パートだけど、仕事の時間を増やして厚生年金に加入したら、将来どんなメリットがあるの?

ファイナンシャルフィールド / 2020年3月30日 3時0分

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夫の扶養の範囲と思ってパートで働いてきたけれど、仕事にも慣れてきて収入も増やしたい。   しかし、収入を増やしたら厚生年金も健康保険に入ることになり、手取りが減ってしまうと躊躇する妻は多いようです。   将来の年金が増えるからといわれるけれど、どのくらいの社会保険料を納めて、老後資金にはどのような影響があるのか、いくつかのケースに分けて考えました。  

例えば、年収106万円なら社会保険料はどのくらい?

夫の扶養範囲から外れて社会保険に入らなければならないのは、年収130万円以上が原則ですが、現在は従業員が501人以上の企業で働く場合、週20時間以上の勤務かつ年収106万円以上で加入しなければなりません。
 
従業員が501人以上だから大企業だけが対象と思っていると、今後は2022年10月には101人以上、2024年10月には51人以上の企業と、次第に対象範囲が広がっていく見込みです。
 
では、年収106万円(月収8万8000円)の人はどのくらいの保険料を負担し、もし20年働き続けたとしたらどのくらいの年金を受け取ることができるのでしょうか。
 


 
毎月1万2500円引かれるとすると、手取りは7万5500円。さらに40歳以上なら介護保険料約700円も引かれます。ただし、もしも病気やケガで仕事を休み収入が減ったら傷病手当金を受け取れる可能性がありますし、厚生年金はどんなに長生きしてもずっともらえます。

夫が会社員、夫婦ともに長生きするなら

上の例では、20年間に納める社会保険料(厚生年金、健康保険)が合計約300万円になりますから、月に9000円という年金額では大きな魅力を感じないかもしれません。
 
しかし、老後に夫の年金だけで生活していける人は少ないでしょう。退職金や老後に備えて蓄えた預貯金を切り崩していくと、長生きするほど資金が乏しくなっていきます。
 
そのときに少額でも妻の厚生年金があれば助かります。できれば、無理のない範囲で収入を増やし、年金も多く受け取れるようにしておきたいものです。

夫が会社員、夫が亡くなった後は

会社員であった夫が亡くなった後、遺族厚生年金が妻の生活の支えとなるでしょう。気を付けておきたいのは、夫の遺族厚生年金を妻の老齢基礎年金・老齢厚生年金にプラスして受け取れるのではないということです。
 
遺族厚生年金の金額は夫の老齢厚生年金額の3/4です。
 
妻の老齢厚生年金がこの金額を上回らない限り、妻が受け取れる老齢年金は、妻の老齢基礎年金と老齢厚生年金に加えて、夫の遺族厚生年金と妻の老齢厚生年金の差額ですから、残念ながら「働いて納めた分だけ多く受け取れる」とはなりません。

夫が自営業で国民年金だけなら

夫が国民年金の第一号被保険者の場合、妻も同じように第一号被保険者として年金保険料を納めています。国民健康保険に扶養の考え方はないので、健康保険料も納めています。
 
厚生年金・会社の健康保険に加入すれば保険料の半分を事業主が負担してくれるので、自分で負担する保険料は安くすみます。一方で、将来は老齢厚生年金を受け取れたり、会社員の健康保険は国民健康保険より手厚い保障(傷病手当金など)が受けられることが多かったり、メリットが多いのです。
 
また、夫が亡くなった後に遺族基礎年金を受け取れるのは、高校を卒業する年齢までの子どもがいる場合に限られるので、老後の年金を少しでも多く受け取れるような対策を講じておくと良いでしょう。
 
夫が自営業の妻なら、パートであっても社会保険に加入できるような働き方を選択したいものです。

まとめ

長生きも1つのリスクと考えられます。「人生100年時代」と言われるように、長生きする人が増えています。現在、65歳の人の平均余命は男性19.70年、女性24.50年です(厚生労働省『平成30年簡易生命表の概要』より)。
 
例えば、貯蓄が2000万円あっても65歳から年に100万円ずつ取り崩していけば、85歳で底をついてしまいます。平均より10年くらいは、長生きすることも考えておかねばなりません。
 
妻の収入を増やして貯蓄を増やすこと、長生きしてもずっと受け取れる公的年金の受給額を増やすことを、老後のマネープラン対策として検討してみてはいかがでしょうか。
 
執筆者:蟹山淳子
CFP(R)認定者

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