つみたてNISAを運用中に亡くなった場合、それまで積み立てたお金はどうなる?
ファイナンシャルフィールド / 2022年6月23日 12時30分
つみたてNISAは長期間の買い付けと運用を前提とした制度です。運用している期間中に口座開設者が亡くなる可能性もあるでしょう。この場合、それまで積み立てたお金はどうなるのでしょうか。 そこで、この記事では、つみたてNISA運用期間中に口座開設者が死亡した場合の口座の取り扱いや、遺族が行う手続きについて詳しく解説していきます。
つみたてNISAはどれぐらいの期間、非課税で保有できる?
つみたてNISAは毎年40万円を上限として、金融庁指定の投資信託から選んで購入できる制度です。保有している投資信託の分配金や譲渡益は、投資信託を購入してから20年間非課税になります。つみたてNISAは2042年までの制度とされていますが、制度最終年の2042年に購入した投資信託は、2061年までの20年間、分配金や譲渡益は非課税になる状態で保有することが可能です。
積立投資は長く続けると元本割れの可能性が低くなるという傾向があります。つみたてNISAに関しても、できるかぎり長く保有し続けることを前提として投資を始めている人が多いでしょう。そして、その期間中に不慮の事故や病気で亡くなる可能性は誰にでもあります。
つみたてNISAが始まったのは2018年です。利用可能年齢のうち、最も若い20歳で始めたとしても2061年には63歳です。もし40歳でスタートしていれば、2061年には83歳になっており、日本人男性の平均寿命81.64歳(厚生労働省令和2年簡易生命表)を超えます。
老後の資産形成のためにつみたてNISAを活用する人は多いため、保有期間中に口座開設者が寿命によって死亡するケースも、今後は増えていくと予想できます。
つみたてNISAの口座開設者が亡くなったときの取り扱い
つみたてNISAの口座開設者が亡くなると、亡くなった日以降の分配金や譲渡益は非課税の適用から外れます。亡くなった人の相続人は、亡くなったことを知った日以降すぐに「非課税口座開設者死亡届出書」をつみたてNISAの口座を開設している金融機関に提出しなければなりません。
また、書類を提出することなく保有している投資信託を売却したり、配当金や譲渡益を受け取ったりすることはできないので注意が必要です。
つみたてNISAの口座開設者が亡くなったときに保有していた投資信託は、亡くなった日の終値相当の金額で売却した後に相続人が取得したものとみなされ、相続人の開設した口座に移管されます。この際の譲渡益は非課税の適用があり、譲渡損失はなかったものとみなされます。
つみたてNISAの口座開設者が亡くなったときの手続き方法
NISA口座の相続をするためには、残高証明書の請求と移管手続きが必要です。金融機関に死亡の連絡をし、手続きの書類を取り寄せましょう。
残高証明書の請求に必要なのは、亡くなった人の死亡年月日が分かる戸籍謄本、被相続人と請求者との相続関係が分かる戸籍謄本などです。
また、NISA口座の相続手続きで必要なのは、亡くなった人の出生から死亡までを証明する戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本と印鑑証明などです。手続きの手順や必要な書類は金融機関によって異なるため、あらかじめ問い合わせて案内にしたがってそろえるとよいでしょう。
なお、金融機関での手続きが終わった後に相続人の口座へと移管が行われますが、このときに移管できるのは特定口座と一般口座のみで、相続人がNISA口座を持っていたとしても移管することはできません。
口座開設者が亡くなったら金融機関に遅滞なく連絡を
つみたてNISAは長期間の運用を前提とした制度であり、不慮の事故や病気などで保有期間中に亡くなる可能性が十分に考えられます。つみたてNISAの口座開設者が亡くなった場合、亡くなった日以降に発生した分配金や譲渡益は非課税の適用から外れます。相続人は「非課税口座開設者死亡届出書」を提出し、相続人の一般口座か特定口座に投資信託を移管する手続きが必要です。
つみたてNISAの口座開設をしたのは故人なので、被相続人は分からないことが多いでしょう。なので、具体的な手続きなどは金融機関に確認しながら行うことをおすすめします。
出典
金融庁 つみたてNISA早わかりガイドブック
金融庁 つみたてNISAとは
厚生労働省 令和2年簡易生命表の概況
国税庁 NISA(少額投資非課税制度)の手続に関するQ&A
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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