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就業規則を読んでみよう!(7)病気やケガになったら?公的な保障も就業規則で確認できる。

ファイナンシャルフィールド / 2018年8月15日 9時0分

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就業規則には「労働時間」や「賃金」「退職」「福利厚生」などの規定が盛り込まれているため、ライフプラニングにおいて必要不可欠です。   今回は、厚労省の「モデル就業規則」の第9章「安全衛生及び災害補償」に着目し、ライフプランについて考えていきます。   この章については、就業規則の相対的必要記載事項のため、制度を設けていない会社では記載しなくてもよいことになっています。   安全衛生・災害補償といわれても、少しわかりにくいかもしれませんが、要は「社員・従業員の心身を保護する」規定です。  

労働者に年1回の健康診断を義務付け。結果次第で「労働時間の短縮」などを講じる必要がある

ライフプラン上では、いわば「福利厚生制度」に該当します。専門用語では「法定内福利」に相当する部分です。
第55条「遵守事項」では、職場での労働者の安全確保と衛生面を保つよう明記されています。また、第56条「健康診断」では、労働者は年1回、健康診断を受けてくださいと言っています。
ここで重要なのは、事業主は健康診断の結果次第で、労働者に対し作業の転換や労働時間の短縮、深夜業の回数の減少などを講じる必要があるという点です。
働き方改革では、健康状態などによる不当な差別をなくそうというのも含まれているため、この点においても労働者の保護がうたわれています。
 

他にも「ストレスチェック」「労災」…労働者を守る制度を確認しよう

そして、第57条は「ストレスチェック」です。これは、仕事上のストレスでうつ病になる方が増えてきた経緯を考慮し、盛り込まれた項目です。
最後に、第60条「災害補償」。一般的に「労災」と呼ばれる項目ですが、これは労働保険における「労働者災害補償保険(労災保険)」を指します。仕事中あるいは通勤途中などのケガや病気、障害、死亡に対し、必要な保険給付がなされます。これは、そもそも事業主が加入しなければならない「強制保険」であるため、加入の義務は事業主にあります。
注意しておきたいことは、業務外のケガや病気、障害、死亡は補償の対象にならない点です(通勤外も同様)。あくまでも、労働者を保護するという観点の法定内福利であるため、労働時間内(通勤も含む)が対象になります。
 

法定内福利で足りない部分は民間の保険でカバーすると良い

ライフプランのご相談では、労災だけでなく、雇用保険、健康保険、介護保険、厚生年金保険、自賠責保険なども含め、ご相談者の福利厚生についてチェックしていくことになります。
なぜならば、ご自身で入られている生命保険や損害保険の保障・補償が絡んでくるからです。
よくある内容としては、保障・補償の入り過ぎです。保険なので、たくさん保障・補償があればより安心ですが、入り過ぎは保険料の払い過ぎのもとになります。
法定内福利と法定外福利(任意の保険など)を分け、法定内福利で足りないと思われる部分を民間の保険などでカバーしましょう。
今回は、自分の心や体がどのように会社によって保護されているのかを見てきました。次回は、就業規則第10章「職業訓練」から、ライフプランと絡む項目を流していきたいと思います。
Text:重定 賢治(しげさだ けんじ)
ファイナンシャル・プランナー(CFP)

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