年収と残業が不満のポイントに? 離婚したくなってしまうパートナーの仕事と年収とは?
ファイナンシャルフィールド / 2022年6月18日 8時20分
厚生労働省の人口動態統計(※1)によると、2020年の婚姻数はおよそ52万組。いっぽうで離婚数はおよそ19万組でした。単純計算をすると、日本の離婚率はおよそ36%。すなわち、夫婦の約3組に1組が離婚に至っているということになります。 離婚の原因はさまざま。その一つに挙げられるのが、相手の仕事です。世間のみなさんは、パートナーの仕事にどれくらい不満を持っているのでしょうか。リスクモンスター株式会社が発表した「第1回離婚したくなる夫・妻の仕事調査」の結果(※2)を見てみましょう。
男性3割、女性4割がパートナーの仕事に不満を持っている!
この調査は、20~49歳の既婚男性・既婚女性合わせて600人を対象に行われたもの。さっそく、パートナーの仕事に不満を持っているかどうかをチェックしてみます。
【妻・夫の仕事に不満があるかどうか】
「パートナーの仕事に不満がある」と回答した人は、全体の35.5%。男女で分けると、夫は29.3%、妻は41.7%と、10ポイント以上の差が出ています。
どちらかというと夫より妻のほうが相手の仕事に不満を抱きやすいようですね。また、夫の年収別に妻の不満度を見てみると以下の結果に。
・300万円未満 69.2%
・300万円〜400万円 52.1%
・400万円〜500万円 57.1%
・500万円〜600万円 46.2%
・600万円〜800万円 27.1%
・800万円〜1000万円 28.6%
・1000万円〜1500万円 9.1%
・1500万円以上 25.0%
どうやら、年収600万円を境に不満度が大きく変わるようです。子どもがいる・いないに関わらず、夫の年収が600万円を切ると生活が苦しくなるということなのかもしれません。もっとも満足度が高いのは、夫の年収が「1000万円〜1500万円」でした。
逆にそれを超えると不満度がまた上昇しています。ここまで稼ぐ生活になると、ひょっとしたら家族サービスがおろそかになってしまうのでしょうか。それが原因で不満が生まれている可能性も考えられますね。
【転職してほしいかどうか】
「パートナーに転職してほしい」と回答した人は、全体の27.5%でした。男女で分けると、夫は25.7%、妻は29.3%と、そこまで差はついていません。ただ、夫の年収別に妻の思いを見てみると……。
・300万円未満 65.4%
・300万円〜400万円 39.6%
・400万円〜500万円 31.4%
・500万円〜600万円 30.8%
・600万円〜800万円 12.5%
・800万円〜1000万円 33.3%
・1000万円〜1500万円 18.2%
・1500万円以上 0.0%
先程の不満度と見比べてみると、面白い結果になっていますね。夫の年収が1500万円の場合、その仕事に不満を抱く妻は4人に1人ですが、だからといって転職してほしいと思っている人はゼロ。
このことから、高収入の夫を持つ妻は、その仕事に不満を持つものの収入自体には満足しており、転職は希望していないということが分かります。
一方で、年収600万円を切ると「夫に転職してもらいたい……」と思う妻が相対的に多いという現状に。また、「夫の仕事に不満はないけれど転職してほしい!」と思っている妻は、夫の年収が「800万円〜1500万円」の層だけでした。
やはりここでも、高年収=仕事が忙しい=家族サービスが手薄になる……といった背景が想像できますね。
パートナーの仕事が原因で離婚したい人は約1割
では、相手の仕事に不満を持ったり転職してほしいと思ったりするだけでなく、その仕事が原因で離婚を考えている人はどれくらいいるのでしょうか。
「パートナーの仕事が原因で離婚したい」と回答した人は、全体の9.7%でした。男女で分けると、夫は9.3%、妻は10.0%と、こちらもわずかながら妻のほうが上回っています。
夫の年収別に妻の回答を見てみると、1位は「300万円未満」(19.2%)、2位は「800万円〜1000万円」(14.3%)、3位は「400万円〜500万円」(11.4%)でした。夫の年収が低いと生活が苦しくなるため離婚を考える妻が相対的に多くなるようです。
また、そこそこ稼いでいる夫でも、仕事が原因で妻から離婚を切り出される可能性があるということもわかります。最後に、夫の仕事に不満を持ったり離婚を考えたりする理由について見てみましょう。
1位:給料が低い 80.6%
2位:残業が多い 28.4%
3位:福利厚生が不十分 17.9%
1位:給料が低い 66.7%
2位:残業が多い 22.2%
3位:土日休みでない 17.8%
1位:給料が低い 56.3%
2位:将来性が感じられない会社 31.3%
3位:福利厚生が不十分 25.0%
3位:ブラック企業 25.0%
3位:勤務形態が不規則 25.0%
いずれも、夫の収入の低さが第1位という結果になりました。仕事といえばやはり収入のためですから、給料が低いとなると不満がたまり転職してほしいという思いが湧くのではないでしょうか。
また、会社に将来性が感じられなかったり、福利厚生が不十分だったり、勤務形態が不規則だったりする場合は、離婚を考える原因にも。ブラック企業はもっての外のようです。特に子どもがいる家庭では、上記の条件はマイナスポイントになってしまいますね。
結婚は愛があれば乗り越えられるという話も聞きますが、やはり先立つ物がなければ生活は成り立たないということが分かる結果となりました。離婚を防ぐためにも、将来を見据えた働き方を心掛けるといいかもしれません。
出典
※1 厚生労働省「令和2年(2020)人口動態統計(確定数)を公表します」
※2 リスクモンスター株式会社 リスクモンスター株式会社 第1回「離婚したくなる夫・妻の仕事」調査 年収と残業量が不満のポイント?! 共働き世帯はパートナーに寛容の傾向!
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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