NISA vs iDeCo! これから資産運用を始めるならどっち?
ファイナンシャルフィールド / 2019年5月8日 9時30分
これから、資産運用を始める人は、どの運用商品を選んだら良いか迷ってしまうかもしれません。そんな方は投資信託を検討してみたらいかがでしょうか。 投資信託は、投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品です。少ない金額から購入でき、自分で個別の銘柄を選ぶ必要がなく、株式や債券などに分散投資できます。 さらに、投資信託をNISAやiDeCoで購入・運用すれば、税制優遇を受けることができます。まずは、この資産運用制度から検討してみてはいかがでしょうか。
iDeCoの特徴
個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)は、確定拠出年金法に基づいて実施されている私的年金の制度です。自分で掛け金を拠出し、自分で運用し、運用の結果は自分の責任になります。加入できるのは原則20歳以上60歳未満のすべての方です。
月5,000円から始められ、拠出限度額は月額1.2万円~6.8万円です(職業などにより異なります)。年単位の拠出も可能です。投資対象は、定期預金や投資信託です。
iDeCoの特徴は、掛け金の拠出時、運用時、運用益の受取時の3つの場面において、税制優遇がある点です。掛け金は、全額所得控除できます。例えば、毎月の掛金が1万円の場合、所得税10%、住民税10%とすると年間2.4万円の税金が軽減されます。
利子や運用益も非課税です。通常、運用益には課税されますが(源泉分離課税20.315%)、iDeCoなら非課税で再投資されますので複利の効果が大きくなります。
iDeCoの年金資産は、老齢給付として原則、60歳からの受け取りとなります。受取時は、一時金で受け取る場合は退職所得控除、年金として受け取る場合は公的年金控除を活用できます。
一方、留意事項もあります。掛け金が全額所得控除の対象といっても、課税所得のない方には税メリットがありません。「元本確保型」の商品もありますが、投資信託等の商品で運用する場合は元本を下回る可能性があります。この不利益は加入者自身が負います。
iDeCoの資産は60歳まで引き出せない点も注意しましょう。この点は、老後の資産形成を行うという目的から考えるとメリットと考えることもできると思います。
NISAの特徴
少額投資非課税制度NISA(ニーサ)は、NISA口座(非課税口座)内で、毎年一定金額の範囲内で購入したこれらの金融商品から得られる配当金や売却益(譲渡益)といった利益が非課税になる制度です。
一方、損失が出た場合は、他の口座で保有している金融商品の利益と相殺(損益通算)することはできません。
20歳以上の方が利用できるNISAには、株式、REIT、投資信託に自由に投資できる「通常のNISA」と金融庁が選定した商品(長期の積立、分散投資に適した一定の投資信託)の中から、毎月少額を積み立てていく「つみたてNISA」の2種類があります。
拠出限度額は、「通常のNISA」は年間120万円(累計600万円)、「つみたてNISA」は年間40万円(累計800万円)となっています。
iDeCoは、掛け金の拠出時、運用時、受取時の3つの場面に税優遇がありましたが、NISAは税優遇が受けられるのは運用時です。NISAの最大のメリットは、「通常のNISA」の場合は5年間、「つみたてNISA」であれば20年間の運用益が非課税になる点です。
5年間の非課税期間の終了後は、課税口座に移すか、新しいNISA口座に移し替えるか、売却するかの選択ができます。新しいNISA口座に移し替えた場合は、新たに5年間非課税期間を延長できます(ロールオーバー)。「つみたてNISA」はロールオーバーできません。
NISAは、iDeCoと違い、いつでも払出し・売却が可能です。ただし、払出し・売却した部分に対応する非課税枠は再利用できませんので注意してください。また、「通常のNISA」と「つみたてNISA」は併用できない点も留意しましょう。
まとめ
上記でみてきたように、個人型確定拠出年金iDeCo(イデコ)と少額投資非課税制度NISA(ニーサ)は、対象者、掛け金の拠出限度額、税制優遇の範囲・期間、投資対象、自由に引き出しが可能か否か等が異なります。
それぞれの特徴を生かすには、iDeCoとNISAを組み合わせて活用すると良いでしょう。
執筆者:新美昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー
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