起業家にとってはまさに天使?彼らに資金提供する「エンジェル投資家」って何者?
ファイナンシャルフィールド / 2019年11月27日 2時50分
スタートアップで起業する方が増えています。しかし、シード期(準備段階)に金融機関から支援を受けるのはハードルが高いもの。 友人と出資し起業するのも、いろいろ問題がありそうだから不安。今、革新的な企業に注目し支援をしたい個人投資家が増えているそうです。多様化の時代、新しい起業スタイルが注目されています。
クラウドファンディングブームの裏に
「クラウドファンディング」ブーム、最近はみる機会は少し減ったかな?と思います。
クラウドファンディングとは「Crowd/群集」と「Funding/資金調達」を組み合わせた造語で、インターネット上で自分の夢や活動を報告し「共感」してくれた人から活動支援の資金を募るものです。
アラフィフの筆者には、なかなか共感しがたいものがありました。
そこで、ある若いクリエーターにインタビューしたところ「例えば、友人がカフェをやりたいという夢があって、そこに1000円投資をしてもし成功したら、その友人自身もハッピーだし、自分も友人が成功すれば返ってくるものがあるから」という答えが。
友人の幸せに協力をする優しさと、見返りを求める気持ちが共存している!なんて器用な感覚なのかと驚きました。
アラフィフ世代でもクラウドファンディングをしている人がいます。しかし、人によっては意外と評判が悪いこともあるのです。
「なぜあの人のよくわからない活動にお金を支払わなくてはいけないの?」と、そんなことを聞く機会があったからです。
実際に前述の若いクリエーターに「あなたはやらないの?」とたずねたところ、「面倒くさいから」とのこと。
その理由は、クラウドファンディングでは通常、投資金額により何かしらの「お礼」を送付するのですが、投資してくださった方々全員にそのお返しをするのが面倒だというのです。
新しい資金の調達法は『エンジェル投資家』
クラウドファンディングに代わり、今注目されている資金調達方法があります。それは『エンジェル投資家』。なんとも可愛らしいネーミングですが、いったいこのエンジェル投資家とは何者なのでしょうか?
エンジェル投資家とは、創業間もない企業や起業したい若者に対して、資金を提供する裕福な個人のことのようです。ヨーロッパでは、「ビジネスエンジェル」と呼ばれているとか。
成長した自社株を大規模に売却し、巨額の資金を得た富裕層の人が、老後の道楽として、若者への資金提供をすることを目的としている人もいるようです。そして、将来的には見返りとして、投資先より株式や転換社債を受け取るそうで、リターンも見込んでいます。
しかし「10人に投資して、1人成功すればいいや」くらいの気持ちの余裕があるエンジェル投資家が多いとか。あまりにも太っ腹で、驚きました。正にエンジェル。
また、金融機関からの融資と違い、返済義務は生じません。しかしトラブルは回避したいものです。融資していただく際は、信頼できる人に相談をし、前に進んだほうが良さそうです。
エンジェル投資家の探し方
エンジェル投資家に出会える可能性がある身近なものは「マッチングサイト」。料金は月額無料〜1万円ほどで、投資家からメッセージを受け取れるものから、起業家から投資家へアプローチできるものまでいろいろあるようです。
また、税理士の横のつながりから投資家の情報を得て、紹介をもらう方法もあるとか。
まだまだ日本には『エンジェル投資家』の絶対数は少ないものの、一部の富裕層の中には「若い才能に投資する」ことや「投資した企業が成長する楽しみ」を生きがいとしている人もいるようです。
エンジェル投資家と起業家、それぞれが求める人物像
実際に投資してもらう起業家は、どのような人が選ばれるのでしょう。やはり「才能」や「将来性」「革新的な事業」に投資家は期待しています。
投資家に選んでもらうために、自分の強みを知り、PRがしっかりできる人が選ばれやすいとか。先の事業展開の発想も重要な要素。
一方で、起業家がマッチングしたい投資家は、二手に分かれています。
●アイデア・センスに細かい口を出さない人
●経営に関してアドバイスをしてくれる人
“お金は出しても口は出さないで派”と“世話をしてくださいね派”に分かれるようです。お互いが納得したら素晴らしいシステムでしょうね。
「自分は才能やアイデアに自信があるが資金がない」という人たちは、エンジェル投資家へPRをし、挑戦してみるというのもあり。人生100年時代、積極的に働きかけたいですね。
執筆者:寺門美和子
ファイナンシャルプランナー、相続診断士
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