【調査】終活の意向がもっとも高い世代は30代 30代は何を恐れているのか
ファイナンシャルフィールド / 2019年6月8日 9時40分
みなさんは「終活」という言葉を聞いたことがありますか?終活とは、「人生の終わりに向けた活動」のことで、自分が亡くなった後に備えての準備を行うことを指します。 近年では、自分が将来病気や寝たきりになった時に備えたり、死後、相続や遺産配分でトラブルにならないよう、あらかじめ準備をする人が増えてきています。 楽天インサイト株式会社(本社:東京都世田谷区)は全国の20代から60代の男女1000人を対象に「終活に関する調査」をインターネットで実施しました。※ それでは、この結果を見ながら、世の中では「終活」についてどう考えられているのか見てみましょう。
「終活」の意向がもっとも高いのは30代。家族に迷惑をかけたくないのが「終活」の理由
本調査で「終活」という言葉を知っているかを聞いたところ、「知っている」と回答した人は全体で79.3%でした。また、「終活」の意向があるかを聞いたところ、「はい」と回答した人は40.3%。
年代別では、終活の意向がある人は30代(46.0%)がもっとも多く、昨年に比べて9.7%高くなりました。 次に多いのは60代の43.2%ですが、30代が一番終活について考えているとは意外ですね。
「終活」の意向がある人に、「終活」をする理由を聞いたところ、「家族に迷惑をかけたくないから」が75.9%ともっとも多く、「病気や怪我、介護生活で寝たきりになった場合に備えるため」が46.4%、「自分の人生の終わり方は自分で決めたいから」が38.2%と続きました。
この結果から、もしもの時に家族に迷惑をかけないよう準備したいと考える人が多いことがわかります。30代は、結婚したり子どもが生まれたりする人が多い年代なので万が一のことに備えようと思うのかもしれません。
若い人ほど財産整理を考えている。60代は家の荷物の整理から
「終活」の意向がある人に、「終活」においてどのようなことをしておきたいかを聞いたところ、「財産整理」(62.5%)と回答した人がもっとも多く、次いで「家の中の荷物整理」(55.8%)、「エンディングノート・遺書の作成(法的効力はないが、意思を伝えられるものの作成)」(43.2%)となりました。
興味深いのは、「財産整理」(76.3%)と答えた人は、20代がもっとも多いことです。さらに、「遺言書・遺産分与の作成(法的効力があるものの作成)」「大切な人へのメッセージ」「墓準備」においても、20代がもっとも高く、若い人ほど意識が高いことがわかりました。
逆に、年代が高い人では「家の中の荷物整理」が60代で67.7%、50代で66.7%となっており、20代の35.6%と比べると倍近い数字になっています。お金のことよりまず家を片付けておきたいというのは現実的なのかもしれません。
「終活」の意向がある人に、「終活」を始めたい年齢を聞いたところ、「60代」(41.7%)と回答した人が4割でもっとも多く、次いで「70代」(23.6%)、「50代」(12.4%)という結果となりました。
若い人は「終活」への意識はあるものの、実際に始めるのはまだまだということですね。
どうする?お墓。お墓がない場合は自然散骨を望む人が多い
お墓の心配もあります。お墓の管理をしている人は今後の管理をどうするのか、お墓がない人は自分のお墓はどうするのでしょう。現在お墓を管理している人は約5割で、お墓の管理にかかる年間費用の平均は「8112円」という結果になりました。
また、現在お墓を管理している人のうち、今のお墓を撤去して遺骨をほかの墓地に移転したり、永代供養墓地に改装したりする「墓じまい」を考えている人は22.2%でした。
その理由は、「子どもや他の家族に墓の面倒をかけたくないから」(56.8%)と回答した人がもっとも多く、「お墓が離れた場所にあり、墓参りがほとんどできないから」(38.7%)、「兄弟や姉妹、子どももいなくひとりなので、自分の後には管理する人がいないから」(27.0%)と続きました。
お墓の維持や管理のため、近くの墓地に移したり、今後管理する人がいない場合には、お寺や霊園に管理をゆだねたりすることを検討しているようです。
また、自分自身の死後の供養について、どのような方法を望んでいるのかは、現在お墓を管理しているか否かで意識がちがうことがわかりました。
お墓を管理している人は「先祖代々受け継がれているお墓に入る」(32.0%)や「自分(や家族)で建てたお墓に入る」(29.8%)という回答が多いですが、お墓を管理していない人は「自然散骨」(18.4%)がもっとも多い結果となりました。
お墓がない場合は自然散骨にして、後のお墓の管理に手を煩わせたくないという意向が伺えます。
自分の人生の終わりなんて考えたくもないと思いますが、残された家族が困らないように、少しずつ考えておくといいでしょう。
※楽天インサイト、「終活に関する調査」結果より
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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