会社のイメージつくりの為に絵画を購入!これって経費で落ちるのか
ファイナンシャルフィールド / 2018年12月16日 1時0分
「バンクシーの作品がオークションで約1億5千万円で落札。その直後に作品がシュレッダーで裁断される」 この報道は、とても衝撃的でした。テレビでその瞬間を見た方も多かったのではないでしょうか。最近オークションが注目されており、美術館に足を運ぶ人も増えています。画廊巡りという楽しみ方もあります。
これからも続く美術館人気
先日、国立新美術館に行ってきました。日展、東山魁夷展、ピエール・ボナール展が同時に開催されていて、平日にもかかわらず大変な混雑でした。帰宅して手に取った夕刊によると、「ボナール展の入場者が10万人突破」とのことでした。
シニア人口が増え、美術館は手軽なお出掛けスポットとして人気があります。加えて、趣味で水彩画や油絵を習う人も増えています。作品の前で、“波の描き方”や“森の緑色”といった細部を、時間をかけて観察している人も見かけます。
「音声ガイドが導入されて、お客様の滞在時間が長くなったので、混雑がひどくなった」という美術館の話を聞いたことがあります。“じっくり見たい人”が増えて、今後ますますの混雑が予想されます。
好みの画廊を見つける楽しさ
実は私自身、美術館は大好きな場所で、かつてボランティアもしていました。ですが“じっくり見たい人”には、画廊巡りをお勧めしたいと思います。
展覧会のように一度に沢山の作品を見ることはできませんが、作品との距離が近い点が魅力です。他の人の導線に気を遣うことなく、ゆっくりと見ることができます。
好みの画廊を見つけて通っていると、気に入った作品に出合う確率が上がります。勿論、購入することもできます。作品を買う、といってもバンクシーの作品のような高額なものではありません。
画廊ですので、大きさや好み、飾る場所のイメージ、予算などを相談すれば、見合った作品を探してもらうこともできます。
自宅の玄関やリビングに好きな作品を飾り、毎日眺められるのは嬉しいです。有名作家だけでなく新人作家の作品を扱っている画廊もありますので、応援の意味で購入するのも良いかもしれません。将来「お宝」になる期待感もあります。
会社のイメージ作りに一役
自宅ではなく、購入した絵画を会社の玄関や応接室に飾りたい、という場合もあると思います。
このような場所に飾ることを目的に会社が購入した場合、取得価額(購入時に必要となった送料などの諸経費を含みます)が1点30万円未満(資本金が1億円以上の会社では1点20万円未満)の絵画は、年間300万円を限度に取得価額の全額を経費に算入することができます。
また取得価額が1点100万円未満の美術品は、償却資産として減価償却できます。耐用年数は室内装飾品のうち主として金属製のものが15年、その他のものが8年となっています。
以前通っていたクリニックの待合室には小磯良平の絵があり、私のお気に入りでした。会計処理はどうなっていたのかな? と思わず考えてしまいました。ボナールの余韻から目が覚めた気持ちです。
Text:宮﨑 真紀子(みやざき まきこ)
相続診断士
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