うちは夫婦で「月22万円」の年金生活ですが、生活に余裕がありません。ほかの年金生活者も同じなのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年12月15日 4時10分
年金生活に入ると、収入が減少して生活費が足りなくなることもあるようです。夫婦で年金支給額が月22万円の場合、ほかの年金生活者と比較して金額は少ないのでしょうか。ほかの年金生活者も同じように生活に余裕がないと感じているのでしょうか。 今回は標準的な年金支給額や老後の生活費について調べてみました。生活費の不足分をまかなう方法もご紹介しますので参考にしてみてください。
夫婦で月22万円は少ない? 標準的な年金支給額と比較
夫婦で年金を月22万円もらっていても、生活費が足りなくて、ほかの年金生活者と比較して支給額が少ないのではと考える方もいるでしょう。標準的な年金支給額については、日本年金機構のホームページを参考にできます。令和6年度の年金額の例は以下の通りです(昭和31年4月2日以後生まれの方の場合)。
●国民年金(老齢基礎年金が満額の場合):月額6万8000円(令和5年度は月額6万6250円)
●厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額):月額23万483円(令和5年度は月額22万4482円)
夫婦で年金を月22万円もらっている家庭は、標準的な年金額と比較してほぼ同じ水準であることが分かります。
月22万円で足りる? 老後の平均的な生活費と比較
夫婦の年金額として月22万円は標準的であることは分かりましたが、老後の生活費をまかなうのに十分な金額であるといえるのでしょうか。総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」では、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における1ヶ月の平均消費支出を25万959円としています。夫婦で月22万円の年金収入を得ている家庭では、毎月3万959円の不足が生じるでしょう。
しかし同調査の消費支出はあくまでも平均値で、各家庭によって必要な生活費は異なる点に注意が必要です。公益財団法人生命保険文化センターが実施した「2022(令和4)年度生活保障に関する調査」では、夫婦2人で老後生活を送る上で最低限必要と考えられている日常生活費は平均23万2000円としています。最低日常生活費と比較しても夫婦で月22万円では毎月1万2000円の不足が生じます。
経済的にゆとりのある老後生活で必要と考えられる日常生活費の上乗せ額は平均14万8000円、前述の日常生活費と合計すると38万円です。上乗せ額の使途には、「旅行やレジャー」「日常生活費の充実」「趣味や教養」などが挙げられています。ゆとりのある生活をしたい場合は、夫婦で年金収入が月22万円であれば、毎月16万円の不足が生じることになります。
生活費の不足分をまかなう方法
老後生活では、年金だけで生活して不足分は貯金を取り崩す家庭もあるでしょう。最低限必要な生活費でも1万2000円~3万959円ほどの不足分がありますが、余裕のある生活をしたくて毎月16万円の不足があると、老後資金は1年で192万円、5年で960万円減ってしまいます。
生活費の不足分をまかなうために、定年退職後も働き続けることを検討できるかもしれません。労働による収入と年金収入が、毎月の支出を上回るようにできれば、老後資金を減らすのではなく少しずつでも増やしていけるでしょう。貯蓄に余裕ができれば、仕事を続けられなくなった場合も安心です。老後生活では、医療費や介護費などが家計に負担とならないように、健康を意識した生活を心がけることも大切です。
夫婦で年金支給額「月22万円」は標準的な金額! 老後の平均的な生活費と比較すると不足分が生じる可能大
日本年金機構によると、標準的な年金支給額は夫婦で23万483円ですから、月22万円もらっている家庭は標準的であるといえるでしょう。
しかし総務省統計局では65歳以上の夫婦無職世帯の平均的な消費支出を25万959円としていて、その場合、毎月3万959円ほどの不足分が生じます。公益財団法人生命保険文化センターが実施した調査では、夫婦2人の老後生活で最低限必要と考える生活費を23万2000円としていて、年金月22万円では1万2000円足りません。
節約を心がけたとしても、年金22万円では最低限の生活しかできなくなる可能性があります。余裕のある生活をするために必要な生活費の平均は38万円とされていて、16万円の不足分をまかなうために、定年退職後も働き続けることを検討できるでしょう。
同時に健康的な生活を意識して、医療費や介護費が負担にならないように注意できます。労働収入と年金収入が毎月の支出を上回れば、老後資金を少しずつでも増やせるため安心です。
出典
日本年金機構 令和6年4月分からの年金額等について
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4>65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 図1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支 -2023年-(18ページ)
公益財団法人生命保険文化センター 2022(令和4)年度生活保障に関する調査 第III章 老後保障 2.老後生活に対する意識 (2)老後の最低日常生活費(109ページ)、(3)老後のゆとりのための上乗せ額(111ページ)、(4)老後のゆとりのための上乗せ額の使途(113ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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