している場合は、親からの相続という形での取得も相当あります。
 
しかし、親世代の住環境と現在の環境が大きく変わっており、また子供世代が自宅を持ちたいという年代と親が相続させたい時期が合わないことが多いのが実情のようです。
 
また、その地域についても、親の自宅の場所と子供の希望する場所が合わないことも多いと思われます。しかし、不動産(土地・家屋)の相続は、現金預金、有価証券と並ぶウエイトになっており、相続で不動産を入手する機会は少なくありません(※3)。
 

2軒目保有

2軒目の不動産を持つ人には、2つのパターンがあります。自宅を購入後に親の自宅を相続する場合や、運用資産として不動産を取得保有する場合が考えられます。
 
相続の場合は、売却をするという選択もありますが、物件の種類(マンション)や立地によっては保有して運用を考えるということも考えられます。
 
運用資産としての不動産保有は、ある程度の不動産の知識を必要としますが、安定的な資金運用が難しい中では魅力のある選択のひとつとなっています。
 

運用資産としての不動産

金融資産の運用はリスクを取ることが前提ですが、不動産の運用はさらにリスク度が高いこともあります。ただ、公的年金への信頼度が低下する中で、不動産運用を選択する人も少なくありません。自己保有の居宅を賃貸に出して収益物件として活用することで、老後資金を安定的に確保するという考え方です。しかし、収益物件としての不動産は、空き家や事故のリスクも抱えるため慎重な判断が必要です。
 
また、不動産を複数所有して事業として取り組むケースもありますが、物件探し、資金調達、管理会社探しと委託、収支管理、税務申告と、取り組み事項は多岐にわたるため、専門知識と事故等への対処を含めて事業としての自覚が求められます。
 

資産運用としての不動産保有のメリットとリスク

資産運用として不動産保有を考えたときのメリットは、

●金融資産に比べてインフレに強いこと
●賃貸に出せば収益を生むこと
●相続資産として有効であること
●所有している間に価値が上がることがある

 
一方でデメリットは、

●固定資産税・保守費用等の保有コストがかかること
●不動産市況によって下落することがあること
●立地環境の変化に左右されることがあること
●取引に専門知識や不動産関連事業者の関与が不可欠であること

などが挙げられます。
 

まとめ

若いときに自分の家を持つのは大きな夢の実現であり、ライフプランの中の大きなイベントであるのは間違いありません。一方、相続で不動産を入手するケースや、不動産での運用を意図した不動産の複数所有もあります。
 
不動産は専門的な知識も求められますが、必要なときには専門家のアドバイスも受けながら、不動産の所有と運用を考える時代がきているのではないでしょうか。
 
出典
(※1)国土交通省 令和2年度 住宅経済関連データ <2>  3 (2)分譲住宅購入者の比較(excel)
(※2)国土交通省 令和元年度 住宅市場動向調査報告書 P82
(※3)国税庁 平成30年分の相続税の申告状況について
 
執筆者:植田英三郎
ファイナンシャルプランナー CFP

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