【解説】会社員の副業の確定申告で気をつけるべきポイント

ファイナンシャルフィールド / 2019年6月24日 9時15分

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近年、働き方改革などの影響により、社会全体で副業を認めようという動きがあります。大手企業でも副業を容認するところが出てきております。   会社員が副業した場合、確定申告はどのようになるのでしょうか?  

副業を認めようという時代の流れ

2018年1月に厚生労働省が「モデル就業規則」を改訂し、これまであった副業禁止の項目が削除され、副業を容認する規則に変更されました。
 
これにより、大手企業を中心としてさまざまな企業が、副業・兼業に対する意識を高めてきています。
 
とはいえ、株式会社リクルートキャリアの調査によると、副業を容認・推進している企業は全体の28.8%と、3割にも満たないのが実情のようです。
 
会社が社員の副業を禁止する理由としては、副業による長時間労働による過労、同業他社で副業することによる情報漏洩リスクなどが挙げられます。何よりも雇う側としては、副業よりも本業に集中し、自社のために一生懸命働いてほしいというのが本音でしょう。
 
一方で、企業が副業を認める理由としては、優秀な人材の確保のためというのが大きいようです。優秀な人材ほど引き合いも多く、副業禁止にしてしまうと、そのような人に退職されるリスクも生じます。
 
また、労働人口の減少、働き方改革により残業時間が制約されていく中で、世の中の動きに柔軟に対応しないと、今後の人材確保が難しくなるという事情も影響しています。
 

会社員の確定申告はどうなってるの?

一般的な会社員の場合、会社で年末調整をしてくれるので、所得税の申告は不要です。また、住民税についても、会社が自治体に給与支払報告書を提出することにより、自治体から会社に納税額が通知され、会社が住民税を月々の給料から特別徴収します。そのため、住民税も申告が不要となっています。
 
つまり、会社員は他に収入がない場合、給料が2000万円を超える人など、一定の場合を除き所得税も住民税も申告は不要です。
 
また、会社員は本業の給与所得以外の所得(副業による所得など)が20万円以下であれば、その場合も所得税の申告が不要です。なお、副業が給与の場合は、所得ではなく「収入が20万円以下」となるのでご注意ください (住民税の申告は20万円以下であっても申告は必要) 。
 
本業の給与所得以外の所得(副業による所得など)が20万円を超えた場合、所得税の確定申告が必要となります。
 

副業した場合の確定申告は?

先述のとおり、会社員が副業により本業の給与所得以外の所得が20万円を超えた場合は、確定申告が必要となります。
 
雑所得や事業所得に該当する場合には、収入金額から必要経費を差し引いた金額が所得となります。
 
例えば、執筆活動や講師業などで収入を得た場合には、受け取った収入からその所得を得るために要した費用を差し引きます。参考にした書籍の購入費用や、交通費、副業のために購入したパソコン代なども必要経費となるでしょう。これらを、収入金額から差し引いた金額が所得金額となります。
 
また、副業がアルバイトなど給与所得に該当する場合は、副業先から源泉徴収票の交付を受けるようにしてください。本業の給与所得と副業の所得を合算して、確定申告をすることとなります。
 
なお、申告の際、会社に副業が容認されていない場合や、会社にばれると困るという場合は、確定申告の住民税の欄を普通徴収として申告してください。そうすると、副業分の住民税は会社から天引きされず、自治体から普通徴収として納付書が送られてきますので、自分で納付することとなります。
 
例えば、親から相続した賃貸物件の不動産所得を会社に知られたくない人が、その不動産所得の住民税については普通徴収とする場合などに、よく利用されています。
 
以上、簡単ではありますが、副業をする場合の確定申告について述べました。確定申告義務があるのに申告しない場合、後で加算税や延滞税などペナルティを受けますので、適正申告を心掛けたいものですね。
 
出典:厚生労働省「副業・兼業」
株式会社リクルートキャリア「兼業・副業に対する企業の意識調査(2018)」
 
執筆者:宮路幸人(みやじ ゆきひと)
税理士・AFP その他宅建、マンション管理士資格保有

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