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【住宅ローンの金利】借入金3000万・借入期間30年。2%の金利の違いが返済額をどれだけ変えるのか

ファイナンシャルフィールド / 2019年8月21日 9時0分

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住宅ローンを組む人にとって頭を悩ます選択のひとつに、借入金利のタイプをどうするか、というのがあるかと思います。借入金利のタイプは大まかに変動金利と固定金利に分けられます。   通常、変動金利は固定金利より利率が低いため、金利だけで選ぼうとすれば変動金利が有利に見えます。しかし、金利だけでは必ずしも有利とはいえない面もあります。最近の金利水準や状況を踏まえて、今ならどちらを選択するか考えてみたいと思います。  

金利のタイプ

最初に金利のタイプとその特徴をおさらいしたいと思います。金利のタイプは以下の3つのタイプに分けられます。
 
(1)変動金利型
借入期間中、半年ごとに金利が見直される。金利が半年ごとに変わっても返済額が急激に変化しないよう、返済額は5年ごとに見直しされる。さらにその変動幅は1.25倍までとされている。そのため、場合によっては急な金利上昇で返済額に占める利息の割合が増え、元金がなかなか減らないリスクがある。
 
(2)固定金利期間選択型
当初から一定期間の金利が固定されている。固定される期間は3年、5年、10年、20年などがある。通常、固定期間が短いものほど金利は低め。固定期間終了後は変金利か固定金利期間選択型を選ぶ。固定期間終了後の金利についても一定の優遇金利を設けているものが多い。
 
(3)全期間固定金利型
当初から最終返済までの金利が決定しているもの。全期間にわたり金利が一律なのが一般的だが、最初の10年と11年目以降で金利が異なる段階金利のものもある。
 
通常、金利は以下のように変動金利型がもっとも低く、全期間固定金利が高くなっています。
 
(1)変動金利型 < (2)固定金利期間選択型 < (3)全期間固定金利型
 

住宅ローン金利の推移

住宅金融支援機構の「民間金融機関の住宅ローン金利推移」によると、店頭金利において、変動金利は8%を超えている時期もありましたが、平成7年以降辺りからは総じて低い金利で推移しています。
 
それでも単純に過去からの金利を平均すると4%程度になります。平均で見れば今の金利から2%程度上昇しても不思議ではありません。2%の金利の違いを借入金3000万円、借入期間30年、全期間金利が同じ場合の総返済額で見てみます。
 

 
2%の違いでも借入金が多く借入期間が長い場合などは、その総返済額には大きな違いがでてくることが分かります。
 

店頭金利と優遇金利と適用金利

上述した店頭金利とは別に、住宅ローンの融資実行時に決まる金利は適用金利と呼ばれます。適用金利は店頭金利から優遇金利を引いた金利で、式にすると以下の通りです。
 
店頭金利 - 優遇金利 = 適用金利
 
つまり、低い適用金利で住宅ローンの融資を受けるためには、店頭金利が低く、優遇金利が高いことが望まれます。
 
店頭金利は銀行窓口等で提示されている金利で比較できますが、優遇金利については人によって条件が異なるため、実際に借入審査を受けてみないと分かりません。いずれにせよ、金利を比較するには適用金利で比べる必要があります。
 
以下は最近の適用金利の一例です。
 

※各金融機関ホームページ情報から筆者作成
 
この表から見えることは、ネット系銀行は優遇金利が高く適用金利が低く抑えられていることです。店舗がないことなど運営コストが抑えられている分が、金利に反映されているようです。
 
また、店頭金利はここ20年近く低い金利のままで変わらず推移していますが、優遇金利については金融機関同士の競争から1%台だったものが2%台へその幅を広げてきたようです。
 
その結果、固定金利であっても適用金利が1%を切るようになってきたことにより、変動金利と固定金利の差が縮まってきています。
 

今なら固定金利の選択が正解?

これまで見てきたことから、変動金利か固定金利かを考えるにあたり、いくつかポイントをまとめてみます。
 
・今の金利は過去最低水準
・過去の金利推移から2%程度の金利変動(上昇)があっても不思議ではない
・数%の金利の違いが総返済額に大きな違いを生み出す
・変動金利と固定金利の金利差はわずかなものになってきている

 
低金利のときは固定金利の選択がセオリーと一般にいわれるように、上記ポイントからも今は固定金利を選択する方が望ましいように筆者は考えます。
 
特に変動金利と固定金利の適用金利の差がわずかなものになってきており、その差を将来の金利上昇に備える保険料と考えるのがその主な理由です。
 
しかし、住宅金融支援機構の「2018年度 民間住宅ローンの貸出動向調査結果」では2017年度の新規貸出のうち、変動金利型を選択した人は全体の63.9%もいるようです。金利が低いこともさることながら、金利が上がることは考えづらいと思う人もいる結果かもしれません。
 
また、これまで金利引き締めに向かっていた各国も、米国の米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が最近の景気情勢を踏まえ金融緩和の余地があることを示唆し始めたことから、再び金融緩和へ向かう可能性がでてきています。
 
そうなると金融緩和を継続している日本にとっても金利上昇はさらに考えにくくなるともいえ、住宅ローンの変動金利が上昇する可能性も当面ないのかもしれません。そうなると、固定金利より低い金利の変動金利を選択する方が総返済額を抑えるためにはよさそうです。
 
これまで述べてきたように、住宅ローンは借入金額が大きく返済期間も長いことから、少しの金利上昇でも影響が大きくなります。
 
金利が上昇しても繰り上げ返済などで対応できる資金に余力がある人などは変動金利型も選択肢になりうるかと思いますが、金利変動のリスクを十分に考えた上で、金利タイプを選択するようにしましょう。
 
出典
住宅金融支援機構「ずっと固定金利の安心【フラット35】」
住宅金融支援機構「2018年度 民間住宅ローンの貸出動向調査結果」
 
執筆者:小山英斗
CFP(日本FP協会認定会員)

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