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円預金よりも断然金利が高い外貨預金 それでも覚えておきたいリターンとリスク

ファイナンシャルフィールド / 2019年3月9日 9時30分

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低金利の昨今、少しでも金利が高いものをと、外貨預金を考える方はいることでしょう。   円預金の金利に比べれば、外貨預金の金利は、はるかに高いのですが、そこには為替リスクや為替コストが存在します。外貨預金のリスクやコストとリターンの関係についてお伝えしたいと思います。  

外貨預金の金利水準

2019年2月現在、各金融機関の外貨定期預金の米ドル金利を調べると以下のような状況でした。キャンペーンなどで為替コストが値引きになる等の条件は考慮していません。
 

 
比較的高金利の銀行をピックアップしてみました。さて、この金利とコスト、どのように考えればよいでしょうか。一番上のイオン銀行を例に考えてみたいと思います。
 

為替コスト

外貨預金の取引には、為替コストが発生します。為替コストは金融機関により異なり、1米ドルあたりの金額になります。例えば、イオン銀行で外貨預金をするなら、預け入れの際はコストがかかりませんが、外貨預金を円に交換するときは0.5円(50銭)のコストが発生するということです。
 
そして、外貨預金の最も大きなリスクが為替リスクです。預入時や払い戻し時の為替レートがいくらか、が利益を左右する重要ポイントになります。ここで、為替レートについて、少し説明すると、為替レートは3種類あります。
 
日本円を外貨に交換する際のレート(TTS)、外貨を日本円に交換する際のレート(TTB)、TTSとTTBの中間である基準レート(TTM)です。
 
TTSはTelegraphic Transfer Selling rateの略で、金融機関が外貨を売る(Sell)とき、つまり私たちが外貨を買うときに適用されるレート、TTBはTelegraphic Transfer Buying rateの略で金融機関が外貨を買う(Buy)とき、つまり私たちが外貨を売るときに適用されるレートです。レートの考え方は、金融機関側から見た行為が基準となります。
 
例えば、為替コストが1円だと、TTS、TTM、TTBの関係は以下のようになります。
 

 

10万円を外貨預金した場合のコストとリターンは

では、イオン銀行で10万円分の外貨預金をしたとしましょう。イオン銀行の場合、預入時のコストはかかりませんから、10万円はそのまま米ドルに交換されます。1ドル100円だとすると10万円は1千ドルになります。
 
金利は2.2%ですが、約20%の税金がかかりますから、税引き後の金利は1.76%です。1年後は1千ドルが1017.6ドルになると言うことです。
 
さて、これを日本円で受け取る場合、いくらになるでしょうか。
 
基準のレートが100円だとすると、コストが0.5円かかりますので、TTBは99.5円となります。1017.6 × 99.5=101,250円になります。コストは1017.6×0.5=510円です。つまり、利息は1,760円ついたのですが、510円の為替コストがかかり、最終的な利益は1,250円になったということです。
 
これは基準レートが100円のままだった場合のケースです。為替レートは変化します。では、為替レートがいくらなら元本割れしないか損益分岐点を計算してみると、98.28円(10万円÷1017.6米ドル)となり、為替コストを加味すると、実際の為替レートで98.78円になります。それより円高になると元本割れします。
 

コストと為替レートを理解することが重要

金利2.2%と聞くと、今の銀行の円預金から考えると非常に高い金利のように聞こえます。しかし、上記の例のようにコストと為替の値動きを考えることが重要です。特に預入期間が短い場合、金利が高いケースは多々ありますが、その利息分をコストが吸収してしまうこともあります。
 
コストは1円以下ですから小さい金額のように思えるかもしれませんが、先程の例のように1,760円の利息がついてもコストが500円かかっていますので、軽視できない金額です。コストの計算や損益分岐点の計算は、外貨預金を扱う多くの銀行サイトでシミュレーションできます。そのようなツールを使って事前にコストや損益分岐点を計算し、上手に外貨預金を利用しましょう。
 
執筆者:前田菜緒(まえだ なお)
CFP(R)認定者
 
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