高価な買い物【マイホーム】 できるだけ上手に購入する準備とは 現役FPに聞いてみた!
ファイナンシャルフィールド / 2018年10月22日 2時30分
マイホームは人生で最も高価な買い物ですが、いつか手に入れたいと思う方は多くいらっしゃいます。 ですが、日常において数千万円の品物を、借金をしてまで購入するというのは滅多にありません。とはいえ、マイホームを現金一括で購入するというのも難しい話です。 多くの方にとってマイホームの購入は、「住宅ローン」という長期間にわたる借金と付き合っていくことを意味します。 今回は人生で最も高価な買い物であるマイホームを、できるだけ上手に購入するにはどう準備すればいいのか? を現役ファイナンシャルプランナーが解説していきます。
家を買う前に準備することは?
結婚や出産、独立したい、家賃が惜しい。購入の動機は多くありますが、どのような理由であれ、マイホームを買うにはほとんどの場合で住宅ローンを契約する必要があります。住宅ローンの審査において、マイホームを購入する理由を問われることはありません。住宅ローンを契約するために、できるだけ有利な条件を整えることが、マイホーム購入の第一歩になります。
住宅ローンの審査は金融機関において差異がありますが、まず、CICなどの指定信用情報機関のクレジットヒストリーに事故歴がないことが最重視されます。以前はクレジットカードの返済遅延などが事故情報として多かったのですが、近年はスマホ本体を分割で購入している関係上、携帯電話代の延滞も事故情報として登録されることになります。
もし事故情報が記録されてしまった場合、問題解決から5年間(自己破産の場合は10年間)は、住宅ローンを契約することがほぼ不可能です。次いで、安定的な収入の有無や、カーローンなどの他の借金の有無・金額も考慮されますので、自営業者の方などは契約に際してやや不利になります。また、転職した場合も、1~3年間の冷却期間を設けられることがあります。
住宅ローンの適正な返済額とは
住宅ローンは他の借金とは異なり、金利や返済期間など、さまざまな面で優遇されています。しかし、本質的には借金ですので、適正な返済額というものがあります。
制度的には、年収に対する年間の返済比率を25%~30%程度として融資を受けることができますが、上限金額で借りてしまうと返済負担は相当なものになってしまいます。
マイホームを所有した場合、固定資産税や管理費・修繕費も生じます。住宅ローンの返済額を許容度ギリギリに設定してしまうと、後々資金計画が厳しくなるおそれがあるので気を付けましょう。
変動金利はオススメしません
現在は低金利状態が続いており、変動金利で契約するケースが多くなっています。
しかし、住宅ローンのような長期・固定的な借金の金利は、低金利時に固定金利で借りることが理想とされています。変動金利は金利上昇リスクに対抗する手段ですから、例えば、繰り上げ返済に充てられる手持ち現金や、金利上昇時に価値が上昇する金融商品を所持している場合以外は、オススメできません。
すでに変動金利で借りてしまっている場合や、固定金利ではどうしても厳しいという方は、後述する給付金や税制優遇などを金利上昇リスクへの備えにしてみてはいかがでしょうか。
優遇制度の賢い使い方
マイホームを購入する場合に利用できる制度もあります。
(1)すまい給付金
マイホームを購入する場合も土地代を除いて消費税が発生しますが、金額が大きいため負担額は相当なものになります。そこで、その負担を軽減するために施行されたのが本制度になります。すまい給付金は申請することにより、最大30万円の給付金を受け取ることができます。(対象要件あり)
(2)住宅ローン減税
住宅ローン利用時のメリットとして紹介されることの多い制度です。
「住宅ローン減税」は10年間にわたり、毎年末の住宅ローン残高の1%を所得税、住民税の税額控除として利用することができます。
例えば、4000万円の住宅ローンを契約していた場合、その1%である40万円が所得税と住民税から差し引かれます。しかし、税額控除の仕組み上、支払った税金以上の還付を受けることはできません。所得税と住民税の合計額より住宅ローン減税の控除額が大きい場合、夫婦連名での契約により、控除額を余すことなく使うことができる場合があります。
(3)住宅ローンの団体信用生命保険(団信)と疾病特約
住宅ローンを組む際は、契約者が死亡または重度障害などにより返済できなくなったときに備え、「団体信用生命保険」に加入することになります。
この保険料は金利に含まれており、契約者が別途負担することはありません。団体信用生命保険に特約を追加し、ガン・心臓病・脳卒中などの一定の病気にかかった場合も、住宅ローンの返済を免除できるようにすることもできます。
まとめ
マイホームを購入する際には、住宅ローンを賢く利用することが大切です。有利な条件で契約することができるようにしましょう。複数の金融機関で「相見積もり」をとるのも大切です。また、変動金利を利用する場合は、金利上昇リスクに備えましょう。
固定金利にすることがベストですが、難しい場合は、すまい給付金や住宅ローン減税、団信による生命保険料の見直しにより、手持ち現金を充実させるなどの何らかの対策をとることをオススメします。
Text:菊原浩司(きくはらこうじ)
FPオフィス Conserve&Investment代表
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