新入社員の指導中、つい「ため息」が出てしまいます。同僚に「フキハラだよ」と言われたのですが、これくらいで“ハラスメント扱い”になるんですか…?
ファイナンシャルフィールド / 2024年5月14日 4時30分
昨今はさまざまなハラスメントに対して注目が集まるとともに、政府も企業に対してハラスメントの防止対策の強化を求めています。2020年にはパワハラの防止措置が事業主の義務となり、職場としてもハラスメントの防止措置は必要です。 そのような中、「フキハラ」という言葉を聞いたことがあるという人もいるのではないでしょうか? フキハラは、パワハラやセクハラに比べてなじみが薄いかもしれませんが、周りの人を不快にさせるハラスメントです。詳しく見ていきましょう。
フキハラってなに?
フキハラは「不機嫌ハラスメント」の略で、口調や態度で自分が不機嫌な状態であることを示し、相手に不快感や威圧感を与えてしまうことです。
フキハラは夫婦間などでも起こり得ますが、職場でもフキハラによって嫌な思いをしている人も少なくありません。それでは、どのような行動がフキハラに該当するのか見ていきましょう。
「ため息」でもフキハラになる? 具体的な事例を紹介
特定の人への不機嫌な態度はフキハラとみなされることがあります。
他の人とは普通に接しているのに、特定の人に対して不機嫌な態度を取ってしまうと、相手からするとハラスメントと感じかねません。特に立場が強い人が弱い人に対して不機嫌な態度を取ると、被害を受けた立場が弱い人は自分に非があると感じ、精神的にまいってしまう可能性もあります。
今回の事例の「ため息」についても、部下を指導する際によくついていると、フキハラとみなされるかもしれません。
相手がいなくても、例えば、舌打ちや物に当たるような行動もフキハラになる場合があります。そのような態度を上司がとっていれば、部下からするとどうすれば良いのか分からず、仕事に支障が出る可能性も考えられます。
フキハラが職場に与える影響
フキハラが頻繁に発生する職場では、どのような影響があるのでしょうか。いくつか見ていきましょう。
周りにもネガティブな感情が伝染する
しぐさや表情といった感情は、その人だけのものではなく、周りの人に伝染することも少なくありません。ポジティブな感情はもちろんですが、ネガティブな感情も伝染してしまうことがあります。
フキハラが起こると、起こした人だけでなく、周りの人にも伝染して、気分が悪くなってしまうこともあるでしょう。そうなると、職場全体の雰囲気も悪化してしまうかもしれません。
生産性が低下する
仕事では多くの場合チームプレイが大切です。そして、チームプレイを円滑に進めるためには、コミュニケーションを上手に取り、目標に向かって一致団結した方が良い結果が得られやすいです。
フキハラが発生すると、職場内のコミュニケーションがうまく取れず、結果的に仕事の生産性が低下してしまう可能性もあるでしょう。
離職率が増加する
厚生労働省の「令和4年雇用動向調査結果の概況」によると、「職場の人間関係が好ましくなかった」として前職を辞めた人は、男性では8.3%、女性では10.4%います。この割合は男女ともに「会社の将来が不安だった」「給料等収入が少なかった」よりも多くなっています。
フキハラにより職場の雰囲気が悪くなると、離職率の増加につながる恐れがあるといえるでしょう。
フキハラにならないためにはどうすれば良い?
フキハラについては会社や職場としても相談窓口の設置やアンケート調査、ルール作りといった対策が大切です。一方、自身がフキハラを起こさないためにはどういった点に注意すべきでしょうか?
まず挙げられるのが、心身ともに健康でいるということです。人は体調不良だったりストレスがたまっていたりすると、どうしても余裕が持てないことが多くなります。余裕が無いと、知らず知らずの内に不機嫌になってしまうこともあるかもしれません。しっかりと体調を整え、適度にストレス解消を心がけましょう。
また、相手にストレスを与えてしまうかもと感じた際には、いったん場所を変えて、気持ちの整理をすることも大切です。心が落ち着いてから仕事に戻るようにすると、冷静に対応できることもあるでしょう。
まとめ
フキハラをしてしまうと、職場の生産性を下げてしまい、場合によっては退職者を出してしまう可能性もあります。まずは心身の健康を整え、フキハラの加害者にならないように気を付けましょう。
出典
厚生労働省 2020年6月1日より、職場におけるハラスメント防止対策が強化されました!
厚生労働省 令和4年雇用動向調査結果の概況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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