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介護に尽くした長男の妻も救われる。新相続法で相続人以外でも相続可能に!

ファイナンシャルフィールド / 2019年11月12日 9時30分

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相続法は、1980年(昭和55年)に改正されて以来、大きな見直しがされていませんでしたが、2018年(平成30)7月に関連する法律が改正され、成立しました。   ちなみに相続法とは、人が死亡した場合にその人(被相続人)の財産がどのように継承されるのか、といったことに関する基本的なルールであり、民法に定められています。   このたびの大きな改正には、日本の平均寿命が延び、社会の高齢化が進展するなどの社会経済の変化が生じており、そのような変化に対応するためといった背景があります。   今回は、改正により療養や介護を通じて貢献した親族でも相続財産の配分が可能になったことなどについて、詳しく見ていきましょう。

改正内容

(1)
施行日 : 2019年7月1日
本法律は、上記施行日以後に開始する相続について適用されるもので、それ以前にさかのぼって適用することはできません。
 
(2)
【改正前】
相続人以外の者は、被相続人の介護に尽くしても、相続財産を取得できませんでした。
 
【改正後】
相続開始後、被相続人の介護に尽くした親族は、相続人に対して、金銭の請求ができるようになりました。
 
これまではどんなに介護などの世話を一生懸命にやって、自分の時間を犠牲にしてきたとしても、相続人でなければ、金銭を享受することができなかったものが、介護等の貢献に報いることができ、実質的公平が図られるようになりました。
 
(3)具体例
被相続人の長男の妻が、被相続人の介護を行っていたが、長男が亡くなったあとに、被相続人が亡くなって、相続人として長女と次男がいた場合。
 
この場合、従来は長男の妻は相続人でないため、どんなに被相続人の介護に尽くしたとしても、被相続人が亡くなったあと、相続財産の分配にあずかることができませんでした。
 
また、長女と次男が、たとえ介護をまったく行わなかったとしても、相続財産を取得することができたという不公平なことが法律上では認められていました。
 
今回の法律の改正により、長男の妻は、相続人(長女・次男)に対して、介護という寄与に応じた金銭(「特別寄与料」といいます)の請求ができるようになりました。

特別寄与料を請求できる人とは?

上記の例のように、長男の妻以外でも、法律では「被相続人の相続人ではない親族」としています。
 
親族とは、6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族をいいます。具体的には、子の妻、孫の妻、ひ孫の妻などが該当します。

特別寄与料の請求に際しての留意点

(1)請求に際しては、介護の日誌や介護を行う際に発生した費用のレシートや領収書等が必要です。
 
(2)相続開始後に相続人らに対し支払い請求を行いますが、当事者間で協議がまとまらなかったり、協議をすることができなかったりする場合には、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求できます。
 
家庭裁判所では、寄与の時期や方法、程度および相続財産の額など他一切の事情を考慮して、金額を決めることになります。
 
(3)請求は、相続開始および相続人を知ったときから6ヶ月以内、または、相続開始から1年以内に行う必要があります。
 
(4)請求者は相続人ではないため、遺産分割協議に参加できません。

まとめ

今までは、貴重な時間を介護に費やしたとしても介護した方が亡くなった後の相続では、相続人でないと相続財産の分配を受けることができませんでした。
 
今回の改正により、その介護に寄与した分について金銭を請求することが法律上認められ、公平な相続ができるようになりました。該当する方は、上記の留意点に気を付けながらきちんと請求をしましょう。
 
なお、税務署や税理士会などが行っている無料相談もありますので、困ったときは相談するのが良いでしょう。
 
(出典)
法務省「相続に関するルールが大きく変わります」
法務省「相続税法の改正」(P.505〜507)
 
執筆者:堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー

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