2020年度にスタートする高等教育無償化。「第一種奨学金」を併用する場合、制限がかかるって本当?

ファイナンシャルフィールド / 2019年9月24日 9時50分

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2020年度から低所得世帯を対象に新しい「給付型奨学金」(日本学生支援機構)がスタートします。「給付型奨学金」を受給できる学生は同時に大学等の「授業料等減免」も受けることが可能です。   しかし、「給付型奨学金」「授業料等減免」だけでは、全ての学費や生活費を賄うことができません。この不足分を賄う方法として「貸与型奨学金」(日本学生支援機構)があります。誰でも、無利子の第一種奨学金の利用を考えるはずです。   意外に知られていませんが、新しい「給付型奨学金」では、第一種奨学金の併用を制限しています。不足分は第一種奨学金の併用を勧める間違ったアドバイスも散見します。制限の詳細を具体的に解説します。  

高等教育無償化の概要

高等教育無償化の中身は新しい「給付型奨学金」と「授業料等減免」です。新しい「給付型奨学金」の対象は、住民税非課税世帯およびそれに準ずる世帯です。年収の目安(4人家族)では378万円以下の世帯が対象になります。
 
収入基準を満たしていても、生徒と生計維持者2人の資産合計額が2000万円以上(生計維持者が1人の場合は1250万円以上)ある場合は対象外です。さらに、学力基準として、5段階評価で3.5以上、または、学修意欲のある生徒(高校が面談やレポートなどで確認)であることが条件です。
 
収入基準、資産基準、学力基準を満たすと、年額約35万円~91万円(住民税非課税世帯の場合)が支給されます(返還不要)。推薦枠(人数の上限)はありません。
 
住民税非課税世帯に準ずる世帯は、上記の3分の1または3分の2が支給されます。なお、進学後に毎月振り込まれますので、入学前に必要なお金は別途準備する必要があります。
 
新しい「給付型奨学金」の採用候補者は進学時に進学先の学校へ授業料等の減免を申請することで、授業料等の減免を受けることができます。減免の対象は、入学金と授業料です。施設設備費等は対象外です。
 
住民税非課税世帯の場合、国公立大学では入学金28万円・授業料54万円、私立大学では入学金26万円・授業料70万円が免除になります。自宅通学生・自宅外通学生、文系・理系などの違いはありません。
 
住民税非課税世帯に準ずる世帯は、新しい「給付額奨学金」同様、上記の3分の1または3分の2が減免されます。なお、新しい「給付型奨学金」も「授業料等減免」も、国等から確認を受けた大学等しか利用できません。すべての大学等が対象ではない点に留意しましょう。
 

不足分は、第一種奨学金の利用が制限される

新しい「給付型奨学金」も「授業料等減免」だけでは、学費や生活費に不足します。不足する場合は、返済義務のある「貸与型奨学金」(日本学生支援機構)を併用することになります。
 
「貸与型奨学金」には、無利子の第一種奨学金と有利子の第二種奨学金がありますが、新しい「給付型奨学金」では、無利子の第一種奨学金の利用が制限されていますので、注意しましょう。
 
第一種奨学金を併用する場合、利用可能額は次の算式によります。
 
利用可能額=無利子奨学金の貸与上限額 - (授業料の減免上限額+給付型奨学金の支給額)
※利用可能額が3万円以上の場合は、2万円の選択も可能です。
 
例えば、私大自宅生の無利子奨学金の貸与上限額(月額)は5万4000円になります。住民税非課税世帯の「授業料の減免上限額+給付型奨学金の支給額」は、月額9万6700円で、無利子奨学金の貸与上限額を超えますので、第一種奨学金との併用はできません。
 
一方、住民税非課税世帯に準じる世帯のうち3分の1が支給される世帯では、「授業料の減免上限額+給付型奨学金の支給額」は、月額3万2300円ですので、利用可能額は2万1700円となります。なお、併用が制限されるのは第一種奨学金であり、第二種奨学金の利用は制限されません。
 

 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー

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