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40年ぶりの民法改正!「自筆証書遺言」で無効にならないために

ファイナンシャルフィールド / 2019年5月19日 10時15分

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自筆証書遺言の方式が変更になりました。ニュースや雑誌、ネット情報でご存知の方も多いかと思います。想いを残すために、ぜひとも取り組んでいただきたい相続対策ですが、誤解のないように、無効にならないように、きちんと把握しておきたいものです。   今までと何がちがうのか、他の選択肢も含めて検討してみましょう。  

40年ぶりの民法改正!!

令和の時代が始まりました。平成を越えて昭和55年(1980年)以来、40年ぶりの大改正です。40年前と言えば、平均寿命は女性78.76歳、男性は73.35歳という時代でした。
 
被相続人(亡くなられた方)の高齢化とともに、遺された配偶者の高齢化にも配慮した改正、また、トラブル(争族)を防止する観点からの改正です。
 
民法の相続について規定した部分を相続法といいます。改正点は、「配偶者の居住権」や「遺産分割に関する見直し」などが挙げられ、注目すべき点は多くあります。なかでも「自筆証書遺言の形式緩和」は、すでに2019年1月13日より施行されています。
 

最後の想い「遺言」をどの形式で遺すか

被相続人(亡くなられた方)が財産について書面に想いを残す「遺言書」には、いくつかの形式があります。代表的なのは次の3つ。
 
【自筆証書遺言】「遺言」を、遺言者が手書きで作成する
【公正証書遺言】「遺言」を、遺言者が話し、公証人が文章にまとめて作成する
【秘密証書遺言】「遺言」を、遺言者が作成(署名と押印すればパソコン作成や代行作成も可能)し、公証人が封印して保管する
 

「自筆証書遺言」の形式緩和

遺言書に添付する「財産目録」をパソコンで作成できるようになりました(これまで「自筆証書遺言」は、全文を手書きで作成する必要がありました)。
 
意識はしっかりしているものの、「書く」という作業は負担であり、地番の写し間違いや、相続人の名前を誤る、読めないなどの問題がありました。
 
相続財産の目録については、手書きでなくても有効となります。
 
・パソコンで作成した目録
・不動産登記簿謄本や通帳のコピーの添付
・自書によらない書面(代理人が書いた書面でも可)の添付も可能

 
添付する書類には、すべてのページに署名して印鑑(認印で可)を押します。
 

重要 「自筆証書遺言」で気をつけたいこと

遺言書本体については、従来どおりに手書きで作成する必要があります。パソコン等で作成できるのは、添付する書類だけです。この点は十分、気をつけてください。施行は、2019年1月13日。施行日以前に作成したものは、これまでの要件(全文手書き)が必須です。
 

想いを有効にするために

「自筆証書遺言をパソコンで作成してもよい」「署名だけすればよい」と勘違いされているケースが多発しています。ハードルが下がったとはいえ、誤解により無効になる遺言書の数が増えては本末転倒。正しい情報を受け取り、正しく理解したうえで、ぜひ、遺言作成に取り組んでみてください。
 
なお、情報を発信する立場の方も誤解のないよう、現時点での情報、今後発表される情報に十分留意し、正しく伝えることが必要です。
 
子世代としては、なかなか親世代に対して「遺言書を作成してね」とは言えないものです。「法律改正で、自筆証書遺言が作成しやすくなったらしいよ」と声をかけるのなら、問題提起として可能ではないでしょうか。
 
もめる相続の多くは、コミュニケーション不足が起因しています。日頃から想いを共有しておくことが何より大切です。
 

オススメは、「公正証書遺言」

費用がかからず、手軽に作成できる「自筆証書遺言」ですが、可能であれば、「公正証書遺言」をオススメします。
 
第三者である公証人が遺言の法的有効性をチェックしたうえで、公証役場に保管される遺言書です。公文書であること、紛失や偽造の危険がないことがメリットです(デメリットは、費用と手間がかかること)。
 
とくに、相続財産が現預金よりも自宅を含む不動産が主である方、企業オーナー、もめる火種がありそうな方(連絡をとりにくい相続人がいる、再婚している、特定の親族にのみ贈与しているなど)は、ぜひ、「公正証書遺言」を検討してみてください。
 
いずれにしても、想いが有効に次の世代に伝わりますように。
 
出典
厚生労働省「平成29年簡易生命表」
法務省「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律について(相続法の改正)」
 
執筆者:大竹麻佐子(おおたけまさこ)
CFP🄬認定者・相続診断士
 
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