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入管法改正案によって影響を受けるアラ還のキャリア機会

ファイナンシャルフィールド / 2018年12月12日 9時0分

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外国人労働者の受け入れ枠拡大を目的とした入管法改正案を巡って、11月28日に審議が参議院に移りました。このまま進めば12月7日には参議院本会議で可決し、翌2019年4月から施行の運びとなりそうです。   このことから私たちが受ける影響を「アラ還」に絞って考えてみました。  

日本に滞在できる外国人が増えるようだが

ざっくり改正により変更されることをまとめると、従来であれば日本に就労者として滞在できる外国人は、法律、投資、医療、教育など高い専門性を必要とする17職種に限られ、普通に企業に就職するといった職種に関しては認められていませんでした。
 
しかし、最近技能実習生として日本で技能修得した技能を母国の発展に活かすというタイプの滞在が認められるようになったことと、日本での人手不足を解消するという背景からか、枠組みの柔軟化が議論に上がっていました。
 
そして今回の改正で、日本語能力や職務遂行に必要なスキルを試験で確認し、「特定技能」があると認められれば、就労者として滞在できるようにしたのです。
 
特定技能は1号と2号に大別され、1号は建設・介護などを中心とした人手不足感が深刻化している14業種、これに加えてより合格基準が厳格化された2業種を2号として設定するようです。
 

一方で、留学生の在留資格は大幅に厳格化

これに対して、入国管理局が審査する来日留学生の在留資格審査については、大幅に厳格化されたことが報道されています。
 
2017年末の留学生は、5年前から10万人増の31万人と急増しています。
 
それにともない、勉強が主である学生ビザでの入国でありながら、不法就労が目立つようになったことが指摘されたという背景もあり、留学希望者の資格審査は厳格化されています。
 
通常、来日留学生はまず日本語学校への入学を第一歩とし、入学時期から例年4月と10月に在留資格の審査が集中します。東京入国管理局のまとめによると、2018年4月期は2万9,801件の申請に対して77.7%の交付実績であったのに対し、2018年10月期は1万6,495件の申請に対しての交付は65.6%へと急減しています。
 
特に最近よくコンビニなどでアルバイト学生として我々もお世話になっている南アジア方面からの審査通過率については、ネパールが85%から8%、スリランカが51%から3%、バングラデシュが58%から3%へと大きく減少しています。
 

アラ還のキャリアへの影響

数年前から空前の日本語教師バブルが続いています。日本語教師の資格を取得すれば、仕事の機会は引く手あまたで、フリーランスとしても活躍できるためにセカンドライフ・キャリアとして注目を集めていた職種の筆頭に挙げられています。
 
人生経験豊富な日本人が若い留学生に日本語や日本の生活習慣・文化などを自分たちの経験を交えて教授する。世代を超え、国境を越えた交流が図られ、双方にとって非常に好ましい環境です。
 
しかし、今後外国人就労者の枠拡大と留学生枠縮小がセットで施行されるとすれば、現在勢いのある日本語学校や日本語教師といった、アラ還にとっては貴重なキャリア機会が縮小することは覚悟しなければならなくなるかもしれません。
 
Text:柴沼 直美(しばぬま なおみ)
CFP(R)認定者
 

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