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夫の死後に支払われた生命保険も、遺産として夫の母に分けないといけないのですか?

ファイナンシャルフィールド / 2022年1月24日 9時10分

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夫の死後に受け取った生命保険金を、夫の親に渡すべきかどうか判断するには、まず相続人が誰になるのか、保険金が遺産になるのかを考える必要があります。   ここでは、夫の死後に生命保険の支払いが発生した事例について見ていきます。

亡夫の相続人は誰か

生命保険金を遺産として渡すべきか判断する前に、夫が死亡した場合、誰が相続人となるのかについてまず確認しなければなりません。相続人が誰になるかはケースによって異なりますが、一般的に夫が亡くなった場合は妻と子どものみが相続人となります。
 
夫の死亡以前に子どもが死亡している場合には、その子ども(孫)が相続人です。夫の子どもや孫がいない、あるいは相続権を失っている場合のみ、夫の親に相続権が発生します。
 
従って、子どもや孫がいる場合には法定相続で夫の親に遺産を渡すことはありません。
 
ただし、例外があります。夫が生前に自分の親に遺産を相続させるという内容の遺言書を作成していた場合には、子どもや孫がいても両親が相続人になるため、遺言書の内容に従って遺産の相続をしなければなりません。
 
逆に、子どもや孫がいない状態で夫が妻にすべての財産を相続させるという旨の遺言書を作成している場合には、妻一人が遺産を相続することになります。
 
ここで気を付けておきたいのが、遺留分です。元々法定相続人の立場だった人が遺言によって遺産を全くもらえなかった場合、遺留分の請求ができます。遺留分とは本来受け取ることができた相続分の2分の1を遺言の内容に関係なく請求できる権利です。夫の親が法定相続人の場合には、遺言書があっても遺留分の請求をされる可能性があることを頭に置いておきましょう。
 

生命保険金は相続財産になるのか

次に、生命保険金が相続財産になるのかどうかです。例えば、夫が妻を受取人に指定して加入していた生命保険で、夫の死亡により保険金を受け取った場合、その全額が妻の固有の財産という扱いになります。生命保険金は受取人固有の財産として扱われますので、夫の親が法定相続人であっても渡す必要はありません。
 
逆にいえば、夫の親が受取人になっている生命保険に関しては、夫の親が法定相続人であるかどうかに関係なく、親が受け取るべきものになります。
 
例外的に、生命保険金が極端に高額で相続で著しい不公平が生じる場合には、裁判所が受取人以外の法定相続人への持ち戻しの対象と判断することがあり、判断基準となる金額は決まっていません。遺産の総額と保険金の額などによって裁判所がその都度判断します。
 
一方で、受取人が夫より先に死亡している場合や元々指定されていなかった場合には、法定相続人の順位や遺言書の有無によって判断されます。
 
遺言書に生命保険金の受取人について記載があった場合には、その記載に従って保険金が支払われますし、遺言書がない場合には法定相続人が受取人です。妻と子ども、または孫がいればそれぞれの相続分の割合に応じて分割するだけで終了し、夫の親には渡す必要がありません。
 
しかし、子どもや孫がいなければ夫の親が法定相続人になりますので、妻と法定相続分の割合で分割して受け取ることになります。このケースにおいては、妻が一括して保険金を受け取り、その一部を夫の親に遺産として渡さなければなりません。
 
なお、生命保険金は原則遺産とは見なされませんが、税務上ではみなし相続財産として扱われるため課税対象となります。
 

状況の把握を最優先に

このように、亡夫の生命保険金が支払われたからと言って、必ずしも夫の親に遺産として渡す必要はありません。まずは夫の親が相続人になるのか、受取人がどうなっているのか、保険金の額は遺産と比べて大幅に高額ではないか確認してみるとよいでしょう。自分では判断がつかない場合には、弁護士や司法書士などの専門家に相談するのもおすすめです。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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