女性の人生はフクザツ。自分に合った老後資金対策のコツとは?【後編・具体的な方法】

ファイナンシャルフィールド / 2019年9月20日 9時10分

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前回に引き続き、女性が老後資金を備える方法についてお伝えします。   将来、頼りになるのは公的年金ですが、平均寿命が長い女性の老後を支えるには、人によっては十分な額とは言えず、今後は受給年齢がさらに引き上げられたり受給額が減ったりといった可能性もゼロではありません。   そこで今回は、それぞれの立場で老後資金を増やす方法としておすすめの具体的なやり方や注意点について詳しくお伝えしたいと思います。  

もらえる年金額の違い

前回お伝えした公的年金の仕組みは、おおまかに言うと「第1号被保険者」が自営業者やフリーランス、(自身がほかの保険者になっていない)その配偶者になります。
 
「第2号被保険者」は厚生年金や共済年金に加入している会社員や公務員、そして「第3号被保険者」は「第2号被保険者」の配偶者で、専業主婦やパートなど自身の年収が130万円未満、大企業に勤めている場合は106万円未満の方です。
 
・会社員やその妻の場合
会社員、つまり「第2号被保険者」の方は、厚生年金の保険料として給与の18%程度を納めていることになります(保険料は労使折半のため、実際に払うのは9%)。
 
これはもちろん現在の家計への負担はあるものの、将来の年金として返ってくるものですし、その会社員などの配偶者も「第3号被保険者」である期間は保険料納付済み期間とされますので、将来、国民年金基礎年金を受給することができます。
 
・自営業者やフリーランス、その妻の場合
受給年齢になって受け取れる厚生年金支給額の平均は14万7051円で、国民年金支給額の平均が5万5615円です。
 
単純に計算すれば、会社員同士の夫婦の場合は月に30万円程度受け取れる年金が、「第1号被保険者」の自営業者やその妻の場合は国民年金のみの加入ですので、満額を納付していても2人で11万円程度しかもらえないことになります。
 
また、国民年金の満額を受け取るには40年間の納付が必要で、受給資格期間は10年になり、保険料納付済み月数が少ないと年金額はさらに少なくなってしまいます。
 
そこで自営業などの夫婦は、その分を自分たちで用意することを考える必要があるかもしれません。国民年金保険料相当分を差し引いたとしても、まずは世帯収入の15~16%くらいは老後のための資産形成に回すことを考えてみても良いのではないかと思います。
 
仮に月40万円くらい自身の収入がある自営業者だったとしても、15%だと月6万円になるため決して少額とは言えませんが、家計を工夫して捻出したいところです。
 
なお「第3号被保険者」についても、もし夫が亡くなった場合、妻は遺族厚生年金を受け取れるようになるのですが、以降は「第1号被保険者」となるため受け取った遺族年金から保険料を納めなければなりません。
 
こちらも、いざというときのために自分でできる準備はできる限りしておくことが必要だと思います。
 

老後資金の準備におすすめの方法

具体的な資産形成の方法を考える場合、最近よく話題になる「個人型確定拠出年金(iDeCo)」や「つみたてNISA」が頭に浮かぶ、という方も多いのではないでしょうか? 女性が自分で老後資金を作る、という観点から考えてみたいと思います。
 
・「個人型確定拠出年金(iDeCo)」
通称「iDeCo(イデコ)」と呼ばれる「個人型確定拠出年金」は、自分で年金を作る制度の一つです。加入は任意で、自分で決めた掛け金を毎月支払い、将来まとまった金額を受け取ります。
 
以前は自営業者などに限られていましたが、制度が改正されて2017年1月からは公務員や専業主婦まで加入対象者が広がり、最近は加入者が急増しています。拠出金の最低額は月5000円で、1000円単位で上乗せできますが、自営業者、会社員や専業主婦など、立場によって上限額が変わります。
 
もちろん投資なので、まったくリスクがないわけではありませんが、掛け金を使って金融商品を購入した分が所得控除の対象になり、運用益も非課税になります。
 
自営業者・フリーランスであれば、上限額は月に6万8000円まで積み立てが可能で、節税策としてもとても有効ですし、この税制優遇は60歳まで受けられます。なお、60歳まで解約できませんので老後資金準備としては解約の誘惑を断つことができますが、老後に限らず使いたいという場合にはデメリットにもなる部分です。
 
また、誰でも加入できるようにはなりましたが、ある程度ご自身の収入のある人ならメリットは大きいものの、そうでない人にとってはデメリットが上回ってしまうかもしれません。
 
例えば、収入のない専業主婦がiDeCoに加入すると、所得税や住民税は軽減されないのに口座管理手数料が毎月かかり、損してしまうことが考えられるのです。夫が自営業者で、自分はほとんど専業主婦だが専従者給与などの収入がある、あるいは自分の収入を増やすことを考えている、といった場合にはおすすめです。
 
・つみたてNISA
会社員などの妻で専業主婦の方、つまり「第3号被保険者」には、どちらかと言うと「つみたてNISA」の方が向いているケースが多いと思います。株式や投資信託に投資する際は、分配金や配当金、売却益に通常は20.315%の税金がかかりますが、NISA口座で投資するとその税金が非課税になります。
 
「つみたてNISA」と一般の「NISA」との違いは、投資信託買付け時にかかる買付け手数料はすべて無料の投資信託で、保有期間中にかかる信託報酬も低いものが対象となっていることです。
 
また、一般のNISAの上限が年間120万円まで、非課税期間が5年間なのに対し、つみたてNISAは年間40万円が上限で、非課税期間は20年となっています。老後資金対策としては、40代くらいまでの方で毎月少しずつコツコツ貯めていきたい方に向いていると言えるでしょう。
 
ただし、上限額が少なく、一般のNISAとの併用はできませんので、まとまった資金がある、もっと老後資金を充実させたいという場合には、他の方法やNISA以外との併用をおすすめします。
 
・国民年金基金
国民年金基金とは、「第1号被保険者」のための国民年金の上乗せ制度のことです。掛け金の上限が月に6万8000円までで、その範囲で「給付のタイプ」や「加入口数」を選択し、加入時の年齢が若いほど掛け金は低く設定されています。
  
自分のライフプランに合わせて、給付のタイプを選択することができ、自由に年金額や受取期間を設計できることが特徴の一つです。
 
掛け金の全額が社会保険料控除の対象になり、所得税や住民税も軽減されます。さらに年金を受け取る時にも公的年金等控除が適用され、将来においても税制面のメリットがあるため、自営業者やフリーランスの方、あるいはその妻で「第1号被保険者」の方にはおすすめです。
 
先ほどの「個人型確定拠出年金(iDeCo)」と併用しても良いと思いますが、その場合はiDeCoの掛け金と合算した上での上限が6万8000円となりますので注意しましょう。
 
今回は、女性が自分で老後資金を準備するための具体的な方法について考えてみましたがいかがでしょうか?もちろん、夫婦であれば2人合わせて老後資金を考えることがまずは重要ですが、未来のことは誰にも分かりません。
 
今後、長寿化がさらに進めば、残された高齢女性が貧困に陥る傾向はますます顕著になるかもしれません。自分で老後のお金を準備する方法を知っておき、できるだけ早く行動することが、心穏やかに老後を迎えるために重要なことではないでしょうか。
 
参考:「平成29年 度厚生年金保険・国民年金事業の概況」
 
執筆者:藤丸史果
ファイナンシャルプランナー

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