パスポート更新時の『残存有効期限』に注意
ファイナンシャルフィールド / 2019年3月8日 2時30分
2018年暮れから2019年にかけての海外旅行者数は過去最高であったという発表が、ルックJTBから12月4日付で発表されました。その数をみると総数は約74万人、アジアの伸び率が大きく、韓国・中国・台湾が人気。そして、ハワイ・欧州合計・米国本土と続くようです。 インターネットの普及で、海外旅行のチケット購入のハードルはグッと減りました。気楽に海外旅行に行けるようになりましたが、人が介入しない分、注意しなくてはいけないのが『パスポートの期限切れ』だと思います。
パスポートの歴史
日本にパスポートが誕生して152年経つそうですが、パスポートの歴史について語られている「政府インターネットテレビ」というものがあります。最初のパスポートは手書きで、身体特徴などが記載されたり現在とは異なる点が多々あったり、なかなか面白いので、興味のある方はご覧ください。
今から四十数年前、私が小学生の頃、海外旅行をする人はまだ一部。この数十年でもパスポートは時代と共に様々な変化をしてきました。
特に平成18年3月20日から導入のICチップ搭載の「IC旅券」では、有効期限が10年となり便利になったものの、そろそろ期限がきれる方が増えてくるかと思います。皆さまの有効期限は大丈夫でしょうか?
パスポートの切り替え時はいつ? 残存有効期限に注意
スピード時代の今、10年という月日は随分昔の様に感じられ、感覚も薄れてしまうものです。運転免許証の更新の5年でも忘れてしまいそうになるので、10年パスポートのうっかり失効の方は案外多いのかもしれません。
運転免許証は、誕生日の1ケ月後までは有効なので、思い出すタイミングがありますが、実際パスポートの有効期限は人それぞれ。また、海外旅行をする際は、期限切れギリギリでは間に合わない可能性もあるのです。
なぜなら、各国それぞれに「パスポートの残存有効期間」の規定があり、その基準に満たない場合は渡航ができません。主要国の取り決めは以下の通りです(以下は、民間の旅行会社の情報を参考にしています。最新情報をお知りになりたい方は各国大使館にお問い合わせください)。
※ESTA
電子渡航認証システムです。米国はビザ不要ですがESTA申請が必要。原則渡航の72時間前までに申請が必要です。数時間で許可が下りる場合もありますが、確定ではありません。以前は空港での申請が許可されたようですが、現在はできないようです。
※グアム特例
日本国籍の方が観光目的でグアムへ旅行する場合、45日以内ならESTA申請せずに「グアム‐北マリアナ諸島連邦ビザ免除プログラム」を利用しての入国が可能。ただし下記の注意が必要です。
・入国時に英字の書類が必要。
・ESTAを申請していると書類作成は不要。
・グアム入国時「ESTA」専用レーンがあり時間短縮されます。
※シェンゲン協定
EU加盟国内で、パスポートなしで自由な移動が原則認められている地域。2017年4月現在EU加盟国28ケ国中、22ケ国と欧州自由貿易協定加盟国4ケ国の計26ケ国で適用。
尚、これらの情報は2018年12月現在のものです。国勢により変更する可能性がありますのでご注意ください。
パスポートの更新のタイミング『切替申請』
パスポートは単に有効期限に注意をするだけでなく、「残存有効期限」に注意をしなくてはいけないことはご理解いただいたかと存じます。
また、パスポート番号は更新時に前のものは使用できません。「忘れないように誕生日を発行日にしたい」というのは、場合によっては難しくなることもありますのでご留意ください。
ところで、事前にパスポート申請をする場合、更新のタイミングはどうしたら良いのでしょうか。実は、パスポートには更新という概念がありません。今使っている有効期限内のパスポートを無効にさせてから「新たにパスポートを作る」というのが正しい考え方です。
要は「有効期限内に新しいものを作る」というものです。これを『切替申請』といい、今使っているパスポートの残存有効期限が1年未満になると新しいパスポートに切り替えることができます。
直ぐに海外旅行へ行く必要がない方、身分証明証として必要のない方は、切替申請の必要はありません。
残存期間が少なくても渡航しなければならない場合
どうしても、残存期間がなくても渡航しなくてはならない場合は、まずは航空会社と相談をしましょう。
リスクとしては「もしも飛行機がなんらかの事情でフライトしない場合帰国できない」というところかと思います。そうしたらもう日本に帰れないのか!?
そんなことはありません。外務省に確認をしたところ、各国の大使館・領事官で臨時の「1回限り」の帰国用のパスポートを発行してくれます。その際には「戸籍抄本か謄本」が必要となりますので、旅行時に持参しても良いかもしれません(※紛失には注意)。
今回は切替申請が間に合わないと思い海外旅行を諦めてしまった方、来年はトライしてみてください。
執筆者:寺門美和子(てらかど みわこ)
ファイナンシャルプランナー
関連記事
■海外旅行でおトクに外貨を使うには?前編:外貨はどこで手に入れても同じではない理由
■卒業旅行シーズン!外貨両替はどこでやったら一番お得か? 検証してみた。
■海外旅行時の現金調達する際にベストなモノ
■海外ロングステイの魅力とは?旅行とはどこが違うの?
■クレジットカード付帯の海外旅行保険。注意すべき4つのポイント
この記事に関連するニュース
-
電子ビザへの移行にかかる措置発表、短期滞在者の電子渡航認証は2024年中に実施(英国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月24日 1時30分
-
【知ってた?】パスポートの更新申請、実は行列に並ばなくてもOKなんです! オンライン申請がスタート - 「これは助かる」の声も
マイナビニュース / 2024年4月22日 10時7分
-
運転免許の更新を忘れた! 手続き場所まで車で行っても大丈夫?
ファイナンシャルフィールド / 2024年4月18日 23時50分
-
「世界最強のパスポート」にビザを課す…日本と中国の関係の現在地
RKB毎日放送 / 2024年4月18日 17時11分
-
「E-Visa」の運用開始、日本人観光客は4月末までビザ費用免除(スリランカ)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月18日 15時30分
ランキング
-
1山手線沿線の再開発が進む 「新宿、渋谷、品川」駅の工事はいつ終わるのか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月25日 7時10分
-
2サイゼリヤ、ギリギリ「国内黒字化」も残る難題 国内事業の利益率0.05%、値上げなしで大丈夫か
東洋経済オンライン / 2024年4月24日 7時30分
-
3イトーヨーカドー、祖業のアパレル復活なるか アダストリアとの新ブランドが生んだ“相乗効果”
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年4月25日 10時0分
-
4アキレス、シューズの国内生産終了へ コスト増や少子化など背景
ロイター / 2024年4月25日 16時27分
-
5過度の変動望ましくない、動向注視し万全の対応行う=円安で官房長官
ロイター / 2024年4月25日 11時35分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください