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父が亡くなり「500万円」の借金が発覚! 財産は「1500万円」の自宅だけど、ほかにも借金がないか心配。そのまま相続するのはNGでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年11月29日 5時0分

父が亡くなり「500万円」の借金が発覚! 財産は「1500万円」の自宅だけど、ほかにも借金がないか心配。そのまま相続するのはNGでしょうか?

相続財産と聞いて、目にみえる現金や不動産などのプラスの財産だけをイメージする人が多いかもしれませんが、借金などのマイナスの財産も含めて相続財産です。   マイナスの財産のほうが多い場合もあるため、心配かもしれませんが、相続には3つの方法があり、状況に応じて使い分けることで、大きな負債を背負うことを回避できます。   本記事では、相続時にマイナスの資産がある場合に検討すべき相続方法と、そのメリットやデメリットについて解説します。

相続の方法には3つの種類がある

相続は、状況に合わせて3つの選択肢から相続方法を選ぶことができます。それぞれの特徴は次の通りです。
 

単純承認

単純承認は、亡くなった人のプラス、マイナスを含めた全ての財産をそのまま相続することです。次に紹介する限定承認や相続放棄をしなかった場合、自動的に単純承認が選択されます。
 

限定承認

限定承認は、相続によって取得したプラスの財産の限度で、マイナスの財産を相続することです。限定承認を選択するには、相続を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所へ申述します。
 

相続放棄

相続放棄は、単純承認とは逆に、亡くなった人の全ての財産を相続しないことです。相続放棄を選択すると、相続人ではなくなり、亡くなった人のマイナスの資産を一切引き継ぐ必要がありません。限定承認と同様に、相続を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所へ申述が必要です。
 

限定承認を選択すると良いケース

相続でマイナスの資産があると分かった場合、限定承認や相続放棄を検討する人もいるかもしれません。限定承認が有効なのは、亡くなった人のマイナスの財産の全体が分からないときや、相続財産の中に手放したくない資産があるときなどです。
 
例えば、今回のケースのように、負債の総額が分からない中で、もし自宅を必ず相続したいという場合は、限定承認を選択しておくと良いでしょう。後から大きな額の負債があることが分かった場合でも、プラスの資産の額までしか債務を負うことはありません。
 

限定承認を選択する場合のデメリット

限定承認は、先ほど紹介したようなメリットがある一方、次にあげるデメリットについても考えた上で、本当に選択すべきかを考える必要があります。
 

相続人全員の同意が必要

限定承認は、相続人全員で家庭裁判所へ申述する必要があり、1人でも限定承認に反対する相続人がいるときは使えません。考え方の違いなどから相続人同士のトラブルになることも考えられますので、あらかじめ相続人全員でよく話し合っておくことが大切です。
 

手続きに労力がかかる

限定承認を選択すると、家庭裁判所にさまざまな必要書類を提出しなければなりません。また、限定承認が受理された後も、マイナス資産の債務精算手続きがあり、長い時間と労力がかかります。
 

みなし譲渡所得税が発生する場合がある

所得税法において、限定承認を選択すると、亡くなった人から相続人へ、相続が発生したときの価額で資産が譲渡されたとみなすことが定められています。
 
このため、対象資産の取得費用、譲渡費用、控除額などを差し引いた額がプラスの場合、譲渡所得として課税対象となります。納めるみなし譲渡所得税は遺産の中から支払われるため、相続できる遺産の額が目減りします。
 

相続が始まる前に、選択する相続方法を話し合っておこう

相続財産のうち、マイナスの資産がどのくらいか分からない中で、自宅は必ず手元に残しておきたい場合は、プラスの資産以上の債務を相続せずに済む限定承認は有力な選択肢です。
 
一方、限定承認は相続人全員の同意が必要なことなど、デメリットもあります。相続が始まってから3ヶ月以内という申述期日もあるので、事前に相続人同士で話し合って、スムーズな相続が行えるようにしましょう。
 

出典

国税庁 No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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