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年収400万円と年収800万円、年金額の差はどれくらい?

ファイナンシャルフィールド / 2021年9月28日 23時0分

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老齢厚生年金は、その人の標準報酬月額を基に計算されます。したがって年収が高ければ、その分将来もらえる老齢厚生年金額は多くなるということになります。   では、年収が400万円の場合と800万円の場合、もらえる老齢厚生年金額にはどのくらいの違いがあるのでしょうか。

年収400万円の年金額は?

では、年収400万円の方の年金受給額はいくらなのでしょうか。今回は以下のケースで試算してみます。
 

<試算条件>

大卒(22歳)で入社後定年である60歳まで勤務。大卒時の年収を300万円(※1)。60歳時点の年収は500万円として、平均年収400万円で試算。

 

■老齢厚生年金額

上の試算条件で計算すると、65歳からもらえる老齢厚生年金額は年間88万円、月に換算すると約7万円です。
 

■老齢基礎年金

この方が学生の間(20歳から22歳まで)の国民年金保険料を払っていると仮定すると、老齢基礎年金は満額受給できます。老齢基礎年金は年間78万円、月に換算すると約6万5000円です。
 

■受給できる年金額は?

受給できる年金額は老齢基礎年金と老齢厚生年金を合算したものです。したがって、年収400万円の方が65歳から受け取れる年金額は年間166万円、月に換算すると約13万8000円となります。
 

年収800万円の年金額は?

同じ条件で平均年収800万円の場合を計算してみましょう。大卒時の年収は300万円で変わらないとすれば、60歳時点の年収が1300万円であれば、平均年収は800万円です。
 

■老齢厚生年金額

生涯平均年収が800万円の場合、65歳からもらえる老齢厚生年金の額は年間163万円、月に換算すると約13万円です。
 

■受給年金総額は?

年収400万円の場合と同様に、老齢基礎年金を満額受給できると仮定すると、老齢厚生年金および老齢基礎年金を合わせた受給額は年間223万円、月額に換算すると約18万6000円となります。
 

■年収400万円との差額は?

老齢基礎年金そして老齢厚生年金を合わせた額で見ると、年収400万円の人と年収800万円の人では、受け取れる年金額に年額57万円、月に換算すると約5万円の差があることが分かります。
(年金額の試算についてはシミュレーションサイト(※2)を利用して計算)
 

平均寿命まで生きた場合の受取額の差は?

2020年現在、日本の平均寿命は男性で81.64歳、女性は87.74歳となっています。仮に男性81歳、そして女性が87歳まで生きるとすると、年金開始年齢から男性で16年、女性で22年生活することになります。
 
年収400万円の人と800万円の人の年金額の差は年間57万円ですので、男性の場合912万円、そして女性の場合は1254万円の受取額の差となります。今後は医療技術の進歩などにより長寿化が進むといわれており、生涯にわたって受け取れる年金額にもかなりの差が生じるものと推測されます。
(参考:厚生労働省「令和2年簡易生命表の概況」(※2))
 

受け取れる年金額を増やす方法

公的年金だけでは老後の生活が不安と感じる方もいらっしゃるでしょう。もちろん老後を夫婦で過ごすのか、単身で過ごすのか。また夫婦共働きだったのか片働きだったのかによっても、受け取れる年金額は変わります。しかし、長寿化が進んでおり、介護対策についても考えると、老後のための資金については、公的年金以外の手段でも用意しておく必要があるでしょう。
 

■確定拠出年金の利用

近年、企業内で確定拠出年金の制度を導入するケースが増えています。もちろん、これまでの企業年金制度であった「確定給付年金」が残っているところもありますが、その中身を徐々に確定拠出年金の制度に移行しているのが実態です。
 
退職金および公的年金以外の老後資産については、勤務先の企業型確定拠出年金の制度を利用するほか、規約で認められているのであれば、個人型確定拠出年金であるiDeCoを併用して老後のために使える資産を増やすとよいでしょう。
 

■運用の活用

まとまった資金があり、当面利用しないというのであれば、運用にまわすことを考えるのも選択肢の1つです。普通預金に預けていても、増えないばかりかインフレリスクを抱えることにもなります。その対策としても、できるだけ運用を取り入れながら資産形成を行っていくことも検討してみてはいかがでしょうか。
 

まとめ

前述のとおり、年収が倍近く違った場合、受け取れる年金額も1.4倍近くの差となります。もちろん、人によってはもっと収入がある方もいらっしゃいますし、休業などで思ったよりも年収が増えないという方もいらっしゃいます。また、退職金についてもある程度の額が保証されている方もいれば、運用の成果によって決まるケースもあります。
 
大切なことは、毎年送られてくる「ねんきん定期便」などで、将来受け取れる年金額をある程度把握し、不足すると感じる場合は早めに運用を取り入れるなど、資産形成に取り組む必要があります。老後の生活のために、自身のライフプランに合わせた資産形成方法を取り入れていくとよいでしょう。
 
出典
(※1)厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査 結果の概況/(9)新規学卒者の学歴別にみた賃金【新規項目】」
令和2年の大学卒の初任給を基に試算。
226千円×12=約270万円
賞与分として1ヶ月分強を加えて300万円と仮定しています。
(※2)厚生労働省「令和2年簡易生命表の概況」(「主な年齢の平均余命」)
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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