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共働き夫婦の疑問! 確定申告をするなら、どっちの名義がお得?(2)

ファイナンシャルフィールド / 2019年11月18日 23時15分

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前回は還付税額が課税所得によって異なることを説明しました。今回はそれをベースに実際に還付請求を行う上で知っておかねばならないことを説明したいと思います。  

確定申告による節税メリットは所得税だけではない

確定申告で節税メリットを受けられるのは所得税だけではありません。住民税にも節税メリットがあります。
 
現象的にいうと所得税については納めた税金が還付されますが、住民税は確定申告が終了した後に課税される後払いの税金なので、支払わなければいけなかったはずの税金を、確定申告をしたことにより支払わなくて済む=「減額」されるという形で現れます。
 
還付される所得税に対し、とても把握しにくい形で現れる節税メリットなので目立ちませんが、実はこれも確定申告を行うメリットなのです。
 
それでは、住民税の節税メリットはどのくらいになるのでしょうか?前回の説明のサンプルで取り上げた20万円の医療費控除(※)を申請した場合の住民税の節税メリットは次の通りになります。
 
20万円×10%=2万円
 
※「医療費控除」は実際に支払った医療費の金額そのものではありません。「医療費の額」-「保険金などで補填される金額」-「10万円」=「医療費控除」の金額となります。(ただし、その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%の金額)
 
住民税(所得割)は課税所得に関わらず、一律10%と決められています(住民税には調整控除や均等割もありますが、所得割に比べると金額的にはわずかなのでここでは無視します)。
 
それゆえ、夫が申請しても妻が申請しても、どちらでも2万円の節税メリットが受けられることになります。上記を踏まえ、医療費控除20万円の確定申告をした場合の節税メリット合計は次のようになります。
 
年収850万円の夫名義で申告した場合
所得税 4万円
住民税 2万円
計   6万円
 
年収600万円の妻名義で申告した場合
所得税 2万円
住民税 2万円
計   4万円
 

生命保険料控除の場合は?

医療費控除ではなく生命保険料控除や地震保険料控除を申請する場合の注意点は何でしょうか?この場合は、基本的に収入の多い人を契約者にして、かつ、保険料負担者にしておけば、より大きな還付が受けられるということになります。
 
また生命保険料控除であれば、いくつもの生命保険に入り限度額以上に保険料を負担している場合、夫と妻それぞれで保険料負担を分担して限度額を超えない調整をすれば、還付税額を最大化することが可能です。
 

税額控除の場合

その1で確定申告の対象の例として挙げた項目のうち「ふるさと納税」と「住宅ローン控除」は所得控除の対象ではなく、税額控除の対象です。
 
そのため、両者の場合は申請者の所得の多寡によって所得税率が異なり還付税額が違ってくるという現象は起きません。それぞれ、引かれるに足りるだけの税金を納めている人が申請すればよいのです。
 
また住宅ローン控除について次の点を補足します。住宅ローン控除は住宅ローンの契約者に対して適用されるものなので、契約者が夫であるか妻であるかによって確定申告の申告者も一義的に決まってきます。
 
また夫婦共有名義の家にそれぞれの名義の住宅ローンを付けている場合は夫名義の住宅ローンの控除の申請者は夫、妻名義の住宅ローンの控除の申請者は妻というように決まるので、申請者を選ぶことはできないことを申し添えます。
 

まとめ

これで還付税額計算の仕組みの概要を説明できたと思います。上記ポイントに気を付けて、どちらの名義で還付請求をするかを考えていただければと思います。
 
出典 国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」
 
執筆者:浦上登
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー

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