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法廷相続情報証明制度ってどのようなケースで使えば良い?

ファイナンシャルフィールド / 2020年1月8日 8時30分

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相続が起こったとき、故人の口座はどうされますか? 名義変更を考えていたが面倒となり、「いっそ夫名義になっている銀行の口座を解約したい」と、銀行の口座を解約しようとする方は多いものです。   多くの銀行で口座解約時に必要となるのは、亡くなった方と相続人全員分の戸籍です。   当然、相続人が多いと戸籍の量が増え、場合によっては、持ち歩くには不便なほどの量となることも考えられます。実際に、多くの戸籍を抱えて銀行に行き、手続きに時間を要した方も多いのではないでしょうか?   そのような場合に利用できる制度が【法定相続情報証明制度】です。今回は、その「法定相続情報証明制度」をご紹介しましょう。  

どのようなケースで使えば良い?

これは、平成29年5月に始まった制度で、登記所(法務局)に戸除籍謄本等の束と、「法定相続情報一覧図」といわれる相続関係を一覧した図を提出します。そうすると、提出した「法定相続情報一覧図」のコピーに認証紋が押された書類が交付されます。
 
この認証紋付の書類が、各種相続手続きに使用できるという制度です。一度に何通でも交付でき、手数料は無料です。
 
法定相続情報証明制度は、
・戸籍の束を持ち歩く必要がない
・必要な数だけ交付されるので、使い捨てにできる
・手数料がかからない

といったメリットがあります。その反面、
・交付まで1週間程度かかる
といったデメリットがあります。
 
よって、そもそも銀行の口座が1つしかない場合や、相続人が1、2名で戸籍を持ち歩くことが苦ではないようなケースでは、わざわざ利用する必要はなく、この制度を利用することで、余計に時間がかかってしまうかもしれません。
 
ただ、相続人が多い場合は、この制度を利用することで、戸籍の束をスッキリとまとめることができます。そうすることで、戸籍の束を持ち歩き、紛失するというリスクを軽減できます。
 
利用はケース・バイ・ケースですが、いざというときは利用を考えてみたい制度といえるでしょう。
 
また、戸籍は相続人ごとに1部用意される方が多いと思われます。そのため、口座解約などの手続きを行う際には、ほかの手続きでも戸籍を使うことを考え、戸籍を返却してもらう必要があります。
 
もし、手続きに数日かかるような場合で、その間、戸籍を預けたままとなってしまったら、他の手続きができなくなってしまいます。その場でコピーを取り、戸籍は返却してくれるケースもありますが、コピーに時間を要します。
 

どこで交付されるの?

法務局です。以下の地を管轄する登記所のいずれかを選択することが可能です。
 
(1)被相続人の本籍地(死亡時の本籍を指します)
(2)被相続人の最後の住所地
(3)申出人の住所地
(4)被相続人名義の不動産の所在地

 
同居された方が亡くなった場合は、(1)か(2)を使うのが良いでしょう。遠方の親が亡くなった場合などは、(3)が使いやすいです。
 

何が必要なの?

必要となる書類は下表のとおりです。
 

 
表左側の、必ず必要な書類に書かれている(1)亡くなられた方の戸籍謄本と(3)相続人の戸籍抄本は、相続が発生した際に集められる方も多いでしょう。その際に、(2)亡くなられた方の住民票の除票をとっておくと、この制度を利用する際に、手続きがスムーズに進みます。取得先は住民票と同じです。
 

法定相続情報一覧図の書き方は?

この制度を利用する際に、一番時間を使うのが一覧図の作成です。おおむね、被相続人と相続人だけの“家系図”のような図を作ることになります。
 
法務局のホームページから、エクセル形式のテンプレートファイルがダウンロードできるので、それを編集して作成することも可能です。もし、パソコンを使い慣れていなくても、必要事項が明記されていれば手書きで構いません。
 
夫が亡くなり、妻と3人の子どもが相続する際の一覧図を例として挙げておきましょう。
 

 
この制度を使えば、その後の相続手続は,交付された認証紋付の相続情報一覧図が戸籍の束の代わりとなるため、戸除籍謄本等の束を持ち歩く必要がなくなります。相続人が多い方や、手続き先が多くなりそうな方はぜひこの制度の利用を考えるべきでしょう。
 
執筆者:長崎元
行政書士/特定行政書士
長崎元行政書士事務所 代表

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