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テレワークできない! ではなく自分たちでできることを考えてみよう

ファイナンシャルフィールド / 2020年5月1日 11時10分

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新型コロナウイルスの感染拡大を減らすために、人との接触を8割減らすよう、テレワークが推奨されています。お客様との面談が必要だったり、押印をする必要があったり、実際に現場に出向かなければならない業種など、すべてテレワークにするのが難しいのは当然です。   ただ、東京オリンピックを控えて、時差出勤や在宅勤務を検討していた企業は多かったはずです。今回は予期しないきっかけではありましたが、この機会にテレワークで注意したいこと、利用できることを考えてみてはいかがでしょう。  

労働者を管理するためにしておきたいこと

「在宅勤務をさせる」ということは、会社にとっては労働時間の管理が困難になるということといえます。通常、会社へと通勤していれば、朝タイムカードを押し、帰りにまたタイムカードを押し、もしくはパソコンの使用状況や、実際に机にいることを上司が見ることは可能です。
 
一方、営業などの職種では、ずっと事務所にいることが少ないということもあり、一定の条件に合う場合には、労働基準法に規定される「事業場外労働のみなし労働時間制」を適用される場合があります。
 
これは、事業場外で所定労働時間の全部または一部を算定しがたい場合に、所定労働時間または通常必要とされる時間を労働したものとみなすという制度なのですが、だれでも「外で仕事をすれば適用される」というのは、実は間違いです。
 
あくまでも、労働時間の算定が困難な場合ですので、例えば業務途中に携帯電話で、「どこにいるか」「何時までかかるのか」など、適時に報告できる場合には適用外です。
 
ですから、今回の新型コロナ騒動でテレワークをさせるにしても、会社は勝手に「1日働けば8時間でいいでしょう」と自動的に判断することができない、という点には注意しておきましょう。
 
通常時と同様に、朝に始業を報告させ、途中でもし業務多忙につき、8時間を超えて残業をさせなければ業務が終了できない場合には、“当然”時間外を支払う義務が生じます。

就業規則に定めておきたいこと

在宅勤務であるといっても、業務請負ではなく雇用されている場合は労働者です。当然、テレワークを行う場合においても、労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法、労働者災害補償保険法等の労働基準関係法令が適用されます。
 
労働条件の明示はもちろん、長時間労働におよびそうな場合や、産業医の面談を希望した場合は面談をさせ、業務の見直しをするなど、目が届きにくいからといって安全配慮義務を怠ることはできません。
 
では、テレワークを労働者にさせるにあたって、どんなことを就業規則に定めておけばいいのか考えてみます。筆者が考えた主なものは、以下です。

●就業規則に記載しておくといい条件

・情報通信機器の使用(会社か個人所有か)
 
・費用の負担(会社が負担する場合の条件や機器貸出か。請求して相当と認めた場合には支払うなど)
 
・休憩や労働時間の管理の方法(始業、休憩、終業などメールで都度行うのか、それとも、業務終了後に報告する形にするのかなど)
 
・情報の管理の方法(個人所有の情報通信機器の使用をする場合などには、特に情報の管理を徹底すること。個人情報などの業務上の秘密に関する情報が漏えいした場合の取り扱いなど秘密保持規定は必要)

利用できるものは利用したい

政府は、感染拡大防止のためにとテレワークを推進していますが、筆者の業務でもオンラインですることが可能なものと、助成金のように書類に「会社と従業員代表の押印」が必要な書類があるなど、すべてをオンラインにしてテレワークに切り替えることは不可能です。
 
そのため、パソコン上で電子印鑑を押した書類で申請・提出が可能であったり、契約書をクラウド上で行うように、申請書類もクラウドで作成しそのまま提出できる仕組みを作るなど、政府の申請自体を簡略化できるよう、今後求めていくことは必要でしょう。
 
また、東京都では、テレワーク助成金(※1)として、最大250万円の助成金があります。このように、テレワークを後押しできる助成金なども、今は東京都だけですが、他の自治体でも検討していただけるよう切に望みます。
 
今回の騒動では、以前からあった雇用調整助成金も、特例に特例を重ねこれまでにない緩和策が取り入れられています。まずは、これまでの業務内容の見直し、会社にいる時間の見直しなど、できることから始めていただくのも、自粛の雰囲気が続く中で「自分たちでできること」に入るのではないでしょうか。
 
(※1)東京しごと財団 事業継続緊急対策(テレワーク)助成金
 
執筆者:當舎緑
社会保険労務士。行政書士。CFP(R)。

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