「レバレッジ型上場投資信託」なら短期間で資産が増加!? その分リスクは高くなる?
ファイナンシャルフィールド / 2022年6月21日 3時0分
短期間で資産を増やすことができる投資商品として知られる「レバレッジ型上場投資信託」。一般的なインデックス型投資信託などに比べてリスクの大きい投資商品でもあるため、活用にあたっては注意しなければならないポイントがいくつかあります。 本記事ではレバレッジ型上場投資信託の基本的な仕組みや、どのようなリスクがあるかについて紹介します。
レバレッジ型上場投資信託とは?
まずは「上場投資信託」と「レバレッジ型」という言葉の意味について、それぞれ確認しましょう。
上場投資信託とは?
上場投資信託(ETF)とは、証券取引所に上場されている投資信託のことです。
上場投資信託はTOPIX(東証株価指数)や日経平均株価など特定の指標に連動するように運用される(インデックス運用)のが一般的です。株価指数は複数の銘柄で構成されているため、上場投資信託1銘柄に投資するだけで実質的に複数の企業に分散投資することになります。この分散投資効果については、上場されていない通常のインデックス型投資信託と違いはありません。
一方、上場投資信託は一般的な投資信託と表1に示したような違いがあります。
信託報酬とは、投資信託を運用・管理する対価として支払う費用です。上場投資信託は販売会社に支払う信託報酬がないため、一般的な投資信託と比べて運用中に支払う費用が低く設定されています。
また、ETFは株式同様に指値注文や信用取引などができるようになっており、基本的には運用が好調であれば分配金を受け取ることもできます。
このように、上場投資信託は株式と投資信託の両方の性質を併せ持った金融商品ということができます。
レバレッジ型とは?
それでは次に、「レバレッジ型」という言葉の意味について解説します。
レバレッジ型とは、先物などを活用して「てこ」の作用(レバレッジ)を生み出し、実際に投資した金額よりも大きな投資効果を生み出す商品性を意味します。
例えば、レバレッジ倍率が2倍に設定された商品の場合、前営業日と比べて連動対象の指標が5%動くと、レバレッジ型上場投資信託は10%の変動が生じるように設計されています。指数が上昇するとその倍の収益を出すことができ、反対に指数が下落するとその倍の損失が発生します。こうした商品性は「ブル型」と呼ばれることもあります。
一方、指数が上昇すると損失が出て、指数が下落すると収益を上げることができる「インバース型(ベア型)」の上場投資信託もあります。
レバレッジ型もインバース型も、「てこ」の作用によって通常のインデックス型よりもリスク水準が大きくなることを十分に理解した上で活用することが大切です。
レバレッジ型の注意点
ベンチマーク(参照先)となる指数の値動きに、レバレッジの倍率をかけた分の値動きを1日単位で実現するのがレバレッジ型の基本的な商品設計です。しかし、長期的に運用した場合、レバレッジ型上場投資信託の価格は、指数にレバレッジの倍率をかけたものと一致しないことに注意が必要です。
図表2は、レバレッジが2倍に設定されたレバレッジ型上場投資信託の例です。
出典:金融庁「レバレッジ型・インバース型 ETF 等への投資にあたってご注意ください」
スタート時点の指数を100とします。1日目に指数が20%下落し、2日目に25%上昇しているため、最終的には元の水準である100まで指数が戻っています。2日間の指数変動は±0となっているため、レバレッジ型上場投資信託の指数も0となると予測されるかもしれません。
しかし、実際は1日目に指数が20%下落したことを受けて、レバレッジ指数は20%×2=40%下落して60となっています。その後、2日目に指数が25%上昇したため、レバレッジ指数は2倍の50%上昇して90となり、参照先の指数より10%低い水準に擦り減っていることがわかります。
このようにレバレッジ型の商品は相場の上下変動が続くと、期待していた水準のリターンを上げられない場合や、予想以上の損失を被る場合があります。
仕組みをよく理解して投資しましょう
レバレッジ型上場投資信託は「てこ」の働きによって、通常のインデックス型と比べて短期間で大きなリターンを期待できる一方、元本を大幅に棄損する可能性もあります。投資する際には、ここで紹介したその仕組みとリスク水準、注意点についてよく理解して投資するようにしましょう。
出典
一般財団法人投資信託協会 ETFの仕組み
一般財団法人投資信託協会 メリットとリスク
一般財団法人投資信託協会 用語集
一般財団法人投資信託協会 用語集
野村証券株式会社 レバレッジ型上場投資信託
日本証券業協会 インバース型
株式会社SBIネオトレード証券 レバレッジ型・インバース型のETF(上場投資信託)とは?
金融庁 レバレッジ型・インバース型 ETF 等への投資にあたってご注意ください
国民生活センター 投資信託の動向
執筆者:荒木和音
2級ファイナンシャルプランニング技能士
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