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60歳からの働き方。結局、月いくら働いたら年金は減額されるの?

ファイナンシャルフィールド / 2021年10月18日 23時10分

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60歳を過ぎても働く場合、年金を受け取りながら働くことも可能です。給料と年金の両方を受け取れるなら、家計は大いに助かると思われるかもしれません。   しかし、注意しなければならないことがあります。それは、給与や賞与の額と老齢厚生年金の額に応じて、年金の一部または全額が支給停止となる場合があるということです。

在職老齢年金の概要

在職老齢年金制度は、在職中に厚生年金保険に加入しながら老齢厚生年金を受け取っている場合、受け取っている総報酬月額相当額(給与や賞与などの報酬を月額換算した金額)と老齢厚生年金の額によって、年金額が調整されるというものです。
 
これにより影響を受けるのは老齢厚生年金のみで、老齢基礎年金は影響を受けません。在職老齢年金は、以下のように年齢により支給停止調整額が異なります。


・60歳から64歳までの方:基本月額と総報酬月額相当額の合計額が28万円
・65歳以上の方:基本月額と総報酬月額相当額の合計額が47万円

なお、「基本月額」「総報酬月額相当額」の内容については以下のとおりです。


・基本月額:加給年金額を除いた老齢厚生(退職共済)年金(報酬比例部分)の月額
・総報酬月額相当額:(その月の標準報酬月額)+(その月以前1年間の標準賞与額の合計) ÷12

つまり、基本月額と総報酬月額相当額の合計額が上記金額以下であれば、年金額は調整されることなく全額支給されるということです。
 

60歳からの働き方のポイント

60歳からの働き方のポイントは、いつ年金を受け取るかで変わります。つまり、(1)60歳から64歳までに受け取るか(繰り上げ受給)、(2)65歳0ヶ月で受け取るか、(3)65歳1ヶ月以降に受け取るか(繰り下げ受給)です。
 

繰り上げ受給をする場合

繰り上げ受給をする場合、60歳から64歳までの間は支給停止調整額が28万円ですので、基本月額と総報酬月額相当額の合計額を28万円以下にする必要があります。
 
例えば、基本月額が12万円であれば総報酬月額相当額を16万円以下にしなければなりません。年収にして192万円です。この金額は賞与を含めた金額となりますので、毎月の給与だけで考えないよう注意が必要です。
 
65歳以上になれば、支給停止調整額が47万円となりますので、基本月額と総報酬月額相当額の合計額を47万円以下にすれば年金額が調整されることもありません。
 
例えば、基本月額が12万円であれば総報酬月額相当額は35万円以下であれば良いということになります。年収にして420万円です。なお、繰り上げ受給をした場合の注意点は以下のとおりです。


・繰り上げた期間に応じて年金額が生涯にわたり減額される
・老齢基礎年金についても繰り上げ受給となる
・老齢基礎年金についても繰り上げた期間に応じて年金額が生涯にわたり減額される

 

65歳で受給をする、または繰り下げ受給をする場合

65歳で受給をする、または繰り下げ受給をする場合、60歳から64歳までの間にいくら働いても、年金額に影響はありません。
 
65歳以上で年金の受給を開始した以後は、支給停止調整額が47万円となりますので、基本月額と総報酬月額相当額の合計額を47万円以下にすれば年金額が調整されることもありません。
 
この考え方は前項の「繰り上げ受給をする場合」と同じです。
 

まとめ

60歳からの働き方は、年金をいつ受け取るかに影響を受けます。65歳を境に年金の支給停止調整額が変わるからです。年金の支給停止調整額は60歳から64歳までは28万円、65歳以降は47万円となります。
 
基本月額と総報酬月額相当額の合計額が支給停止調整額を超えなければ、年金は減額されません。基本月額は加給年金額を除いた老齢厚生年金の月額のことで、人それぞれ異なります。ねんきん定期便などでご確認いただくとよいでしょう。
 
総報酬月額相当額は毎月の給与のことではなく、イメージとしては年収を12ヶ月で除した金額となりますので、この点にも注意しながら基本月額と調整をするようにしてください。
 
出典
日本年金機構 「在職老齢年金の支給停止基準額が平成31年4月1日より変更になりました」
日本年金機構 「60歳台前半(60歳から65歳未満)の在職老齢年金の計算方法」
日本年金機構 「65歳以後の在職老齢年金の計算方法」
日本年金機構 「老齢基礎年金の繰上げ受給」
日本年金機構 「老齢厚生年金の繰上げ受給」
 
執筆者:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

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