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農家の人のための年金制度・農業者年金(2)-将来受けられる年金-

ファイナンシャルフィールド / 2019年7月9日 9時30分

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農家の人のための農業者年金制度。前回はその基本的な特徴や加入する条件、保険料について取り上げました。   農業者年金に加入してその保険料を納めると、実際、将来に受けられる年金はどのような年金になるのでしょうか。これから農業者年金制度に加入する人向けの、将来受けられる年金給付を今回取り上げます。  

将来受給できる農業者老齢年金

2002年1月以降に加入した人が将来受け取れる年金に、農業者老齢年金があります。加入者がそれまでに支払った保険料とその運用益を元に計算されることになり、国民年金の老齢基礎年金や付加年金同様、65歳から終身で受け取ることができます。
 
年金額は、加入期間や保険料額、運用利回り、性別によって変わってきます。
 
例えば、保険料額が月額2万円、20歳から60歳まで40年納付した場合で、運用利回り2.5%、65歳以降の予定利率が0.20%であれば、男性は年間75万7200円の年金が受けられ、女性は年間63万4500円の年金が受けられる見込みとなります(【図表1】。独立行政法人農業者年金基金ホームページより)。
 

 
年金額に男女差があるのは、女性は男性より平均余命が長く、結果、受給期間も長くなるためです。
 
国民年金の保険料(2019年度月額:1万6410円)を20歳から60歳まで40年納付した場合の満額の老齢基礎年金は78万100円(2019年度年額)となり、付加年金は、付加保険料(月額400円)40年の納付で9万6000円(年額)になります。
 
これら国民年金制度の老齢基礎年金と付加年金に農業者老齢年金が上乗せされることになります。農業者老齢年金は、60歳から繰上げ受給することもできます(ただし、年金が減額されます。)。
 
農業者年金の加入と脱退は自由ですが、もし、脱退した場合、脱退時に脱退一時金として支給されるわけではなく、加入期間にかかわらず、それまでに加入者が支払った保険料と年金の裁定までの間の運用益により、将来、農業者老齢年金として支給されます。
 
なお、受給する農業者老齢年金については、老齢基礎年金や老齢厚生年金同様、税制上、公的年金等控除の対象になります。
 

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特例付加年金

農業者年金制度の年金として、次に、特例付加年金があります。
 
前回述べた保険料についての国庫補助を受けた場合に、保険料の国庫補助額とその運用益を基礎として支給されることになります。受給条件は、保険料納付済期間等が20年以上あること、農業経営から引退(経営継承等)することとなっています。
 
この引退(経営継承等)の時期については年齢による制限はありません。65歳から農業を続けながら農業者老齢年金を受給し、その後引退して特例付加年金を受給することも可能です(【図表2】)。
 

 

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年金を受給している人が80歳前に亡くなった場合

農業者老齢年金を受給していた人が、もし、80歳前に亡くなった場合は、亡くなった月の翌月から80歳になる月までに受け取れるはずであった農業者老齢年金について、その現在価値に相当する額が死亡一時金として、亡くなった人と生計が同じであったその遺族(遺族の優先順位は配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の順)に支給されます。
 
農業者年金は以上のような特徴を持っていますが、農業に従事している人、これから従事する予定の人で、将来に備えたい人は農業者年金を1つの選択肢として検討してみるのも良いでしょう。
 
執筆者:井内義典(いのうち よしのり)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー
 

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