親の遺産で豪遊している人をみつけました。きっと親は豪遊するために財産を残しておいたわけではないと思うのですが、一般的にどれくらいの金額を残しておくものなのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年11月30日 9時20分
親が子どもの将来を思って残した遺産を豪遊に使ってしまう人を目にすると、「親はそんな目的で残したのではないだろう」と考えてしまうでしょう。 一方で、遺産の金額は家庭ごとに大きく異なり、何が「普通」なのかは分かりにくいものです。 そこで本記事では、遺産の目的や一般的な相場、そしてその活用方法について解説します。遺産の本当の価値を見つめ直すきっかけにしてみましょう。
遺産の目的と一般的な金額の相場
遺産とは親が子ども、または次世代へ残す財産のことで、金額や価値は家庭の収入や資産状況に大きく異なります。
株式会社 鎌倉新書(東京都中央区)が運営する、相続情報サイト「いい相続」が行った「第2回 相続手続きに関する実態調査(2024年)」(調査期間:2024年3~4月、有効回答数:417件)によると、平均相続金額は2585万8000円です。相続財産の総額は以下のとおりです。
1000万円未満:42.0%
1000~2000万円未満:14.6%
2000~3000万円未満:12.7%
3000~4000万円未満:10.8%
4000~5000万円未満:7.2%
5000~1億円未満:10.6%
1億円以上:2.2%
なお、遺産相続の金額は地域によっても大きく異なります。同調査によると、1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)では、全国平均よりも高い傾向があり、平均相続財産額は約2996万6000円となっています。
遺産を有効活用するためのポイント
親が遺産の目的として、「子どもが困らないように」という思いが多いでしょう。
子どもが遺産を受け取ったときは、どのように使うべきかを慎重に考える必要があります。ここでは、有効に活用するためのポイントをいくつかピックアップします。
計画的な管理を心掛ける
遺産を受け取った際には、まず現状を整理しましょう。受け取った金額や資産の内容(現金、預金、不動産、有価証券など)を明確にし、家計や将来の目標に合った計画を立てることが重要です。相続税の納税義務がある場合は、納税資金の確保も忘れずに行いましょう。
浪費を防ぐための方法
遺産を一時的なぜいたくに使い切ってしまうのは、避けたいところです。長期的な視点を持ち、生活設計に基づいた資金計画を立てましょう。
例えば、「親にとって孫への教育資金として活用する」「老後の生活資金として確保する」など、具体的な目的を設定することが効果的です。必要に応じて、ファイナンシャルプランナーや税理士などの専門家に相談するのもよいでしょう。
投資や資産運用の活用
遺産の一部を貯蓄だけでなく、運用することで将来的な資産価値の維持・増加を図ることも検討しましょう。
ただし投資にはリスクも伴うため、自分や家庭のリスク許容度を考慮し、新NISAなどでの長期・分散投資をするなど慎重な計画が必要です。また、定期的に運用状況をチェックし、必要に応じて見直しを行うことも重要です。
不動産の有効活用
遺産に不動産が含まれる場合、その活用方法を検討しましょう。居住用として使用する、賃貸に出して収入を得る、あるいは売却して他の資産に変えるなど、さまざまな選択肢があります。不動産の状態や立地、市場動向などを考慮し、最適な方法を選びましょう。
家族との話し合い
遺産の活用方法については、家族と話し合うことも大切です。特に、共同相続の場合は、遺産分割の方法や各自の活用計画について、オープンに議論することで、将来的なトラブルを防ぐことができます。
社会貢献の検討
遺産の一部を寄付や社会貢献活動に充てることも、有意義な活用方法の一つです。自身の価値観や故人の意思を反映させた形で社会に還元することで、遺産の意義をより深めることができます。
遺産は自身の状況や目標に合わせて、有効活用することが大切です。また、法律や税制は変更される可能性があるため、最新の情報を確認し、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
遺産の金額以上に大切なこと
遺産は金額や内容も重要ですが、何よりもそれをどのように活用してほしいのかを考えることが大切です。
また、遺産を巡るトラブルを防ぐために、法的な準備や家族間での話し合いも欠かせません。親の思いを確実に子どもに届けるための準備を進めることが、家族全体の絆を深めるきっかけにもなります。
遺産は金額以上に、親が子どもに伝えたい思いや価値観を形にしたものもあるでしょう。それを活用し、家族全員がよりよい未来を築けるような仕組みを考えていきましょう。
出典
株式会社鎌倉新書 いい相続 第2回 相続手続きに関する実態調査(2024年)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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