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国の教育ローンが令和4年4月に改正。その改正点とは?

ファイナンシャルフィールド / 2022年5月13日 2時50分

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高校3年生になると受験シーズンが始まります。進学にはお金の問題を避けて通ることはできません。子どもの進学・在学には多くのお金が必要になってきます。   合格時など、まとまった教育資金がいざ必要になったときに慌ててしまわないよう、事前に奨学金や教育ローンなど、さまざまな制度を情報収集しておくことが大切です。   入学金などの不足分には奨学金は利用できないので、教育ローンを利用します。大学受験生の強い味方「国の教育ローン(日本政策金融公庫)」の、令和4年4月からの改正点について知っておきましょう。

国の教育ローンとは

国の金融機関である日本政策金融公庫が提供する教育ローンです。
 
入学金、授業料のほか、受験料、受験のための交通費・宿泊費、パソコン購入費、自宅外通学の場合の住居費用、学生の国民年金保険料などにも使うことができます。
 
申し込みには、扶養する子どもの人数に応じた世帯年収の上限があります。融資限度額は350万円(一定の場合に450万円)、返済期間は改正前は15年以内(令和4年3月まで)でした。
 
金利(5月と11月に変更)は固定金利のみです。連帯保証人の代わりに(公財)教育資金融資保証基金の保証を選択することができます(要保証料)。
 
資金が必要な2~3ヶ月前(合格前)に申し込むことができます。日本政策金融公庫以外の金融機関でも申し込みが可能です。
 
年収を証明する書類など、所定の書類を用意する必要はありますが、窓口に行かなくても、郵送やインターネットでも日本政策金融公庫に申し込めます。
 
申し込みから融資まで最短で20日。ひとり親家庭などには、家庭の状況に応じた優遇があるのが特長です。利子(保証料)補給制度実施する自治体もあります。
 

国の奨学金との違い

国(日本学生支援機構)の奨学金とは、利用者、申込時期、資金の受け取り方などに違いがあります。国の教育ローンの利用者は保護者ですが、国の奨学金は学生本人です。
 
国の教育ローンはいつでも申し込めますが、国の奨学金は申込時期が決まっており、高校や大学などの学校を通じて申し込みます。高校では、3年生の4月下旬~7月頃(高校により申込時期は異なる)、在籍する高校で予約できます(浪人生は卒業後2年以内)。
 
国の教育ローンは1年分(350万円以内)まとめて資金を受け取ることができますが、国の奨学金は入学後、一定額が(12万円など)が振り込まれます。
 
利率は国の教育ローンが固定金利1.8%(令和4年5月)に対し、国の奨学金は、利率固定方式0.468%、利率見直し方式0.020%(令和4年4月)と圧倒的に低金利です。
 
入学金など、入学前に必要な資金の不足分には国の奨学金は利用できませんので、国の教育ローンなどで賄う必要があります。
 

<改正点1> 返済期間が拡大

民間の教育ローンの返済期間は10年以内が多いですが、国の教育ローンの返済期間は、令和4年4月1日より18年以内になりました。
 
改正前は15年以内で、優遇措置により「交通遺児家庭」「母子家庭」「父子家庭」「世帯年収 200 万円(所得 122 万円)以内の方」または「扶養する子どもの人数が3人以上の世帯」は 18 年以内でしたが、今回の改正により家庭の状況にかかわらず一律18年以内になりました。
 
100万円(金利1.8%)を15年で返済する場合は、毎月の返済額(元利均等返済)は6400円ですが、18年では5500円に軽減されます。コロナ禍で家計が厳しい状況にある方などにとっては、返済期間の選択肢が増えたのはうれしいですね。
 

<改正点2> 保証料の優遇の対象になる方と優遇の割合が拡充

民間の教育ローンの場合、保証料は金利に含まれていますので原則、連帯保証人を立てる必要はありません。
 
一方、国の教育ローンでは連帯保証人(進学者・在学者の4親等以内の親族(進学者・在学者の配偶者を除く))による保証を利用する場合には、保証料は必要ありません。
 
連帯保証人がいない場合、連帯保証人の代わりに、公益財団法人の保証機関を利用できます。この際、保証料が必要になります。
 
保証料には優遇があり、改正前は、「交通遺児家庭」「母子家庭または父子家庭」の方は、通常の保証料の3分の2の額でした。
 
令和4年5月2日(融資分)から、保証料の優遇の対象になる方と優遇の割合が拡充されました。
 
対象者は「交通遺児家庭」「母子家庭または父子家庭」に加え、「扶養する子どもの人数が3人以上で世帯年収が500万円(所得356万円)以内の方」も対象となります。また、優遇の割合が、通常の3分の2から2分の1に拡充されます。
 
100万円を金利1.80%・18年間で返済する場合、通常の保証料(総額)は8万3915円、優遇措置の対象者の保証料は令和4年3月までは5万5943 円。4月1日以降は、通常の保証料2分の1の4万1957円です。
 
なお、保証料は融資額から一括して差し引かれます。
 

<改正点3> 金利の優遇の対象になる方

令和4年4月1日より、金利優遇の対象となる方に交通遺児家庭が加わりました。
 

まとめ

返済期間は家庭の状況にかかわらず、一律18年以内になりました。母子家庭、父子家庭、交通遺児家庭または子ども3人以上の世帯かつ世帯年収500万円(所得 356万円)以内の方は、基準金利から0.4%低減され、保証料が1/2に低減されます。
 
世帯年収200万円(所得132万円)以内の方は基準金利から0.4%低減されます。
 
出典
日本政策金金融公庫 教育一般貸付(国の教育ローン)
 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー。

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