10年後は就職人気業界?シェアリングエコノミー業界の市場規模が1兆8874億円に
ファイナンシャルフィールド / 2019年4月19日 8時30分
学生さんの就活のもようがニュースになり、「就職先人気ランキング」などが発表されています。しかし、本当に今人気のある企業がこの先も大丈夫なのでしょうか? テクノロジーによって企業の勢力図は大きく変わり、たとえば現在「GAFA」と呼ばれる超巨大企業群、Google、アップル※、フェイスブック、Amazonの4社は、近年、急速に巨大化したものです。 ※アップルだけは以前からあった企業ですが、一時期業績が悪化して身売りも噂されていました。しかし創業者スティーブ・ジョブズの復帰とともに、iPhoneの大成功で超巨大企業として復活しました。 インターネットとテクノロジーの波は、とくにスマートフォンの普及とともに「シェアリングエコノミー」という新しいビジネス市場を創り出しました。 これはひょっとして、また世の中を大きく変える波になり得るかもしれません。就活中の学生さんやその親御さん、またはまだ小さなお子さんで、将来はどんな風に進んでもらいたいかなどを考えるために、シェアリングエコノミーの現在地を知りましょう。
シェアリングエコノミー業界はすでに海運業、アパレル業と同程度の業界規模
2019年4月、一般社団法人シェアリングエコノミー協会は株式会社情報通信研究所と共同で行った「シェアリングエコノミー関連調査」を発表しました。
その調査によると、2018年度のシェアリングエコノミー市場規模は1兆8874億円としています。そして、現状のペースを維持していくと、2030年度には5兆7589億円となり、これは海運業、アパレル業と同程度の業界規模になるとしています。
さらに、現在ある「シェアリングエコノミーの認知度が低い点」「個人が提供するサービス利用への不安」などの課題が解決されれば、2030年度には11兆1275億円の規模に成長する可能性があると述べていて、これは電子部品製造業、製薬業と同じ市場規模であるとしています。
つまり、約11年後、ひょっとしてシェアリングエコノミーに関連する業界はそこまで成長している可能性があるわけで、今小さなお子さんの仕事は、ひょっとしたらそういうところにあるかもしれませんし、今就活に迷っている学生さんが飛び込んだとしたら、そんな大きな業界の一員として30代を迎える可能性もあるのかもしれません。
シェアリングエコノミーの5つの業種
それでは、そもそもシェアリングエコノミー業界にはどんな業種があるのでしょうか? 同調査では、
(1)スペース
(2)モノ
(3)移動
(4)スキル
(5)お金
の5つに分類しています。
「スペース」では「民泊(Airbnb、STAY JAPAN)」「民泊以外の駐車場、会議室、イベントスペースなど(akippa、軒先、スペースマーケット、Spacee)」が代表的なプラットフォームとあります。
「モノ」では「売買(フリマアプリなど : メルカリ、ミンネ、ラクマ)」「レンタル(高級バッグ、洋服など : ラクサス、モノシェア、airCloset)」が挙げられています。
「移動」では「カーシェア : Anyca、Dカーシェア」「サイクルシェア : ドコモバイクシェア」「その他料理の運搬、買い物代行など :Uber eats」が挙げられています。
「スキル」では「対面型(家事、育児など) : AsMama、TABICA、タスカジ」「非対面型(記事執筆、データ入力など) : ランサーズ、ココナラ、クラウドワークス」が挙げられています。
「お金」では「購入型(クラウドファンディングなど) : マクアケ」「その他 : JAPANGIVING、Maneo、セキュリテ、FUNDINNO」が挙げられています。
もちろんこの他にもいろいろなプラットフォームがありますが、この中にも、もはや大きく成長している企業がありますよね。こうしたシェアリングエコノミーのプラットフォームを通じて収入を得る個人のことを「シェアワーカー」とこの調査では呼んでいます。
調査では「シェアワーカーの収入が拡大することで、商品やサービスの購入が増加して、既存の製造業やサービス業の売上が拡大する」と述べています。その商品の原材料を作る業界や輸送する運輸業にも経済的な影響をもたらすのですね。
調査では、2018年のシェアリングエコノミーの市場規模は1兆8874億円としていましたが、そのうちシェアワーカーの収入は1兆5873億円と見込まれるとしています。
そして、シェアワーカーが買う商品やサービスは9108億円にもなり、その分が製造業、サービス業の売上に寄与しているはずだとしています。そして、それが原材料や製造業、運輸業へ5012億円も経済波及効果をもたらすと推測しています。
まとめ
最後は数字ばかり並んでしまいましたが、10年後を見据えて就職先を検討し、あるいは子どもがどういう業界に進んでもらいたいかを考えるとき、決して無視できない存在感を示すのが、シェアリングエコノミー業界だと認識してもいいのではないでしょうか。
※株式会社情報通信研究所「シェアリングエコノミー関連調査」
執筆者:藤木俊明(ふじき としあき)
副業評論家
関連記事
■人手不足や地域の課題を解決できる? シェアリングサービスに注目!
■民泊は悪なのか? シェアリングエコノミーの発想
■急成長中のシェアリングエコノミー!今年の副業はシェアビジネスに挑戦?
■シェアリングエコノミーが持つ、5つの領域とは
■道の駅は車中泊を禁止している!? オートキャンプ場のシェアリングサービスの実態
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
助太刀、高校生の就職支援を行う「ジンジブ」と共に、会社を活性化する若返り戦略セミナーを実施!
PR TIMES / 2024年4月3日 8時0分
-
マッチングプラットフォーム事業者向け「オンボーディング支援プログラム」の提供開始
PR TIMES / 2024年3月29日 15時15分
-
いま最も学生が注目する企業ランキング 上位20社の魅力は「転職・起業を視野に、自分の成長が期待できる」【2025年卒就活生】
J-CASTニュース / 2024年3月28日 18時48分
-
就活生・内定者・社会人1年目の就活実態。人気業界1位 男性「メーカー」女性「医療・福祉」。初年度の希望年収「300万円~350万円」。1年目にして、会社を辞めたい人約6割!
PR TIMES / 2024年3月25日 10時45分
-
就活生・内定者・社会人1年目の就活実態。人気業界1位 男性「メーカー」女性「医療・福祉」。初年度の希望年収「300万円~350万円」。1年目にして、会社を辞めたい人約6割!
@Press / 2024年3月25日 10時0分
ランキング
-
1円安の流れはしばらく継続?
為替の見通しや介入の有無を徹底解説Finasee / 2024年4月19日 7時0分
-
2東証、一時1300円安 大幅反落、2カ月ぶり安値水準
共同通信 / 2024年4月19日 12時5分
-
3東証大幅反落、終値1011円安 中東緊迫、3年2カ月ぶり下げ幅
共同通信 / 2024年4月19日 17時36分
-
4日経平均一時1300円超下落…午前終値は1260円89銭安の3万6818円81銭
読売新聞 / 2024年4月19日 12時19分
-
5楽天グループ、決済アプリを統合 ペイペイ経済圏に対抗
共同通信 / 2024年4月18日 17時41分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください