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3~4人部屋でも差額ベッド料が必要なケース 差額ベッド料って医療費控除できるの?できないの?

ファイナンシャルフィールド / 2018年8月30日 9時0分

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入院したとき、個室や2人部屋ばかりではなく3~4人部屋でも差額ベッド(特別療養環境室)料が必要なことがあり、その場合、全額自己負担となります。厚生労働省によると差額ベッド料の1日当たりの平均額(平成27年7月1日現在)は、1人部屋で7,828円、4人部屋で2,424円となっています。   患者にとっては大きな負担です。差額ベッド料を支払った場合、原則、医療費控除の対象とはなりませんが、医療費控除の対象として認められる場合があります。  

差額ベッドについて

差額ベッド制度は、入院療養環境の向上を図り、患者の選択の機会を広げるものとして認められたものです。患者が、プライバシーが確保された快適な特別療養環境室を希望した場合、一定の条件を満たせば、病院等は、医療保険で支払われる入院料とは別に、患者に差額ベッド料を請求できます。
差額ベッド室の条件は、病室の病床数は4床以下であること、病室の面積は一人当たり6.4平方メートル以上であること、病床のプライバシーを確保するための設備があること(少なくとも「個人用の私物の収納設備」、「個人用の照明」、「小机等及び椅子」の設備があること)となっています。
差額ベッド料を請求できる条件は、病院等が、差額ベッド室に入院を希望する患者に、差額ベッド室の設備、構造、料金などについて明確かつ懇切に説明し、患者側の同意を確認した場合です。
つまり、同意書に室料の記載がない場合(患者さん側の署名がない等の内容が不十分である場合を含む。)や「治療上の必要」により差額ベッド室に入院した場合、病棟管理の必要性等から差額ベッド室に入院させた場合であって、実質的に患者さんの選択によらない場合は、差額ベッド料を請求してはいけないことになっています。
差額ベッド代の支払については、病院等と患者及び家族の間でトラブルになることがあります。差額ベッド室への入院を希望しないときは同意書へのサインを保留し、病院等とよく話し合うことが大切です。その際、厚生労働省の通知(平成30年3月5日、保医発0305第6号)が役立つでしょう。それでも解決せず、トラブルになったときは、各地の地方厚生(支)局に相談しましょう。
 

 

差額ベッド料は医療費控除の対象となる?

医療費控除とは本人や生計を一にする家族が1年間に支払った医療費の合計が10万円(または、合計所得金額の5%のいずれか低い金額)を超える場合、確定申告により、超過分の金額(200万円を限度)を所得から控除できる制度です。
所得税や住民税の負担が軽減されます。なお、確定申告に領収証に代えて、「医療費等の明細書」又は「医療保険者等の医療費通知書」を提出します。ただし、5年間は領収証の保管する必要がありますので注意してください。
入院の対価として支払う部屋代の費用で医療費控除の対象となるのは、医師等の診療等を受けるために直接必要なもので、かつ、通常必要なものであることが必要です。
したがって、本人や家族の都合だけで個室を使用するなどの場合に支払う差額ベッド料については、医療費控除の対象となりません。
その他、衣類、タオル、洗面用具などの日用品、電話代、テレビ・ラジオ、本・雑誌代、快気祝い、見舞いにくる家族の交通費、医師や看護師に対するお礼、なども医療費控除の対象となりません。
一方、「治療上の必要」により差額ベッド室に入院した場合などに支払った差額ベッド料、つまり、自己の都合によりその個室を使用するのではない場合はどうでしょうか。
この場合、本来、病院等は差額ベッド料を請求できませんが、支払った場合は、医療費控除の対象として認められる可能性があります。税務署に相談してみましょう。
Text:新美 昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。

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