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友達が「年金生活者でも確定申告をしないと、いけない」これって本当?

ファイナンシャルフィールド / 2019年2月15日 2時30分

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年金生活者で、所得税や住民税などの源泉徴収をされている方には、例年9月に日本年金機構から「扶養親族等申告書」が送られていると思います。すでに記入・返送済みですか? 今すぐ確認してみましょう。   扶養親族が「いる・いない」にかかわらず、これを提出していないと、所得税が10.21%で引き去られたままです。それに加えて、当然受けられるはずの公的年金等控除や基礎控除が暫定値で計算され、本来受けられる控除を受けることができません。   すなわち、高い税金を払ったままになってしまいます。   それに気がついた方は、今からでも遅くありません。確定申告をしましょう。そうすれば、所得税率は5.105%になり、かつ、公的年金等控除・基礎控除がきちんと受けられ、配偶者控除などの人的控除も受けることができます。  

黙っていると高い金額を払わされる税金の仕組み

年金生活者の方も、給与所得者と同様に源泉徴収があります。年金収入で公的年金等控除を上回る方が対象になります。すなわち、65歳未満なら年金金額が年額108万円以上の方、65歳以上なら年額158万円以上の方は、2ヶ月おきにもらう年金から所得税額が源泉徴収されます。
 
注意すべき点は、その場合、受けられるはずの控除がきちんと受けられず、かつ、源泉徴収税率は最低税率の倍の10.21%となっているということです。
 
年金生活者の方には、給与所得者であったころの年末調整がありません。払いすぎた所得税を税務署に還付請求してくれる「会社」がないのです。ですから、何もしないと、所得税は高い税率で支払ったままになってしまいます。
 
「扶養親族等申告書」は単に扶養控除を受けるためのものではありません。これを提出することにより、次のメリットが受けられるのです。まさに給与所得者時代の「年末調整」の役割をしてくれています。
 
(1)源泉徴収税額の調整
高い10.21%で天引きされた所得税を最低税率の5.105%まで減額することができます。
(2)年金生活者ならだれでも受けられる「公的年金等控除」をきちんと受けられるようになる
(3)「基礎控除」をきちんと受けられるようになる
基礎控除は納税者であれば、だれでも受けられるものですが、「扶養親族等申告書」を提出しないと受けられません。
(4)「配偶者控除」「扶養控除」を受けられるようになる
扶養に該当する配偶者や親族がいる場合、「扶養親族等申告書」にその氏名や所得などを記入すれば受けることができます。
 

もし、「扶養親族等申告書」を提出するのを忘れたら

もし、「扶養親族等申告書」を提出するのを忘れても、大丈夫です。今からでも、間に合います。確定申告をすればよいのです。
 
公的年金などの源泉徴収票を添付して、確定申告書を作ってください。公的年金等控除、基礎控除、配偶者控除およびそのほかの扶養親族がいる方は、扶養控除の金額を書き込めば、それらの控除が受けられるとともに、所得税額も10.21%から5.105%に減額されます。
 

年金生活者が忘れやすいこと

「扶養親族等申告書」をきちんと提出した方でも、確定申告を行うメリットがあります。
 
次の費用を支払っていませんか?
 
○健康保険料または国民健康保険料
○厚生年金保険料(別途給与生活者として働いている方)
○生命保険料、医療保険料、地震保険料など、各種民間保険会社の保険料
○医療費(10万円以上または所得が200万円未満の場合は所得の5%以上)
○ふるさと納税

 
平成30年度中にこれらの費用を支払った方は、確定申告をしてください。そうすれば、それらに対応する所得控除が受けられ、所得税が還付されるだけでなく、住民税も減額されます。
 

まとめ

年金受給者は、給与所得者と違い年末調整がありません。しかし、「扶養親族等申告書」がそれに近い役割を担い、源泉徴収税額の調整および、配偶者控除などの人的控除の申告を可能とします。
 
それでも、給与生活者時代の年末調整で行っていた各種社会保険料、生命保険料などに関する所得控除の申告まではできません。それらについては確定申告を行う必要があります。そうしないと、払わなくてよい税金を払ってしまうことになるので、気をつけましょう。
 
出典:日本年金機構
「平成31年分公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」の送付について
「年金にかかる源泉徴収税額」
 
執筆者:浦上登(うらかみ のぼる)
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー
 
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