予想される医療費の負担増。医療費の節約にはどんな方法がある?
ファイナンシャルフィールド / 2020年4月3日 10時10分
政府主導で行われる「全世代型社会保障検討会議」で大転換が次々に打ち出されています。 なぜかというと今後、団塊の世代の方が後期高齢者になると社会保障費の増加によって財政が圧迫されるため、それを見越した改革が今盛んに検討されているのです。
医療費を節約するため、今からできること
直近の改正としては、2020年度国民健康保険料の値上げ、そして後期高齢者の自己負担を2倍にする案、風邪薬等の市販品類似薬を医療保険の対象から外す案等が検討されています。今から自己防衛策を検討しておくことが、医療費を節約する上で大切なことです。
1.健康増進
最近健康保険組合等でしきりに提唱しているのが、「ウォーキングキャンペーン」です。年齢を重ねると、運動量が減る方が増える傾向にあります。まず健康であること、筋肉があることが健康を維持し、結果的に医療費負担を抑えることにつながるかもしれません。「筋肉は裏切らない!」
2.早期発見(定期健診・人間ドック)
病気の早期発見が、医療費低減に大きく影響します。ちなみに、筆者も日帰りドックから1泊2日の人間ドックに変更しました。
3.ジェネリック医薬品への変更
かかりつけの医師・薬剤師にジェネリック医薬品を希望していることを伝えましょう。高齢になると薬を常用することが多くなります。場合によっては、支払う額に大きな違いが出ることもあります。
(例)1年間、医薬品を服用した場合の3割負担額(一例です)
高血圧の薬:新薬1万9425円、ジェネリック医薬品3767円、差額1万5658円
糖尿病の薬:新薬1万4027円、ジェネリック医薬品5585円、差額8442円
4.病気になってもすぐに大病院に行かない
まずかかりつけ医師に相談をし、さらなる処置が必要な場合にはかかりつけ医師に相談の上、大病院への紹介状をもらいましょう。直接大病院に行くと特別料金がかかります(2020年4月から対象病院が「400床以上」から「200床以上」に拡大されます)。
5.診療時間内に受信を受ける
時間外、休診日に行くと割増になります。緊急時以外は病院・クリニックの開いている時間に受診しましょう。
6.高額療養費制度をうまく使う
まずは高額療養費制度をよく知って、高額療養費制度を使えるものは必ず使いましょう。大きな手術や入院はできれば月初にすると良いでしょう。高額療養費制度は暦月でカウントします。月をまたぐと使えなくなるケースもあります。
(例)自己負担額が11万円だったとします。それが同じ月であれば高額療養費の対象ですが、月をまたぐと対象にならない場合があります。自己負担額が合計11万円の場合単月では対象になりますが、前月6万円で当月5万円だとするとどちらの月も対象になりません。
7.被扶養者となる
退職したら、配偶者か子どもの被扶養者になるのも良いでしょう。扶養者が保険料を負担しますので、被扶養者は保険料がかかりません。
8.継続被保険者となる
退職したら、継続被保険者になることもできます。国民健康保険より割安の場合が多くなります。
9.回復しない病気になったら延命治療はしない
人によって判断が分かれることかと思いますが、万が一の際の延命治療についても考えておきましょう。治療行為に関する希望・意思表示として「事前要望書」を提出、家族にもしっかり伝えてください。
10.所得控除をうまく使う
医療費控除またはセルフメディケーション税制を活用しましょう。大事なことは病院やクリニックの領収証を保管しておくことです。
11.先進医療特約を付加する
民間生保の先進医療特約を活用しましょう。この特約は、予想外に保険料が安いケースもありますので、確認してみましょう。
12.終身型医療保険に加入する
民間生保の医療保険に加入するなら、60歳か65歳払込み満了の終身型に加入するのがおすすめです。年配の方は終身払いの終身型に加入すると良いでしょう。
なぜなら、1人当たりの生涯医療費は2700万円かかるといわれていますが、その半分は70歳以降にかかります。つまり、多くの方は70歳を過ぎてから大きな病気にかかるということが予想できます。
その時に民間の医療保険の保障がなくなっているのは悔しいとは思いませんか。過去の保険は医療特約が80歳でなくなる保険が多いことと、定年時に保険を解約する方が多いことが残念です。
詳細は、所属している健康保険組合、協会けんぽ、最寄りの生命保険会社担当者等に確認してください。
執筆者:北山茂治
高度年金・将来設計コンサルタント
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