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定年後の生活を考えて、サラリーマンは小さな会社を買うべきか!?

ファイナンシャルフィールド / 2019年2月17日 10時0分

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本年1月9日の日経新聞一面に「公務員の定年延長が具体化、民間波及にも期待」という記事が掲載されました。政府は公務員の定年を65歳まで引き上げることを目指して年内に関係法案を提出し、2021年4月から施行する方針とのこと。   少子化による労働力不足をシニアにより補完するのは妙案かもしれませんが、頭でっかちとなる職場の雰囲気やマンネリ化による本人モチベーションの維持など、さまざまな課題発生も懸念されます。   一方、横並びを期待される民間企業にとって、シニアの雇用延長は簡単に受け入れられる話ではないでしょう。恐らく、40歳台からの年功賃金の見直しや退職金低減などの動きがでてくるはずです。   また、公務員の定年延長は「年金対策」と表裏一体であることも認識すべきです。   昨年7月に開催された厚生労働省社会保障審議会年金部会の資料には、年金給付の十分性確保と制度維持を図るためには「就労期間の長期化(定年延長)」が必要であり、「支給開始年齢引き上げ」や「早期退職インセンティブの廃止」を検討すべきと明記されています。  

クラウドファンディングで不動産投資という選択 

将来の不安は、多くのサラリーマンを不動産投資に駆り立てています。しかし、一部地銀によるシェアハウスへの過剰融資で明らかになったように、簡単に長期安定収入が得られる上手い話はありません。むしろ個別性が極めて高く、投資金額も数千万円を超える不動産投資に関しては、物的及び権利の態様などの慎重な確認が必要です。
 
一般消費者にとってこの面倒な作業を省き、投資を行い易くするために開発されたのが「不動産投資信託(J-REIT)」です。
 
2001年2銘柄約2000億円で始まった市場規模は、2018年12月末時点で61銘柄約13兆円弱にまで成長しました。直近の予想分配金利回りは4.18%と預金金利よりはるかに高いのですが、平均元本の値下がりが2017年から続いています。
 
このJ-REITに組み入れられているのは、主に大都市圏の業務・商業ビル、マンションといった大規模不動産が中心です。課題は立地や築年数、建物の形状などの面で好条件の物件は限られるため、すぐに人気が集中してしまい、結果として元本が高騰(反対に利回りは下がる)し、十分な投資の受け皿になりにくいという点です。
 
そこで、国は投資対象の間口を拡げ、商品開発のプレーヤーを増やす目的で「小規模不動産特定共同事業」の普及に力を入れ始めました。
 
投資スキームは、広く投資家から出資を募り、不動産取引(売買、交換又は賃貸借)から得られる収益を分配するというJ-REITと同じものです。ただし、平成29年12月に参入要件の緩和が行われ、小規模不動産事業者でも登録可能となり、クラウドファンディングによる出資募集も可能となりました。
 
現在は出資総額1億円以下、一人当たり投資限度額も100万円以下に制限されていますが、すでにいくつかの新興企業が事業を開始しています。
 

3年間の兼務役員を務め後継経営者となる道

要件緩和はサラリーマンにも中小企業経営参画への道を拓きつつあります。
 
昨年4月に「事業承継税制」の改正が行われ、特例適用の場合、後継者への事業引き継ぎを目的とする自社株移転に係る贈与税・相続税は、100%猶予・免除されることとなりました。
 
この特例は平成30年1月1日から平成39年12月31日までの時限措置であり、要件として(1)平成30年4月1日から平成35年3月31日までの間に専門家の助言・指導を受けた「特例承継計画」を都道府県へ提出し、認定されること。後継者は(2)贈与時までに3年以上の役員経験を持つこと、(3)贈与時において代表権を有していること、などいくつかの条件が付されています。
 
近年、サラリーマンが株を買って社長になることを勧める本がベストセラーになりましたが、会社は生き物。やはり、社長、社員、取引先、顧問税理士などとの信頼関係を築く準備期間は必要でしょう。
 
副業・兼業解禁のチャンスを活かし、先ずは兼務役員として3年間を目途に会社に貢献しつつ、双方相性・適性を見極め、後継者となる道を検討されてはいかがでしょうか。
 
出典
厚生労働省「諸外国の年金制度の動向について」
国土交通省「平成29年創設 小規模不動産特定共同事業パンフレット」
中小企業庁「平成30年4月1日から事業承継税制が大きく変わります」
 
執筆者:村田良一(むらた りょういち)
CFP(ファイナンシャル・プランナー)1級ファイナンシャル・プランニング技能士、不動産鑑定士、中小企業診断士
(同)村田鑑定評価・経営研究所 代表社員
 
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