お昼代が「600円」なので、平日は「ラーメン」「牛丼」ばかり! 先日“血糖値”を指摘されたのですが、どうすればいいでしょうか…?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月29日 2時20分
お店での提供スピードが速く客の回転率も良いために、昼食にラーメンや牛丼を選ぶ人もいるでしょう。大手外食チェーンなどで比較的安く食べられて、かつ満腹感も得られるので、お昼代の節約にも向いているかもしれません。 しかし、高糖質な食事を続けると血糖値が上がってしまう可能性が高くなります。健康のためにも野菜を食べたいけれど、お昼代の予算を超えてしまうと悩む人もいるでしょう。 本記事では、いつもの昼食を続けながら血糖値上昇を防げるひと工夫を紹介します。
なぜ血糖値が上がるのか
血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖(グルコース)の濃度を指し、ご飯や麺類、果物などに含まれる糖質(炭水化物)を摂取すると上昇します。すい臓から分泌されるインスリンの働きによって、血液中のブドウ糖は細胞に取り込まれ、エネルギー源となります。
空腹の状態で糖質の多いものを食べると、体内の血糖値は急激に上昇し、インスリンが過剰に分泌されてしまいます。こうした食生活を続けると高血糖状態となり、血管の詰まりや糖尿病などの生活習慣病を引き起こす可能性があります。
ラーメンや牛丼は、麺類・お米といった炭水化物がメインの食事です。お昼の空腹時に野菜などの食物繊維を取らず、一気に炭水化物を食べる生活を続けると、血糖値の上昇を引き起こします。
昼食を600円に抑えて外食先を選ぶと、一品で満腹感を得られるラーメンや牛丼などに偏りがちになります。例えば、チェーン店ではラーメン一杯で約550円、牛丼一杯で約500円で注文できる場合もありますが、追加で野菜や海藻類、豆類といった炭水化物以外の副菜を頼む余裕はなくなってしまいます。
血糖値上昇を和らげるひと工夫
お昼代の予算内では、サラダ一皿を追加するのが厳しい状況の人もいます。そこで、お金をかけずに血糖値の上昇を和らげるひと工夫を紹介します。
朝食を抜かない
昼の空腹時に急激に炭水化物を摂取することが、血糖値上昇の一因です。そのため、朝食をきちんと食べるだけで、空腹時間を短くでき、昼の血糖値上昇を抑える一手になります。
バナナやシリアル、おにぎりなどの簡単なものでも問題ありません。朝はどんなに忙しくても、胃に何か食べ物を入れるようにしましょう。
食事の前に一工夫する
空腹の状態で炭水化物メインのメニューを食べると、どうしても血糖値が急激に上がってしまいます。
しかし、炭水化物を摂取する前に副菜を食べておきたいけれど、毎日は難しいという場合は、おやつ感覚で食べられる乾燥昆布を食前に摂取することをおすすめします。海藻類は食物繊維やミネラルを多く含み、その後に摂取する糖類の吸収を緩やかにする作用があります。
ただ、乾燥昆布にはヨウ素が多く含まれているため注意が必要です。厚生労働省によると、日本の一般成人の1日のヨウ素の耐容上限量は3ミリグラムです。
そして、乾燥昆布15~30グラムあたりのヨウ素の含有量は35~75ミリグラムと高い数値です。耐容上限量内に抑えるためにも、1日の乾燥昆布の摂取量は1日1グラム程度に抑えましょう。
乾燥昆布は、一袋13グラムあたり160円ほどで購入できます。1日1グラム食べる場合、1日の購入費用は約13円です。昼休憩前のおやつにはじめてみましょう。
食後に運動する
食後に運動をすると、血液中のブドウ糖が筋肉で消費されるため、血糖値を下げる効果があります。血糖値を下げるには有酸素運動がおすすめです。食後は、すぐにデスクに戻って座るのではなく、15分ほど散歩をしてみるといいでしょう。
ちょっとした工夫で血糖値上昇を防げる
食事メニューを変えなくても、日々の工夫ひとつで昼食時の急激な血糖値上昇を抑えることができます。
本記事で紹介した3つの工夫は明日からでも簡単に始められます。健康的な食生活の第一歩として取り入れてみてはどうでしょうか。
出典
厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書
執筆者:田中美有
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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