毎月ネイルサロンに通っていたらママ友から「お金持ってるね」と言われました。わが家は共働きなのですが、30代夫婦で世帯年収900万円は多いほうなのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年12月6日 5時30分

ネイルやエステサロンに行くなど、自分では気にしたことがないけれど他人からはぜいたくと見られることがあります。 そのことでママ友などからうらやましがられたときに、ふと「うちはお金に余裕があるほうなのか」と思ったことはないでしょうか。共働きの30代夫婦の世帯年収が、他の家庭と比べて余裕があるといえるのかは気になるところです。 本記事では、同年代の家庭の収入状況や、900万円という年収がどのような位置づけにあるのかについて調べてみたいと思います。
30代が世帯主の所得状況
厚生労働省の「2023(令和5)年国民生活基礎調査の概況」によると、世帯主の年齢階級別で1世帯当たりの平均所得金額は図表1の通りです。
図表1
世帯主の年齢 | 所得金額 |
---|---|
29歳以下 | 339万5000円 |
30~39歳 | 608万5000円 |
40~49歳 | 696万円 |
50~59歳 | 758万5000円 |
60~69歳 | 536万6000円 |
出典:厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」より筆者作成
一般的には、年齢とともに世帯の平均所得は増加する傾向にあります。30代から50代にかけて、所得が徐々に上がり、50代でピークに達しています。
世帯年収900万円は、30代の平均の608万5000円に比べるとかなり高く、他の年代と比べても上位の水準です。ちなみに同調査によると、全世代のなかで900~1000万円の収入を得ている世帯は3.7%しかいません。
つまり、30代の共働き世帯において、900万円の年収は平均を十分に上回っているため、家計に余裕はあるほうだといえるでしょう。
年収900万円の生活レベル
国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、年収900万円は、給与所得者5076万人の平均年収である460万円のおよそ2倍に相当します。タレントスクエア株式会社によると、年収900万円の手取り額は年間約659万円、月額にすると約55万円となります。
次に、30代夫婦の平均的な生活費について見てみましょう。総務省が発表した「家計調査 家計収支編 2023年」によると、二人以上の世帯の30代で月々の平均支出は図表2の通りです。
図表2
項目 | 金額 |
---|---|
食料 | 7万6835円 |
住居 | 2万924円 |
光熱・水道 | 2万1064円 |
家具・家事用品 | 1万3655円 |
被服及び履物 | 1万1127円 |
保健医療 | 1万2393円 |
交通・通信 | 4万1940円 |
教育 | 7997円 |
教養娯楽 | 2万9935円 |
その他 | 3万9621円 |
消費支出合計 | 27万5491円 |
出典:総務省「2019年全国家計構造調査家計収支に関する結果」より筆者作成
これを踏まえると、年収900万円世帯の月々の手取り55万円に対して、平均的な生活費は約27万5000円となるため、家計に一定の余裕があるように見えます。
また、全世代で年収800~900万円の世帯の消費支出平均額は月35万1075円、900~1000万円の世帯では月36万6106円で、年収別の比較でも余裕があると思われます。なお、生活費は居住地域や家族構成などで大きく異なる点に注意が必要です。
例えば、住居費は持ち家か賃貸か、都市部か地方かで大きく差が出ます。また、子どもがいる場合は、教育費や食費が増える傾向があり、家計の負担が高くなる可能性があります。
一方、共働き世帯であれば、収入が2人分あるため家計の安定感は増しますが、その反面、通勤費や保育費など、共働き特有の支出も考慮する必要があるでしょう。さらに、家庭によって価値観や優先事項も異なります。
例えば、将来のために積極的に貯蓄する家庭もあれば、現在の生活を充実させるためにレジャーや趣味にお金をかける家庭もあります。
このように、同じ年収でも生活費の割り振りや家計感覚は家庭ごとに異なるため、「余裕がある」と感じるかどうかは個人の価値観や状況によるところが大きいといえるでしょう。
結論として、年収900万円の世帯は、平均的な生活費から見ても十分な余裕があると考えられますが、その余裕の感じ方や実際の使い道は家庭ごとの状況に大きく左右されます。
世帯年収900万円は30代の平均世帯年収や全国平均年収と比べて高い水準
30代で世帯年収900万円は、全国平均に比べると多いほうだということが分かりました。ところが、家計の「余裕」の感じ方は、居住地域、家族構成、価値観、支出習慣によって異なります。
例えば、都市部で生活費が高い場合や子どもの教育費がかさむ場合には、900万円でも「余裕がない」と感じることもあります。一方で、固定費を抑えつつ家計管理ができていれば、手取り55万円前後の範囲で十分にゆとりある生活を楽しむことも可能となるでしょう。
出典
厚生労働省 2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況
国税庁 令和5年分 民間給与実態統計調査
タレントスクエア株式会社 年収900万の手取りは約55万円! 生活レベル・偏差値・割合も解説
総務省統計局 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 2023年 第3-2表
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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