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住宅ローンの団体生命保険(団信)って何? 主な団信について解説

ファイナンシャルフィールド / 2020年1月15日 10時0分

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住宅を購入する際、現金で購入する人は少ないでしょう。大半の方が「住宅ローン」を利用すると思います。この「住宅ローン」を利用する条件として、団体信用生命保険(団信)への加入を義務付けている金融機関がほとんどです。   今回はこの団体信用生命保険(団信)の詳細について解説します。  

団体信用生命保険(団信)とは?

団体信用生命保険(以下、団信)とは、住宅ローンの返済中にローンの契約者に万が一のことがあった場合、保険金によりローンの残債が返済されるという補償制度です。住宅ローンを利用する場合には、あってはならないことですが、万が一の事態も考えなければなりません。
 
死亡の場合はもちろん、病気で収入が減少するなどの場合は、一般の生命保険に加入していても、保険金や給付金を残った家族の生活費にまわさざるを得ず、返済に充当する資金を確保することが難しい場合、結果として購入した家に住み続けることが難しくなるケースが多いでしょう。
 
ですが、団信に加入していれば、万が一のときに、生命保険会社から支払われる保険金によって住宅ローンの残債が返済されますので、残されたご家族に返済義務が残ることなく、購入した家に安心して住み続けることができるという仕組みです。
 

主な団体信用生命保険(団信)の概要

団信にもいくつかの種類があり、それぞれに特徴が分かれています。以下に主な団信およびその概要と、一部の住宅ローン商品について説明します。

1.機構団信

住宅金融支援機構が取り扱っている団信で、機構が提供する住宅ローン「フラット35」の加入者に用意されています。加入は任意ですが、保障範囲は満80歳の誕生日の末日までとなっています。

2.保証協会団信

全国信用保証協会連合が用意している団信で、「信用保証協会団体信用生命保険」といわれるものです。加入は任意で、対象者は満20歳以上、満71歳未満の個人事業主、中小企業となっています。

3.ろうきん団信

中央労働金庫が用意している団信で、正式名称は「中央労働金庫団体信用生命保険」です。中央労働金庫で住宅ローンを組む人を対象としており、原則加入とされています。

4.一般の金融機関の団信

一般の金融機関が、自行の住宅ローンを利用する際に原則加入することになっていますが、中には任意というところもあります。保障内容については、同じ金融機関でも複数のプランが用意されています。複数の金融機関にて比較検討し、自身の望む保障が最小限の負担で得られるものを選ぶようにしましょう。
 
団信の保険料はプランによって変わるものの、保険料率は一定で、残債に掛かることになっています。したがって、負債額が減れば減るほど団信の保険料負担は小さくなっていくことが特徴です。
 
では、さらにいろいろな保障がついた団信を紹介します。
 
■がん50%保障団信、がん100%保障団信
じぶん銀行などが提供している団信です。がんと確定診断(検査の結果を踏まえ、最終的に医師が「がん」と判断する)された場合に住宅ローン残高の50%、もしくは100%(全額)が返済不要です。
 
■3大疾病保障付団体信用生命保険
ソニー銀行が提供しています。ここでいう3大疾病とは、いわゆる「がん・急性心筋梗塞・脳卒中」です。この商品は、がんと確定診断された場合に加え、脳卒中や心筋梗塞で手術を受けたり、所定の状態(60日の労働制限など)になったりすると住宅ローンの返済が免除されることが特徴です。
 
■新3大疾病付機構団信
住宅金融支援機構が提供する新しいサービスで、通常の団信に加え、「3大疾病保障」と「介護保障」がついているものです。がんは確定診断、心筋梗塞・脳卒中は手術や一定日数の労働制限など、介護状態の保障は要介護2以上、身体障害は1級・2級に該当した場合等に保険金が支払われる条件です。
 
■7大疾病保障付住宅ローン ビッグ&セブン(Plus)
三菱UFJ銀行が提供している商品で、上の3大疾病に加え、高血圧性疾患、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変の4つの生活習慣病をカバーする特約が付いています。
 
「高血圧・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変」にかかり、30日間の免責期間を超えて継続した場合、31日目以降の就業障害期間に対し1ヶ月につき毎月平均返済予定額を最長1年間支払われ、さらに1年超続けば支払いが全額免除(3大疾病保障充実タイプ)も用意されています。
 
■8大疾病による就業不能を保障するもの
楽天銀行とイオン銀行が提供している商品です。上の七7大疾病に「慢性膵炎」が加わっていることが特徴です。
 
■11疾病保障団信
じぶん銀行が取り扱っている、上の8大疾病に加え「大動脈瘤・大動脈解離・上皮内新生物・悪性黒色腫以外の皮膚がん」を対象とするもので、がんは診断された時に、そのほかの疾病については180日以上の継続入院が保険金支払いの条件です。
 
■団信革命
埼玉りそな銀行およびりそな銀行が提供している商品で、「死亡」「所定の高度障害」「三大疾病による所定の状態」「病気、けがによる16の特定状態」「所定の要介護状態」 に該当した場合、保険金が支払われるものです。
 
ここでいう3大疾病とは「がん」「心筋梗塞」「脳卒中」のことを指し、16の特定状態および所定の要介護状態については、病気やけがを問わず所定の身体障害状態になった場合と、不慮の事故による障害を直の原因とした所定の身体障害状態に分けられ、要介護状態については、病気・けがを問わず所定の要介護状態になった場合と規定されています。詳細は公式サイト(※1)を参照してください。
 
■全疾病保障奥さまワイド
静岡銀行が提供している団信サービスです。
 
8大疾病をカバー(借入から3ヶ月を経過した日の翌日以降にがんは確定診断、脳卒中・心筋梗塞は所定の状態の60日以上継続、高血圧性疾患・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎は就業不能状態12ヶ月超)するほか、8大疾病以外の病気やケガでも就業不能状態が1年超続けば住宅ローン残高がゼロになることからも、数ある団信の中でも最も保障が手厚い団信といえるでしょう。
 
また、
・上皮内がん・皮膚がんの診断で30万円
・がん先進医療保障1000万円(通算、1回の治療は500万円まで)
・妻が女性特有のがんと診断されたら100万円
・本人・家族が交通事故のけがで入院したら1日あたり2500円
という保障もついていますので、とても安心です。
 

まとめ

特約つき団信は、死亡保障のみならず特定の病気で働けなくなった場合にローン返済を代わりにしてくれる保障制度ですが、その特約の内容はしっかりと見極める必要があります。保障内容は、金融機関が用意している団信によってさまざまです。
 
重要なことは、住宅ローンを借りる際は、「死亡以外の大きな病気で働けなくなった場合のリスク」に備えておく必要があることです。死亡保障は通常の団信でカバーできますが、病気で働けなくなり、収入が減少するなどのケースを忘れてはいけません。
 
働けなくなった際の保障については、通常の生命保険でカバーしている人もいらっしゃると思いますが、その際は新しく加入する予定の団信の保障内容が現在の生命保険の内容に被っていないか、きちんと調べることをおすすめします。
 
住宅購入時に加入する団信を検討する際に、既存の生命保険の見直しを行い、保険料が安くなったというケースも見られます。団信の比較ポイントは「保証内容」と「保険料」です。
 
各金融機関が提供する団信の上乗せ保障の内容と、それに伴い上乗せされる金利をきちんと比較検討し、自分の納得する保険料で最大限の保障がついた商品を選ぶようにしましょう。
 
(※1)りそな銀行「特定状態保障特約付住宅ローン【団信革命】」
 
(参考)
住宅金融支援機構
静岡銀行「しずぎん 全疾病保障 奥さまワイド(住宅ローン)」
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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