平均年収700万の会社員。老後資金は夫婦でいくら必要?
ファイナンシャルフィールド / 2021年11月4日 9時40分
老後資金について考える中で「年収700万円の会社員の年金はどれくらいか知りたい」「老後資金はどれくらい必要なのか」など、疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。 年金だけでは余裕のある老後生活を送ることが難しい可能性があります。早くから老後資金に関心を持ち、計画的に準備をすることが大切です。 ここでは、平均年収700万円の会社員の年金受給額や、高齢夫婦の収支状況について解説します。
高齢夫婦の収入と支出の平均額
総務省統計局の「家計調査報告(家計収支編)2020年(令和2年)平均結果の概要」によると、「65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)」と「65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)」の1ヶ月の家計収支は次のとおりです。
1ヶ月の家計収支 | 高齢単身無職世帯 | 夫婦高齢者無職世帯 |
---|---|---|
可処分所得 (実収入) |
12万5423円 (13万6964円) |
22万5501円 (25万6660円) |
消費支出 | 13万3146円 | 22万4390円 |
差額 | ▲7723円 | 1111円 |
※「65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯)」より
上記のとおり、高齢単身無職世帯は1ヶ月で7000円以上のマイナス、年間で9万円以上の赤字となります。夫婦高齢者無職世帯は1ヶ月の収支は黒字ですが決して余裕があるとはいえません。わずかでも支出が増えれば赤字になります。
しかも高齢単身無職世帯、夫婦高齢者無職世帯、どちらも収入の85%以上が年金です。余裕のある老後生活を送るには、年金に加えて、十分な老後資金を用意しておく必要があります。
平均年収700万円の会社員の年金受給額
三井住友銀行の年金試算シミュレーションによると、年齢40歳で年収700万円、20歳〜60歳まで就業して65歳から年金を受け取る場合、厚生年金は12.2万円/月、国民年金は6.4万円/月、合計18.6万円/月です。夫婦の場合は、配偶者の仕事や年金加入状況によって年金額が変わります。例えば、専業主婦の場合は国民年金のみとなるため、夫婦で25万円/月の年金額となります(満額の場合)。
老後資金を増やす方法
老後資金を増やす方法には、NISAやiDeCo、付加年金や追納があります。NISAやiDeCoは、節税しながら老後資金を作れるのが特徴です。また、付加年金や追納は年金受給額を増やせます。年金だけでは老後生活に余裕がない可能性があります。ここで紹介する老後資金を増やす方法を活用して、老後生活に備えましょう。
NISA
NISAとは、少額投資非課税制度のことです。年間120万円の非課税投資枠が最長5年間適用され、投資で得た配当金や売却益が非課税になります。国内株式、外国株式、投資信託が対象となります。通常であれば利益に対して20.315%の税金がかかりますが、非課税で運用が可能です。
iDeCo
iDeCoは個人型確定拠出年金のことで、自分で掛け金を拠出して、自分で運用商品を選んで運用する私的年金制度になります。60歳になると資産の引き出しができ、受け取り方法は「一時金」と「年金」、もしくは両方を組み合わせる形から選択可能です。
iDeCoは、掛け金が全額所得控除となるため税負担を低減できます。また、運用益は非課税となるうえ、年金として受け取る場合は公的年金等控除、一時金として受け取る場合は退職所得控除の対象となります。節税しながら老後資金を作ることができます。
付加年金
年金の定額保険料に上乗せして付加保険料を納めると、将来の年金受給額を増やせます。付加保険料は月400円(令和3年度)です。付加年金額(年額)は「200円×付加保険料納付月数」で計算し、2年以上受け取ると納付した付加保険料より多くの年金を受給できます。
付加保険料を納められるのは、国民年金第1号被保険者、または64歳までの任意加入被保険者になります。ただし、国民年金基金制度に加入している方は、付加年金制度を利用できないため注意してください。
年金の追納
10年以内に保険料の免除や納付猶予、学生納付特例の承認を受けた場合は、年金保険料の追納ができます。追納をすることで年金額を増やせます。また、追納した分も社会保険料控除の対象となりますので、所得税や住民税の軽減が可能です。
老後資金を貯めるための計画を立てましょう
国の調査では、高齢単身無職世帯の収支は毎月赤字で、夫婦高齢者無職世帯の収支はほぼトントンです。世帯によって収支状況が異なるため、一概に「〇〇万円あれば大丈夫」という決まった金額はありません。
●どのような老後生活を送りたいか
●年金見込額はいくらか
●足りない不足分はどう準備するか
上記3点を考え、計画的に老後資金を準備することが大切です。本記事を参考にして、ぜひ計画を立ててみてください。
出典
総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2020年(令和2年)平均結果の概要」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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