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自分に合った保険の選び方とは 第2回 〜保険ってどんなものがあるの?加入から給付金を受け取るまで〜

ファイナンシャルフィールド / 2020年1月3日 9時10分

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「保険のことが気になるものの、どうしたら良いのか分からない」という声を聞きます。アクサダイレクト生命の谷口夏美さんからアドバイスをいただきながら、なるべくシンプルに、基本から考えるシリーズの2回目です。   今回は保険の種類や仕組みについて考えます。  

保険ってどんなものがあるの?

保険ショップに行くと、ラックにはたくさんのパンフレットが並んでいます。どのようなものがあるのか、主な種類を整理してみます。
 
【万一(死亡)に備える保険】
亡くなった場合に、遺族に財産を残すための保険
<定期保険>
一定期間内に死亡した時に、保険金を受け取れます
 
<収入保障保険>
一定期間内に死亡した時に、保険期間の満了まで年金を受け取れます
 
<養老保険>
一定期間内に死亡した時に、死亡保険金を受け取れます
満期時に生存している場合、満期保険金を受け取ります
 
<終身保険>
一生涯保障され、死亡保険金を受け取れます
 
【病気やけがに備える保険】
<医療保険>
けがや病気により入院、手術等が必要になった場合に備える保険
 
<がん保険>
がんに特化した保険で、がんによる入院、手術等を保障するほか、がんと診断されたら一時金を受け取れる保険
 
<就業不能保障保険>
就業不能の状態が所定の期間続いた場合、毎月給付金を受け取る保険
 
【介護に備える保険】
<介護保険>
一定の介護状態になった場合に備える保険
 
【老後に備える保険】
<個人年金保険>
老後の生活資金に備える保険
 
【子どものために備える保険】
<学資保険>
子どもの入学や進学の費用に備える保険
 
保険の契約には「契約者」「被保険者」「受取人」が登場します。「契約者」は、その契約をした人(お金を払った人)。「被保険者」は契約の対象者で、死亡保険では被保険者が亡くなったら、保険金が支払われます。「受取人」は保険金などを受け取る人です。
 
パンフレットを見ていると、同じ商品でも性別や年齢によって保険料は違います。また同じ種類の保険商品でも、保険会社によって保険料は違います。
では、保険料はどうやって決まるのでしょうか。アクサダイレクト生命の谷口さんに教えていただきました。
 
生命保険会社の収支においては、集めた保険料(収入)と支払った保険金等(支出)が等しくなることが基本です。これを「収支相等の原則」といい、予定死亡率、予定利率、予定事業費率等を用い、方程式を立てて保険料を計算します。
 
予定死亡率:契約の期間中に亡くなる人はどのくらいか
予定利率:資産運用をして得られる利益はどのくらいか
予定事業費率:生命保険会社の経費はどのくらいか
 
例えば、予定死亡率は性別や年齢によって違います。それぞれに応じた保険料となることによって、保険料の負担が公平になっていることが分かります。保険会社による保険料の違いは、主に予定事業費率の差によるところが大きいということです。
 
ここであらためて、預貯金と保険の違いを見てみます。
 
預貯金:少しずつ貯めていく。お金はいつでも自由に引き出せるが、「もしも」の場合に十分なお金が確保できているとは限らない。
保険:「もしも」のことがあった場合には、あらかじめ決まったお金が受け取れる。ただし預貯金のように自由にお金を引き出したりはできない。
 
預貯金は三角、保険は四角といわれています。下の図を見てください。
 

出典:生命保険協会ホームページ「生命保険の基礎知識 STEP.4 預貯金は△、保険は□って?」
 
例えば、自分が亡くなった時に家族に500万円を残したいと思っています。スタートから1ヶ月後に亡くなった場合、預貯金では開始から間もないので少額しか残せません。保険なら加入の1ヶ月後であっても保険金額を500万円に設定しておけば残せます。
 
死亡保険金額は、自分が亡くなった時、困るのは誰か? その人が生活していくのにいくら必要なのか? を試算して決めます。やはり子どもの誕生を機に死亡保険に加入を検討することは、大切だと思います。
 

入院時、実際にかかる費用

シリーズの第1回目に「保険とは、経済的な損失が大きくて貯蓄では賄えない部分に備えるもの」という話がありました。各種公的保障と貯蓄で不足する分を保険で賄うのですが、医療保険に関しては、高額療養費制度を知っておく必要があります。
 
厚生労働省のホームページによると、高額療養費制度とは以下のとおりです。
 
『医療費の家計負担が重くならないよう、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が1カ月(歴月:1日から末日まで)で上限額を超えた場合、その超えた額を支給する「高額療養費制度」があります。上限額は、年齢や所得に応じて定められており、いくつかの条件を満たすことにより、負担をさらに軽減するしくみも設けられています』
 
例えば、年収500万円の人(69歳以下)が、今月の医療費が100万円かかったとします。3割負担だと窓口での支払いは30万円です。
 
高額療養費制度を使えば、この条件の自己負担の上限額は
 
8万100+(医療費-26万7000円)×1% で計算できます。
8万100+(100万円-26万7000円)×1%=8万7430円 です。
30万円-8万7430円=21万2570円は、高額療養費として支給されますので、負担は随分少なくなります。
 
詳細は厚生労働省のホームページ(※1)を参照ください。
 
入院するとなると、治療費以外の費用も掛かります。
 
生命保険文化センター 令和元年度「生活保障に関する調査」によると、入院時の1日当たりの自己負担費用の平均は2万3300円だそうです。これは高額療養費制度を利用した場合は利用後の金額で算出しています。治療費・食事代・差額ベッド代に加え、交通費(見舞いに来る家族の交通費も含む)や衣類、日用品費などを含みます。
 

入院することになった! 給付金を受け取るには

保険のパンフレットを見ていると、「保険金」と「給付金」が登場します。両者の違いを確認します。
 
保険金:死亡時や満期時に支払われることにより、契約は終了します。
給付金:保険会社から保険金や給付金が支払われた後も契約は継続します。 給付金には他にも「疾病入院給付金」「災害入院給付金」「手術給付金」「障害給付金」などがあります。
 
実際に、入院や手術をした際に給付金を受け取る時の流れを見てみます。
どのタイミング(診断時?入院時?退院後?)で保険会社に連絡したら良いのか、また給付金を受け取るために必要な書類はどうすれば良いのか気になると思います。
 
アクサダイレクト生命の谷口さんに、請求のタイミングと必要書類について伺いました。
 
・ご契約者の方の状況にもよるが一般的には、退院後に請求するのが請求手続きも一度で済むので手間がかからない。
 
・入院が長期間におよんでいる場合は、複数回請求する手間はかかるものの、入院中でも請求いただくことは可能
 
<請求時に必要な書類>(アクサダイレクト生命の場合)
(1)給付金請求書
(2)入院・手術等証明書(診断書)
※ただし、一定の条件を満たせば「簡易請求」取扱が可能で、その場合は上記(2)の代わりに
(3)「入院・手術状況報告書」「領収証」「診療明細書」の提出で代替可
 
必要書類は保険会社によって取り扱いが異なる場合がありますので、確認が必要です。入院や手術が決まったら、保険会社に連絡して必要書類を取り寄せておくとスムーズです。医師に診断書を作成してもらう場合は、費用と日数がかかります。診断一時金と手術給付金は、まとめて請求することも多いようです。
 
「がんと診断されたら以降の保険料は免除します」といった「特定疾病保険料払込免除」の契約をしている場合は、早期に手続きをすることをお勧めします。
 
給付金の請求をすると、保険会社は請求書類と約款の内容に基づいて支払事由に該当するかを判断します。どのくらいの日数で支払われるのかを引き続き教えていただきました。
 
「当社の場合、2018年度平均は2.12日間。書類受理日~着金日を営業日でカウントしています(例:書類が到着した当日にお支払いを決定し、翌日に振り込みした場合は2日となります。なお、不備があった案件および事実確認を行った案件は含めておりません。また、上記平均日数でのお支払いを保証するものではありません)。」
 
一般的には1週間程度が目安と聞いたことがありますので、上記の例はかなり短期間だと思いました。
各保険会社は、ホームページを充実させているところが多いです。入院した時、治療に専念することが第一です。給付金の請求などが簡単にできれば、手続きの煩わしさから解放されます。会社や商品を選ぶ時、「請求のしやすさ」という点も重要でしょう。
 
(※1)
厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」
図解つきの詳説
(出典):生命保険協会ホームページ「生命保険の基礎知識 STEP.4 預貯金は△、保険は□って?」
 
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

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