投資信託にかかる税金はどれくらい? 税金の種類や税率もチェック
ファイナンシャルフィールド / 2022年5月30日 7時20分
比較的少額から始められる投資信託は、投資初心者にも人気の高い資産運用のひとつです。 投資信託で生じた利益に対して、どのくらいの税金がかかってくるのかを把握していない方も多いのではないでしょうか? 投資信託で利益が発生した場合でも、個別のケースによって確定申告が必要な方と不要な方に分かれます。 そこで今回は、投資信託にかかる税金の種類や税率について解説します。
投資信託にかかる税金の税率は20.315%
投資信託から生じた利益は、20.315%の税率で課税されます。
投資信託の利益には、「分配金」と譲渡(売却)で生じる「譲渡益」の2種類があります。「株式投資信託」「公社債投資信託」によって課税される税金の取り扱いが違いますが、税率はともに20.315%と同一になっています。
また、投資信託にかかる税金は、NISA口座を利用することで最長5年間、非課税期間の適用を受けることも可能です。
収益分配金で生じた利益に対する税金
投資信託の決算のタイミングで収益の一部から受益者に支払われるのが収益分配金です。収益分配金には「普通分配金」「特別分配金」の2種類があり、課税の対象となる分配金は普通分配金です。
普通分配金で生じた利益に対する、株式投資信託と公社債投資信託での課税対象の違いは以下の通りです。
●株式投資信託:配当所得
●公社債投資信託:利子所得
いずれの場合も、所得税15.315%+住民税5%の合計20.315%の税率で課税されます。
譲渡益で生じた利益に対する税金
投資信託を売却した場合に得られる利益を譲渡益とよびます。
売却時の基準価額が購入時の基準価額を上回った場合、差額が利益として課税の対象となります。ただし、売却時の基準価額が購入時の基準価額を下回った場合は譲渡損となり、課税の対象とはなりません。
譲渡益で生じた利益は株式投資信託と公社債投資信託ともに「上場株式等の譲渡所得等」として、所得税15.315%+住民税5%の合計20.315%の税率で課税されます。
確定申告が必要・不要なケース
投資信託から生じた利益は「申告分離課税」で、給与所得のある会社員の方でも確定申告が必要です。ただし、NISA口座での非課税期間中の方をはじめ、投資信託での利益について確定申告が不要となるケースもあります。
なお、投資信託の取引をする場合、譲渡損益などの計算を金融機関が行ってくれる「特定口座」をほとんどの方が利用しています。給与所得の会社員などで確定申告が必要ない方の場合、源泉徴収ありの特定口座を利用すれば確定申告の必要はありません。
また、NISA口座での投資信託の運用で得た利益は非課税ですので、NISAを利用していない方はNISA口座を開設するのがおすすめです。
投資信託で生じた利益が20万円を超える場合は確定申告が必要
投資信託で生じた利益が20万円を超える場合、給与所得のある会社員の方でも確定申告が必要です。
ただし、投資信託で損失が出ており、株式投資などで利益が出ている場合、損益通算をすることができます。したがって、利益が20万円を越えていない方でも確定申告をしたほうが節税につながるケースがあります。
特定口座(源泉徴収あり)を利用している場合は確定申告が不要
投資信託で生じた利益が20万円を超える方でも、「源泉徴収あり」の特定口座を利用している方は確定申告の必要はありません。源泉徴収なしの特定口座を利用している場合、「特定口座年間取引報告書」を元に確定申告が必要です。
投資信託の損失は損益通算を行えば節税につながる
投資信託で損失が生じてしまった場合、株式投資などの他の投資で得た利益と相殺する「損益通算」を行うことができます。
投資信託で損失が出ている場合、本来は確定申告の必要がありませんが、他の投資で利益が出ている場合、損益通算を行えば節税につながりますので、確定申告をしたほうが有利です。損失は3年間繰り越すことができます。
投資信託にかかる税率は一律! 確定申告が不要なケースも多い
投資信託で生じた利益には、申告分離課税として税金がかかります。税率は20.315%と一律になっています。
投資信託での利益が20万円を超えた場合は確定申告の必要がありますが、源泉徴収ありの特定口座を利用している場合には確定申告は不要です。
このように投資信託を運用する場合は、税金の計算が簡単になる特定口座か、運用で得た利益が非課税となるNISA口座を利用するのがおすすめです。
出典
一般社団法人投資信託協会 投資信託なんでもQ&A気になる100選
一般社団法人投資信託協会 投資信託の税金
金融庁 一般NISAの概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー
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