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デジタル遺産とエンディングノートの活用

ファイナンシャルフィールド / 2019年10月7日 9時40分

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10月1日の消費税増税に合わせて、政府はキャッシュレス決済による5%還元を開始しました。増税に合わせてキャッシュレス決済の普及を図ろうとする狙いです。また、スマホやパソコンから商品を購入する場合でも、登録してあるクレジットカードからの引き落としによるキャッシュレス決済が増えてきました。   デジカメやスマホで撮った写真は、自分のパソコンで保存しているか、クラウド上のストレージに電子データとして保存している場合が多くなっています。   このようにわれわれのまわりのものが電子化されてくると、人が亡くなった場合、IDとパスワードを知らない遺族の人は、相続した遺産や遺品を把握することが非常に困難になってきています。  

インターネットの利用者(13歳から59歳)は9割を超えている

総務省が今年の5月31日に発表した「平成30年通信利用動向調査の結果」(※1)によると、インターネット利用状況(個人)では、13歳~59歳の年齢層で9割以上の人がインターネットを利用しています。また、70歳~79歳では51.0%、80歳以上でも21.5%の人がインターネットを利用しています。
 
インターネットの利用目的のうち、商品・サービスの購入・取引の利用は53.9%と半数を超えていますが、意外と少ない感じもします。
 
Amazonやヤフー!ショッピングなどのオンラインショッピングの需要は確実に増えてきており、スマホを使った電子決済(「XXペイ」といったもの)も急激に増えてきたことなどから、この利用者層は今後ますます増えるでしょう。
 

金融取引での電子化は一般的になってきている

大手の市中銀行や証券会社でもオンライン口座を開設して、パソコンやスマホから商品の決済や株の売買などを行う人が増えています。また、会社から振り込まれた給料は窓口で現金を引き出すのではなく、キャッシュカードを使ってATMからそのまま振り込み等を行うことが一般的になってきています。
 
さらに、リアルな店舗を持たないネット銀行やネット証券などがシェアを伸ばしています。その理由としては、パソコンやスマホからの取引による経費削減により、ネット銀行によっては条件付きで振込手数料を無料にし、ネット証券では株や投資信託などの売買手数料を他と比べて低くしていることなどが挙げられます。
 
一昔前では、銀行の預金通帳などから被相続人の金融資産の残高を知ることができましたが、現在では預金通帳自体がない場合が多くなっています。
 

FX(外国為替証拠金取引)や仮想通貨取引では特に注意を

ネット証券で株や投資信託などの売買を行っている人は、日々の残高がいくらになっているか本人しか分からないでしょう。
 
仮に亡くなった場合、遺族が知るのは年1回確定申告のために証券会社から送られてくる残高証明書を見てからです。相続があってから10ヶ月後までに相続税を払わなければならないので、間に合わないケースも多く出てくるでしょう。
 
上記のようなケースのほかに、FXなどの証拠金取引では、亡くなってから相場の暴落などにより遺族が多大な追加証拠金を払うケースや、仮想通貨取引では、国税庁から追加課徴金の請求が遺族に来ても、仮想通貨を現金化する方法が分からないなどのケースがあり、特に注意が必要です。
 

エンディングノートや遺言書の活用

これらのデジタル資産を、いざというときに遺族が知ることができるように、IDとパスワードをエンディングノートなどに記しておくことが重要です。
 
パソコンやスマホのログインIDやパスワードだけでなく、銀行や証券会社ごとにIDとパスワードを記しておきます。セキュリティーが心配な人は、それらを管理する専用ソフトを使う方法もありますが、遺言書を作成してそこに記しておくことをお勧めします。
 
また、写真は遺族に見せたくないものがあれば、あらかじめ別に保管するなどして整理しておくとよいでしょう。
 

おわりに

自分が死亡することを予期して行動する人は少ないでしょう。しかし、これだけデジタル資産が増えてくると、いざというときのために備えておくことが重要になってきます。遺族が困らないためにも、IDとパスワードは適切に保管し、遺族には分かるようにしておきましょう。
 
出典 (※1)総務省「平成30年通信利用動向調査の結果」
 
 
※2019/10/09 タイトル一部変更させていただきました。
 
執筆者:村川賢
一級ファイナンシャル・プラニング技能士、CFP、相続診断士、証券外務員(2種)

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