コード決済に不安を感じる方が知っておくべき<セキュリティ対策の知識>とは?
ファイナンシャルフィールド / 2020年2月12日 10時0分
PayPayやLINE Payなど、QRコードやバーコードを利用した決済方法(以下「コード決済」とします)がキャンペーンなどの影響で盛り上がりをみせる一方、不安を感じて利用していないという人の数も少なくないようです。 しかし、各社では利用者の不安を解消するためのセキュリティ対策を実施しています。こうしたことを知らず、何となく不安を感じて利用しないというのでは少々もったいないかもしれません。そこで、今回はコード決済サービスのセキュリティ対策について紹介します。
コード決済に不安を感じている人は意外と多い
株式会社J.D. パワージャパンは2019年8月、20代から60代の男女400名を対象に「キャッシュレス決済に関する実態・意識調査」という調査を行っています。
この調査の「スマートフォン決済機能に対するイメージ」(※)という設問において、「不正利用される不安がある」を選んだ人の割合は50%、「個人情報漏洩の不安がある」を選んだ人の割合は42%です(アンケートは複数回答)。
この割合は「ポイント還元や割引クーポンでお得になる」(35%)、「現金を持ち歩くわずらわしさがない」(35%)といった、スマートフォン決済のメリットを上回る数字となっている点は注目に値すると言えるでしょう。
※この調査において「スマートフォン決済」とは、コード決済のほか電子マネー、Apple Payなどスマートフォンを利用した支払方法の総称です。
「7pay」の不正利用の原因は?
2019年7月にサービスが開始されたセブン&アイ・ホールディングスの「7pay」は、開始2日目にして不正利用の被害が報告され、わずか3ヶ月でサービスの廃止に至りました。
セブン&アイ・ホールディングスは不正利用が生じた主な原因を「リスト型アカウントハッキング(他のサイトから不正に入手したIDやパスワードを利用したログイン)である可能性が高い」と発表しています。
7payは2段階認証の仕組みがなく、セキュリティ対策が不十分だったことは間違いありません。しかし、利用者側によるIDやパスワードの管理が不十分だったことも原因の一端となっていた可能性があります。
LINE Payのセキュリティ対策
LINE Pay株式会社が運営する「LINE Pay」は、公式ブログにおいて、同社のセキュリティ対策について詳しく解説しています。その中からいくつか抜粋すると、以下のようなものがあります。
・本人確認を済ませていない場合は利用に制限がかかる
・普段と異なるデバイスによるアクセス時は専用パスワードによる認証が必要
・銀行口座やクレジットカードの情報は暗号化して保管
・「PCI DSS」で「レベル1」を取得
・24時間365日体制でモニタリング(システムや人による不正利用の監視)
・利用者補償制度がある
PCI DSSとは、クレジットカードの国際的なセキュリティ評価基準です。その最高レベル認証である「レベル1」を取得しているということは、一定の安全性が確保されていると言って差し支えないでしょう。
また、PayPayや楽天ペイのように、利用のつど登録したメールアドレスに通知が来るコード決済サービスも多いです。こうしたサービスなら不正利用があるとすぐに気付くことができるので、過剰な心配は要らないかもしれません。
それでも不安を感じるなら
それでも何となく不安が完全に拭えないというのであれば、以下のような点を意識して少しずつ利用してみてください。
・新しいサービスはすぐに利用せず、しばらく様子を見る
・SNSで評判を確かめる
・IDやパスワードの使い回しを避ける
・少額利用に限定する
問題が絶対に起きないと分かるまで待っていると、いつまで経っても使い始めることができず、メリットを得る機会も失います。リスクがあることを承知でサービスを利用するということは、資産運用で株式など元本割れリスクのある手段を利用するときの心の持ち方にも通じるものがあります。
100%の安全性が確保されてから利用するというのも1つの考え方かもしれません。しかし、リスクを承知で利用してみるというのも試す価値があるのではないでしょうか。
[出典]
株式会社J.D. パワージャパン「キャッシュレス決済に関する実態・意識調査」(プレスリリース)
株式会社セブン&アイ・ホールディングス「「7pay(セブンペイ)」 サービス廃止のお知らせとこれまでの経緯、今後の対応に関する説明について」
LINE株式会社 LINE Pay公式ブログ「「LINE Pay」、安全のしくみ」
執筆者:横山琢哉
ファイナンシャルプランナー(日本FP協会 AFP認定者)
フリーランスライター
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