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農地の相続において特に注意しておきたい、農地ならではの注意点とは?

ファイナンシャルフィールド / 2019年9月21日 10時50分

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農地は、国民に対する食料の安定供給の確保を図るという観点から、農地法という法律により、特殊な取り扱いがされている土地です。農地を相続する立場になったときに初めて農地の特殊性を知り、さまざまな手続きに手間取ってしまうということも多々あります。   今回は相続財産の中に農地がある場合、特に注意しておきたい4つのポイントを解説します。  

注意点1 農地の定義

農地法において農地とは「耕作の目的に供される土地」と定義されています。その際、耕作の目的に供される土地か否かはその土地の現況から判断されます。
 
例えば、登記簿の地目は畑・田とされている土地でも、現状が宅地であれば、それは農地法上の農地には該当しません。つまり、農地法による規制を受けることがないのです。逆に、登記簿の地目は宅地とされている土地でも、現況が田または畑であれば、それは農地法の農地として取り扱われます。
 

注意点2 農業委員会への届け出が必要

通常、相続により土地の所有権を得た場合、法務局にて相続を原因とする所有権の移転登記(一般的に言えば、名義の変更登記)をします。これに加えて農地の場合は法務局での相続登記に加え、農業委員会へ相続があったことの届け出が必要になります。
 
なお、農業委員会への届け出は相続について知ったときから10ヶ月以内に行わなければなりません。正当な理由なく届け出を怠ったり、虚偽の届け出をした場合は10万円以下の過料といった処分を受ける可能性があります。
 

注意点3 売却したり農地以外で利用するには許可が必要

農地は相続後に売却したり、農地以外の土地に転用するには農業委員会や都道府県知事などの許可を得なければなりません。
 
許可を得ないままでの売却や転用には、3年以下の懲役または300万円以下の罰金などといった罰則が設けられています。なお、農地を貸したり質入れしたりするなど、他人が使用するための権利を設定する場合も同様となります。
 

注意点4 農業委員会の調査がある

農業委員会は毎年1回、管轄区域内の農地の現況について調査しています。調査の結果、農地が次のような条件に該当すると判断された場合、指導の対象となります。
 
・1年以上耕作されておらず、今後も耕作される見込みもない
・周辺の農地と比較して、栽培方法が著しく劣っている

 
この遊休地に対する農業委員会の指導に従わない場合、都道府県知事の裁定により、他者の利用権が農地に設定されることもありえます。
 
また、農地の相続税について、農業相続人が農業を続けていくことを前提として納税猶予の特例処置を受けている場合、農業経営を廃止するなど一定の条件に当たるときは、猶予が取り消されてしまうおそれもあります。
 

農地は特別な取り扱いを受ける土地です

農地は法律上、通常の土地とは異なる取り扱いを受ける土地になります。これまで親の農業に携わってこなかったところ、突然、農地を相続により取得すると戸惑うこともあるでしょう。
 
「知らなかった」や「どうしていいかわからない」といった理由で対応しないことが許されるわけではありません。相続により農地の所有権を取得した際は必ず必要な手続きなどしておきましょう。
 

農地については専門家に相談を

農地についてお困りなのであれば、行政書士や農業委員会、へお早めに相談するようにしてください。専門家へ相談することで迅速で適切な対応をすることができます。
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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