友達が「標準生命表の改訂から、まもなく1年!保険の見直しはした?」
ファイナンシャルフィールド / 2019年3月4日 9時30分
最近、所得補償保険や介護保険などで、新しい保険商品※が誕生しています。 また、フラット35の機構団信特約にも介護保障が加えられています。これらの「生前保障」を前提にした新商品が誕生する背景の一つに考えられるのが、「標準生命表」の改訂です。 ※生前保障を前提にした保険商品。人が「生きている」間のリスクを保障します。具体的には、医療保険・がん保険・所得補償保険・介護保険などです。
そもそも標準生命表とは?
死亡率、平均余命(将来の生存期間の平均値)などを男女別、年齢別にまとめたものです。昨年、11年ぶりに改訂され、死亡率が低下し、平均余命が伸びました。
標準生命表の改訂の影響は生前保障を前提にした保険商品だけではありません!
生前給付を前提にした新商品が相次いで発売された背景の一つには、標準生命表の改訂があるのです。標準生命表の改訂は、死亡保障、すなわち生命保険にも影響しています。
そもそも、生命保険の保険料は3つの基礎率によって決まります。具体的には、「予定死亡率」「予定利率」「予定事業費率」です。
生命保険の保険料の3つの基礎率のうち、「予定死亡率」は標準生命表によって決まります。今回の標準生命表の改訂では、死亡率が低下したことで平均余命が伸びました。よって、生命保険の保険料の3つの基礎率のうち、予定死亡率が低下したのです。
ちなみに、予定死亡率は生命保険各社、標準生命表を用いています。ですので、予定死亡率はどの会社も同じ、ということになります。
予定死亡率の低下によって
予定死亡率の低下は「生命保険の保険料のダウンにつながる」と、FP(ファイナンシャルプランナー)の教科書には書かれています。
が、生命保険の保険料を決めるのは、予定死亡率だけではありません。先述の通り、他に2つの基礎率(予定利率と予定事業費率)があります。ですので、FPの教科書の記述通りに行かない商品もあります。
定期保険や収入保障保険は見直しのチャンス?
先述の通り、商品によっても異なりますが、2018年4月以後「掛け捨て」と言われる定期保険や収入保障保険では、「保険料がダウン」した商品もあるようです。
AさんとBさん、2つの例を表にまとめてみました。商品は、お二人とも収入保障保険です。なお、表の中の割引制度とは「非喫煙体」や「健康優良」などの、収入保障保険に特有の割引制度のことです。
Aさんの場合、前回の契約は2017年です。翌2018年、年齢が1歳上がっているにも関わらず、毎月の保険料は438円のダウンです。保険期間は残り15年です。保険料ダウンの合計の金額は、438円×12ヶ月×15年間=7万8840円、ということになります。
また、Bさんの場合、前回の契約から「13年」経っていますので、年齢も13歳UPしています。
「前回契約」と「見直し」で、保険のゴールを同じ「54歳」に揃えると、保険期間は逆に「13年」短くなります。保険期間が短くなる、という点もありますが、13歳UPでも保険料は年払いで4030円安くなります。保険期間の残りは14年間です。
保険料ダウンの合計の金額は、4030円×14年間=5万6420円ということになります。
年齢が上がれば保険料も上がるのが生命保険の常識?
年齢が上がれば、保険料も上がるのが生命保険の常識と思われがちですが、2つの具体例をご覧いただいて、いかがでしょうか?
年齢が上がったとしても、逆に保険料は下がっていることにお気づきかと思います。特に、Bさんの方は、前回契約の時には割引制度が無かったのでしょうか?見直しの時に割引制度を利用すれば、さらなる保険料ダウンが想定されます。
なお、全ての人が一律に保険料がダウンするとは限りません。商品によっても、また、お一人お一人の条件によっても異なります。保険の見直しは、時にお手間かと思いますが、先述の2つの例では、手間をかけるだけのメリットがあるのではないでしょうか。
執筆者:大泉稔(おおいずみ みのる)
株式会社fpANSWER代表取締役
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