定年後も働くことは決定? 定年後の「働く」基礎知識

ファイナンシャルフィールド / 2019年5月10日 8時15分

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年金の支給開始年齢が後倒しになるとともに、定年後に働くことも多くなっています。定年後の就職パターンは、「そのまま同じ会社で働く」「他の会社に再就職する」などさまざまです。 ケースによって、雇用保険や健康保険の適用が変わったり、年金との調整を考える必要も出てきます。

定年後も働くケースにはどんなものがある?

定年後も同じ会社で働くのであれば、再雇用制度を利用できる場合があります。他の会社に再就職、労働時間の短いパートタイマーやアルバイトという働き方もあります。派遣会社に登録して派遣社員として働く、市区町村のシルバー人材センターに登録して働く、などもあります。
 
派遣社員で働く場合、60歳以上であれば「1人の派遣労働者が派遣先の同一組織単位で働ける、3年の期間制限」の縛りを受けません。
 
シルバー人材センターでは臨時かつ短期の、そして軽易な仕事を紹介してもらえますが、都道府県知事が指定する業種等においては、派遣・職業紹介に限り週40時間までの就業が可能となっています。
 

雇用保険と高年齢雇用継続給付

ご存知のように、雇用保険に加入していると、失業や休業の際に給付を受けることができます。
 
また、60歳以降も雇用保険に加入して働く場合で、60歳時に比べて給与が75%未満に低下した時は、低下した割合に応じて高年齢雇用継続給付を65歳に達する月まで受けることが可能です。
 
その際の支給額は、各月の給与の最大15%となり、被保険者であった期間が5年以上であることなどの要件をクリアすることが必要となります。
 

60歳以降の雇用保険について

60歳以降、雇用保険に加入する場合、週20時間以上、31日以上の雇用見込みがあることが適用要件となっています。失業した際は失業手当を受給することができます。65歳以上であれば高年齢求職者給付が支給されます。
 
また、家族の介護のために休業した際も、一定の条件を満たせば介護休業給付を受給することができます。その際の受給は93日を限度とし、支給対象となる同じ家族について3回までの分割取得が可能となっています。
 
保険料については被保険者負担がありますが、4月1日時点で満64歳以上であれば、その年度は免除されます。
 

健康保険・厚生年金の適用

いわゆるパートタイマーやアルバイトであっても、1ヶ月の労働日数と1週間の労働時間が正社員の4分の3以上(週30時間以上)であれば、健康保険と厚生年金の加入要件を満たします。
 
なお、従業員が501名以上の企業では、適用範囲が拡大されます。1年以上雇用される見込みで、労働時間が週20時間以上、賃金の月額が8.8万円以上であれば加入できます。
 

年金との調整

厚生年金に加入する場合は、収入が多いと「老齢厚生年金」が減額される可能性があります。
 
総報酬月額相当額<給与月額(標準報酬月額)+年間賞与÷12>と、本来受け取れる老齢厚生年金の月額(基本月額)を合わせた額が、65歳未満なら28万円。65歳以上なら、46万円を超えると年金額が減額されることになります。
 
いずれにしても厚生年金に加入し、定年後も働く場合、加入期間はリタイア後の年金額に反映されるので、老後の年金額を増やすことにつながります。
 
本来ならば、定年後はゆっくりセカンドライフを…と考えていても、実際その時になると、まだ働きたいと思う方もいるでしょう。子供の学費がまだかかるなどの経済的理由で、働かざるを得ない状況も起こりうると思います。
 
今後、年金の給付開始は70歳になるかもしれないと言われています。そうなると、定年から年金受給開始までの収入を、何らかの形で確保する必要が生じます。まだまだ働ける気力と時間があるのであれば、定年後も自分に合った働き方を見つけることも大切なのかもしれません。
 
執筆者:新井智美(あらい ともみ)
CFP(R)認定者
一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー
住宅ローンアドバイザー
証券外務員
 
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