老後のお金が不安だけど…「iDeCo」と「つみたてNISA」、どっちもやった方がいいの?何が違うの?
ファイナンシャルフィールド / 2018年10月21日 8時30分
老後の資産形成の手段として、2017年度から20歳以上60歳未満の基本誰でも加入できるようになった個人型確定拠出年金(iDeCo=以下イデコ)。 2018年度から始まった、長期・分散・積立で小額からの投資を支援するために国によってつくられた非課税制度であるつみたてNISA。 この2つの国の制度は、資産形成を実行するうえで他の制度や金融商品よりも税制面や手数料という意味では有利な面が多いですが、実は使い方をしっかりと決めておかないと結果的にメリットを享受できず、資産形成そのものが中途半端になりお金が貯まらないという悪循環にもなりかねません。
イデコは年金、つみたてNISAは制度!
イデコの正式名称は、個人型確定拠出年金で字のごとく年金なので、目的は自分自身の老後のための資産形成になるかと思います。
一方、つみたてNISAは、元来2014年から始まった個人投資家のための最長5年間の非課税期間の税制優遇制度があって(少額投資非課税制度)その非課税期間が最長20年になり、積立型の年間で40万円(非課税の投資額は20年間で最大800万円)が上限で運用していく非課税制度がつみたてNISAの正体なのです。
イデコは、年金なので一度加入すれば60歳までは、基本年金資産を引き出すことはできませんし、毎月掛け金を引き落として運用していきます(2018年からは年単位での拠出も可能にはなりました)。
ですから、60歳以降の年金を作るためには、この制度を活用することで資産形成が他の手段や金融商品と比較した場合は、より容易になり、窓口となる運営管理機関(金融機関)によっても異なりますが、運用する商品ラインナップの中から自由に運用する商品を自分自身が選択できますので、積立方式の自分運用年金といえます。
つみたてNISAは、非課税期間が最長20年間の制度なので、まずは、何のための資産形成か、目的を明確にしなければいけません。最長20年間の非課税制度がですから、その制度を活かすためには、名前をつけて目的を達成できるように制度をうまく活用していくことが重要になります。イデコとは全く別物ですし、切り離して検討しなければいけません。
つみたてNISAは非課税期間終了のあとが重要
つみたてNISAは、最長20年間という非課税期間があります。口座開設期間としては
2018年から2037年までとなり、この非課税期間が終了した後は、課税口座(一般口座、特定口座)に移動します。よって、年齢や目的によっては、このつみたてNISAが適しているかどうかの検証が重要になってきます。
例えば、35歳の方が老後資金目的でイデコとつみたてNISAを始める場合、イデコは60歳まで掛金を積立て運用していきますが、つみたてNISAの場合は、55歳で終了となり、課税口座に資産が移ることになります。今は35歳ですから20年先の資金をイメージして始めることは素晴らしいことですが、55歳になった時に老後資金として活用の仕方があるかどうかを、やはり考えてから始めてもらいたいものです。
もちろん、55歳以降でも課税口座での積立しながら運用もできますので、まずは自分に合った資金計画を練ることがより重要になってきます。
つみたてNISAの最長20年間の非課税期間を自分事として考えてみる
先ほどもご案内したように、つみたてNISAの非課税期間は最長20年間ですので、この期間を有効に活用することを考えればいいのです。よって、急に資金が必要になったりした場合は、いつもで資産を売却すれば現金化が可能です。
20年間つづけなければいけないということではありません。イデコは60歳まで掛け続けないといけないのでNISAも20年間は積立ての継続義務があると錯覚しがちですがそうではありません。いつでも買ったり、売ったりする取引が可能です。
このように緊急事態でも対応が可能な資産形成方法ですので、最長20年間の非課税期間をどのように活用するか、自分の事として考えてみてはいかがでしょうか。
Text:末次 祐治(すえつぐ ゆうじ)
FP事務所 くるみ企画 代表
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「新NISAはじめた?」「もちろん!」周囲の声に焦る、60代独身アルバイト…新NISAへの投資はアリかナシか【CFPが助言】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年4月11日 11時15分
-
新NISAブームに踊らされると痛い目に遭う…「元本割れリスクを負わずに増やしたい」人にプロが勧める金融商品
プレジデントオンライン / 2024年4月5日 6時15分
-
新入社員にどう伝える? NISAにはない確定拠出年金のメリット
Finasee / 2024年3月29日 11時0分
-
10年ほったらかしたら「100万円→259万円」お金のプロが新社会人にいち早く身に付けよという"シン・貯め体質"
プレジデントオンライン / 2024年3月28日 16時15分
-
40代からの「老後積立」、何をすればよい?
オールアバウト / 2024年3月28日 8時10分
ランキング
-
1アキレス、シューズの国内生産終了へ コスト増や少子化など背景
ロイター / 2024年4月25日 16時27分
-
2山手線沿線の再開発が進む 「新宿、渋谷、品川」駅の工事はいつ終わるのか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月25日 7時10分
-
3イトーヨーカドー、祖業のアパレル復活なるか アダストリアとの新ブランドが生んだ“相乗効果”
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月25日 10時0分
-
4過度の変動望ましくない、動向注視し万全の対応行う=円安で官房長官
ロイター / 2024年4月25日 11時35分
-
5サイゼリヤ、ギリギリ「国内黒字化」も残る難題 国内事業の利益率0.05%、値上げなしで大丈夫か
東洋経済オンライン / 2024年4月24日 7時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください