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死亡保険は本当に必要?まずは遺族年金としてもらえるお金を確認してみよう

ファイナンシャルフィールド / 2019年10月29日 10時15分

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日本では生命保険の世帯加入率が90%近くあります。ほとんどの人が何らかの保険に加入することが当たり前になっていますが、そもそも本当に必要なものでしょうか? 生命保険の中でも死亡保険に焦点を当て、具体的な数字からその必要性を探ってみましょう。

ほとんどの人は死亡保険を使わない可能性が高い

死亡保険は、主に30代や40代の結婚・子育て世帯にニーズの高い生命保険といえます。特に子どもがいる場合は世帯主が亡くなると家計への影響も大きいため、万一のときを考えて死亡保険に加入する家庭が多いからです。
 
では、もしものときに死亡保険を実際に使う確率はどの程度あるのでしょうか? 厚生労働省の資料から作成した生存率の表をご覧ください。
 
<生命表上の特定年齢まで生存する者の割合>

(厚生労働省の『平成30年簡易生命表』より筆者作成)
 
主に死亡保険が必要になるのは子どもが独立するまでの期間、もしくは子どもの独立後に配偶者が公的年金を受給するまでの期間と考えるのが一般的です。
 
年齢が同じ夫婦で考えた場合、年金をもらい始める65歳時点で2人とも生存している確率は、死亡よりもはるかに高いです。
 
死亡保険のニーズが高まるのは一般的に30〜50代ですが、その時点での亡くなる確率は最も低く、ほとんどの人が死亡保険金を受け取らずに過ごすでしょう。
 
しかも、生存率は年々上昇しており、今後はますます死亡保険の活躍の場は少なくなりそうです。

遺族年金が充実しており死亡保険の必要性はそこまで高くない

死亡保険を使う確率が少ないといっても、万一のことがあると心配ですので公的保障について確認しておきましょう。
 
死亡保険に加入する主な目的は配偶者や子どもといった遺族の生活保障ですが、もしものときには国から遺族年金が支給されます。
 
遺族年金には遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類があり、死亡した世帯主が会社員なら両方の遺族年金を支給される可能性があります。
 
ざっくりと説明すると、遺族基礎年金は18歳以下の子どものいる配偶者が対象で、遺族厚生年金は子どもの有無は関係ありません。
 
支給額については夫が世帯主である場合、夫の死亡を想定し、下記に概算を簡単にまとめましたので参考にしてみてください。
 
<遺族年金の概算月額>
※夫の厚生年金加入期間は25年(300月)として計算
※遺族厚生年金は亡くなった方(この場合は夫)の老齢厚生年金額の4分の3を使用
 

(日本年金機構、日本FP協会のホームページより筆者作成)
 
遺族厚生年金は夫の被保険者期間や収入によって支給額が変わります。支給対象の子どものいない妻は遺族厚生金額が少なくなっていますが、条件を満たせば40〜64歳の期間は「中高齢の加算」といわれる年額およそ58万円が支給されることもあります。
 
このように遺族年金は比較的充実しています。残された配偶者は何らかの仕事に就く可能性もあり、死亡保険の必要性が高いとはいえないかもしれません。

死亡保険が自分の家庭で本当に必要かを考える

保障が必要な時期に死亡保険を実際に使う可能性が低いことや遺族年金が充実していることからも、死亡保険に必ずしも入らなければいけないわけではありません。
 
合理的に考えるなら、保険料として支払うお金を毎月積み立てていくほうが老後資金などのための貯蓄にもなりますし、利用する機会も範囲も広くなるでしょう。
 
とはいえ死亡保険に加入すれば「安心」を買え、保障が厚くなるのは確かです。ですが、その保険金を受け取ること自体は少ないため、加入ありきで考えるのではなく、自分の家庭で本当に死亡保険が必要かどうかから考えると良いのではないでしょうか。
 
家庭にもよりますが、加入するとしても保険金額を抑えた契約で十分なこともありますので、よく検討することをおすすめします。
 
また、企業等によっては社員のために弔慰金を積み立てているところもありますので、会社の制度や福利厚生をチェックするようにしましょう。
 
<出典>
公益財団法人 生命保険文化センター「平成30年度「生命保険に関する全国実態調査」」
公益財団法人 生命保険文化センター「死亡・医療・老後・介護の中で最も重視するのは?」
厚生労働省「平成30年簡易生命表の概況」
日本年金機構「年金のことを調べる」
日本FP協会「くらしとお金のワークブック 〜FPと考える生活設計〜 (PART4・PART7)」
 
執筆者:國村功志
CFP(R)、証券外務員一種

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